検索すると「オリオンツアー 危ない」と表示される理由をHOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

インターネットでオリオンツアーを検索すると「危ない」というキーワードが表示されることがあり、旅行を検討中の方にとって不安材料となっているようです。旅行系WEBメディア「HOTTEL」の旅行記者として、できるだけ多くの評判や口コミを参考にして調査し、この疑問についてわかりやすく簡単に解説します。

結論から申し上げると、オリオンツアーは大手旅行会社HISグループの一員として46年以上の実績を持つ老舗旅行会社であり、基本的な安全性は確保されていると考えられます。ただし、格安料金を実現するための運営体制や、過去の行政処分などが「危ない」という印象を与える要因となっているようです。

オリオンツアーの企業概要と業界での位置づけ

株式会社オリオンツアーは、1976年に設立された国内旅行専門の旅行会社で、現在はHISグループの完全子会社として運営されています。創業以来、スキー・スノーボードツアーを中心とした格安ツアーの企画・販売で知られており、特にウインタースポーツ分野では業界トップクラスの実績を誇っています。

同社の事業領域は多岐にわたり、日帰りバスツアー、宿泊ツアー、高速バス事業、そして近年では屋久島ツアーやダイビングツアーなどのアクティビティ系ツアーにも力を入れています。JAL航空券とホテルをセットにしたダイナミックパッケージの販売も行っており、国内旅行市場における格安旅行の代表的なブランドとして認知されています。

旅行業界において、オリオンツアーは「格安旅行」というポジショニングを明確に打ち出しており、価格重視の消費者層から一定の支持を獲得していると言われています。しかし、この格安戦略が一部でサービス品質への懸念を生む要因ともなっているようです。

「危ない」と検索される具体的な理由

2024年の行政処分が与えた影響

オリオンツアーが「危ない」と検索される最大の理由の一つは、2024年3月に観光庁から受けた行政処分にあると考えられます。この処分は、2022年9月に実施した貸切バスツアーにおいて、運賃・料金の下限を下回る運賃でバスを手配したという旅行業法違反によるものでした。

具体的には、本社営業所に対して14日間の業務停止命令が発出され、新規予約の受付や追加手配が一時停止されました。このような行政処分は旅行業界では重大な出来事であり、消費者の信頼に大きな影響を与える要因となります。

さらに、2025年1月には再び観光庁から業務改善命令を受けており、安全コストを割り込んだ手数料の取引に関与したとして処分されています。これらの連続した行政処分が、「危ない」という印象を強めている可能性があります。

バスツアーにおけるトラブル事例

利用者の口コミを調査すると、バスツアーにおけるいくつかの気になる事例が報告されています。最も深刻な事例として、休憩中にドライバーが深く居眠りをしてしまい、集合時間になっても起きないという事態が発生したケースがあります。添乗員がドライバーの携帯電話番号を把握していなかったため、対応が後手に回ったという報告もあり、緊急時の連絡体制に課題があることが指摘されています。

運転技術に関する懸念も多数報告されており、「運転が荒い」「急ブレーキが多い」「高速道路で制限速度を超過している」といった指摘が見られます。これらの問題は、委託先のバス会社によって対応にばらつきがあることが一因とされています。

集合場所の案内不備も頻繁に指摘される問題点です。特に都庁高架下のバス乗り場では案内が不十分で、初めての利用者には分かりづらく、現地での案内スタッフも不在のため、到着が遅れて出発に間に合わないケースも報告されています。

顧客対応とサービス品質の課題

電話対応の品質についても多くの不満が寄せられています。予約変更やキャンセル手続きの際に、スタッフの対応が不親切であったり、説明が不十分であったりするケースが報告されています。特に、返金手続きに関する説明が曖昧で、利用者が混乱するという事例が複数確認されています。

また、緊急連絡先が設けられていないという運営体制も、利用者にとって不安材料となっています。営業時間外における取消・変更については翌日扱いとなるため、急な変更が必要な場合に対応が困難になるという構造的な問題があります。

チケット配布の遅れも利用者の不安を煽る要因となっているようです。バスツアーでは出発当日まで物理的なチケットが渡されず、メール画面がチケット代わりになるシステムですが、この仕組みを十分に理解していない利用者からは「チケットが来ない」という不安の声が上がっています。

オリオンツアーの安全対策と良い点

業界基準を上回る安全運行体制

一方で、オリオンツアーの良い点として、安全運行に対する積極的な取り組みが挙げられます。同社では2006年から「オリオンバス安全運行協議会」を定期的に開催しており、運行バス会社65社74名が参加する大規模な安全講習会を実施しています。

特に注目すべきは、夜行バスにおける乗務員配置基準です。国の基準では実車距離400km以上または運転時間9時間以上で交替運転士の配置が必須とされていますが、オリオンツアーでは運行距離や時間に関係なく、夜行便については必ず2名乗務体制を採用しています。これは業界基準を大きく上回る安全対策と言えるでしょう。

専門機関との連携による品質向上

安全運行協議会では、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)による専門講習や、救急救命士による救命入門コースなど、外部専門機関と連携した教育プログラムを実施しています。このような取り組みは、運行品質の向上と事故防止に向けた真摯な姿勢の表れと評価できます。

また、「安全&品質管理基準」を制定し、シートベルト着用の徹底、運転者の過労運転防止、車両の安全確保、緊急時の対応などについて詳細な規定を設けています。貸切バス事業者安全性評価認定制度(セーフティバス)の活用や、デジタル式運行記録計、ドライブレコーダー、先進安全自動車(ASV)の導入推進など、ハード面での安全対策も充実していると言われています。

格安料金実現の仕組みとメリット

オリオンツアーの最大の利点は、やはりその圧倒的な価格競争力にあります。格安料金を実現できる理由として、大量仕入れによる価格交渉力が挙げられます。HISグループの一員として豊富な取引実績を活かし、ホテルや交通機関と年間契約を結んで大量予約することで、有利な条件での仕入れを実現しています。

人件費の効率化も価格競争力の源泉となっています。予約やお問い合わせの多くをオンライン化し、店舗運営や対面対応を最小限に抑えることで、経費削減を図っています。このような合理的な運営体制により、他社では実現困難な低価格でのサービス提供が可能となっています。

スキー・スノーボードツアーにおいては、リフト券やレンタル無料などの充実した特典が含まれており、コストパフォーマンスの高さが利用者から高く評価されています。雪道運転をプロのドライバーに任せられる安心感や、車を持たない利用者でも気軽にスキー場にアクセスできる利便性も大きなメリットとして挙げられます。

利用者口コミの詳細分析

肯定的な評価の内容

利用者の口コミを詳細に分析すると、肯定的な評価も多数確認できます。スキー・スノーボードツアーについては「他社よりかなり安かった」「添乗員がいつも親切で満足」といった満足度の高い感想が目立ちます。特に、ゲレンデ指定や宿指定ができる柔軟性が使いやすいと評価されています。

バス乗務員の対応についても、「乗務員の対応が非常に丁寧で親切」「旅の安全を確保するだけでなく、乗客の快適さや安心感を最優先に考えている」といった好意的な意見が見られます。実際に、スキー場からの帰りのバスで「電気を暗くしましょうか」という配慮のあるアナウンスがあったという具体例も報告されており、一部のスタッフは高いサービス意識を持っていることが分かります。

日帰りツアーについては「選択肢が多く、希望のツアーを見つけやすい」「グルメも同時に楽しめる」など、コストパフォーマンスの良さを評価する声が多数確認されています。解散場所を当日変更できるなどの柔軟な対応も好評を得ているようです。

改善を求める声とその分析

一方で、改善を求める声も決して少なくありません。「バスの運転手の対応にばらつきがある」「電話での問い合わせ対応が不親切」といった指摘は繰り返し報告されています。これらの問題は、委託先のバス会社や個々のスタッフによって品質にばらつきがあることを示しており、品質管理の標準化が課題となっていると考えられます。

キャンセル・変更手続きに関する不満も頻繁に指摘されています。「返金方法をちゃんと伝えない」「説明が不十分」「二重請求について問い合わせても『カード会社の問題』として取り合わない」といった具体的な事例が報告されており、顧客サポート体制の改善が必要な状況と言えるでしょう。

また、「安いのでサービスを期待してはいけません」という率直な意見も見られ、格安料金の代償として一定のサービス品質の妥協が必要であることを利用者側も理解している状況が伺えます。

おすすめする人・おすすめしない人

オリオンツアーをおすすめしたい方

オリオンツアーの良い点を考慮すると、以下のような方には特におすすめできると考えられます。まず、価格を最優先に考える旅行者の方々です。限られた予算で旅行を楽しみたい学生や若年層、家族連れなどにとって、オリオンツアーの圧倒的な価格競争力は大きな利点となります。

旅慣れた方にもおすすめです。交通機関と宿泊施設の手配さえしてもらえれば、現地でのトラブルは自分で対処できるという方であれば、格安料金のメリットを最大限に活用できるでしょう。特に、スキー・スノーボード愛好者にとっては、豊富なゲレンデ選択肢と充実した特典を考慮すると、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢と言えます。

車を持たない方や運転免許を持たない方にとっても、バスツアーは貴重な移動手段となります。雪道運転の不安を感じることなく、プロのドライバーに安全運行を任せられる安心感は大きなメリットです。

オリオンツアーをおすすめできない方

一方で、オリオンツアーの悪い点やデメリットを考慮すると、以下のような方にはおすすめしない場合があります。まず、手厚いサポートを期待する方です。大手旅行会社のような細やかなサービスや、トラブル時の迅速な対応を重視する方には、オリオンツアーは物足りなさを感じる可能性があります。

旅行初心者の方にも注意が必要です。チケット配布システムや集合場所の案内など、独特の運営方法に戸惑う可能性があり、十分な事前確認と理解が必要となります。説明不足により混乱を招くケースも報告されているため、不安を感じやすい方には他の選択肢を検討することをおすすめします。

また、緊急時の対応や柔軟性を重視する方にもおすすめできない面があります。営業時間外の対応ができないことや、急な変更への対応が制限されることを考慮すると、予定変更の可能性が高い方には不向きかもしれません。

サービス改善への取り組みと今後の展望

現在進行中の改善努力

オリオンツアーでは、過去の行政処分を受けて「再発防止に全社を挙げて取り組み、早期の信頼回復に努める」という方針を明確に打ち出しています。具体的な改善策として、安全運行協議会の継続開催や、運行バス会社との連携強化などが挙げられます。

2023年に開催された第16回全国オリオンツアーバス安全運行協議会では、65社74名の関係者が参加し、約3時間半にわたる濃密な研修が実施されました。このような定期的な品質向上への取り組みは、業界内でも評価されている取り組みと言われています。

HISグループとしての信頼性

オリオンツアーがHISグループの一員であることは、安全性と信頼性の面で大きな利点となります。大手旅行会社グループとしてのコンプライアンス体制や、突然の倒産リスクが低いことは、利用者にとって安心材料と言えるでしょう。

旅行業法に基づいた適切な運営が行われており、業界基準に準拠したサービス提供が期待できます。また、グループ全体でのノウハウ共有や品質管理体制の活用により、今後のサービス改善も期待されています。

まとめ:総合的な評価と利用時の注意点

オリオンツアーについて多角的に調査した結果、「危ない」という検索結果が表示される理由は、過去の行政処分や一部のサービス品質の課題にあることが分かりました。しかし、これらの問題は致命的なものではなく、適切な理解と準備をもって利用すれば、非常にコストパフォーマンスの高い旅行体験を得ることができると考えられます。

同社の良い点として、業界基準を上回る安全対策、圧倒的な価格競争力、スキー・スノーボードツアーでの高い専門性などが挙げられます。特に、夜行バスの2名乗務体制や定期的な安全運行協議会の開催など、安全面への配慮は評価に値します。

一方で、顧客対応の品質向上や、説明の充実、緊急時連絡体制の整備など、改善すべき課題も明確になっています。これらの欠点を理解した上で利用することが重要です。

最終的には、価格重視で旅慣れた方には非常におすすめできる選択肢と言えるでしょう。オリオンツアーの利点を最大限に活用し、注意点を理解して利用すれば、満足度の高い旅行体験を得ることができるはずです。HISグループの一員としての信頼性と、46年以上の業界実績を考慮すると、適切な利用方法を理解している方にとっては、引き続き価値のある旅行サービスプロバイダーとして機能していくものと考えられます。