マリオット ボンヴォイ(Marriott Bonvoy)は、世界最大級のホテルグループ「マリオット・インターナショナル」が展開する会員プログラムです。この記事では、その誕生の背景から、具体的な特典、ポイントの貯め方・使い方、そして最新の日本国内ホテル動向まで、優しく丁寧に解説します。マリオット ボンヴォイを活用して、あなたの旅をより豊かに、そしてお得にするヒントをお伝えします。

マリオット・インターナショナルの歩みと会員制度の誕生

マリオット・インターナショナルの歴史は、1927年、アメリカ・ワシントンD.C.でJ・ウィラード・マリオットとその妻アリスが開業したルートビア・スタンド「ホットショップ」から始まります。当時は禁酒法時代。アルコールの提供が禁じられていたため、ルートビアや軽食を提供するこの店は、瞬く間に評判を呼びました。その後、機内食事業や給食事業など、多角的なフードビジネスに進出。1957年には初のホテル「ツイン ブリッジ」をオープンし、ホテル業界に本格参入します。

1981年にはホテル数が100軒を突破。1995年には高級ホテルブランド「ザ・リッツ・カールトン」を買収し、2016年にはスターウッドホテル&リゾート(SPG)を買収。これにより、「シェラトン」「Wホテル」などの有名ブランドも傘下に加わり、世界最大のホテルグループとなりました。

この拡大に伴い、従来は「マリオット・リワード」「ザ・リッツ・カールトン・リワード」「SPG」と分かれていた会員制度を、2019年2月13日に統合。「マリオット ボンヴォイ(Marriott Bonvoy)」として新たなロイヤルティプログラムが誕生します。

マリオット ボンヴォイの会員制度とステータスの全貌

マリオット ボンヴォイは、世界142の国と地域に約8,900のホテルを展開するグローバルネットワークを活かし、会員に多彩な特典を提供しています。その最大の魅力は、無料で登録でき、利用すればするほど特典が増えること。まるで進化するポイントカードのように、旅を重ねるたびに恩恵が増していきます。

会員ステータス一覧と取得条件

マリオット ボンヴォイの会員ステータスは、以下の6段階に分かれています。

ステータス名 必要宿泊数 主な取得方法・特徴
一般会員 なし 登録のみでOK。無料Wi-Fi、会員限定料金など基本特典。
シルバーエリート 10泊 マリオットボンヴォイアメックス(一般)保有でも可。10%ボーナスポイント、レイトチェックアウトなど。
ゴールドエリート 25泊 マリオットボンヴォイアメックスプレミアム保有、アメックスプラチナ保有、他社ステータスマッチ等。25%ボーナスポイント、14時までのレイトチェックアウト、アップグレードなど。
プラチナエリート 50泊 年間400万円のカード利用やプラチナチャレンジ等。50%ボーナスポイント、16時までのレイトチェックアウト、スイート含むアップグレード、ラウンジアクセス、ウェルカムギフトなど。
チタンエリート 75泊 上記に加え、75%ボーナスポイント、2つ目の年間チョイス特典、ユナイテッド航空の上級資格付与など。
アンバサダーエリート 100泊+α 年間20,000米ドル以上の利用が条件。専任アンバサダーサービス、Your24(24時間滞在)、最上級のパーソナライズドサービス。

各ステータスの有効期限は1年間で、1月1日〜12月31日の宿泊実績により翌年3月〜翌々年2月末まで有効です。

ステータス別の主な特典

  • レイトチェックアウト(最大16時まで)
  • 客室アップグレード(スイート含む)
  • クラブラウンジアクセス
  • ウェルカムギフト(ポイント、朝食、アメニティ等から選択)
  • ボーナスポイント(最大75%加算)
  • 専用予約デスクやサポート
  • 年間チョイス特典(無料宿泊、スイートナイトアワード等)

これらの特典は、ビジネス利用はもちろん、家族旅行や記念日旅行でも大きな満足度をもたらします。

マリオット ボンヴォイのポイントシステムを徹底解説

ポイントの貯め方

マリオット ボンヴォイのポイントは、ホテル宿泊やレストラン利用、クレジットカード決済など多様な方法で貯められます。主な方法は以下の通りです。

  • マリオット系列ホテル・レストランの利用(宿泊代、飲食代、スパ利用など)
  • マリオットボンヴォイアメックスカードでの日常決済(スーパーやネットショッピングも対象)
  • ポイント購入(公式サイトで随時キャンペーンあり)
  • 紹介プログラム(友人・家族の紹介でボーナスポイント)
  • ポイントサイト経由の予約
  • 他の会員からのポイント移行やシェア
  • 航空会社のマイルや楽天ポイントからの交換

特にマリオットボンヴォイアメックスカード(プレミアム)は、100円ごとに3ポイントという高還元率で、日常の支払いでも効率よくポイントが貯まります。

ポイントの使い道

貯まったポイントは、多彩な使い道があります。

  • マリオット系列ホテルでの無料宿泊(全額ポイント、またはポイント+キャッシュ併用も可)
  • 40社以上の航空会社のマイルに交換(ANA、JAL含む。3:1の交換レート。60,000ポイント交換ごとに5,000マイルのボーナス付与)
  • 楽天ポイントへの交換(3:1のレート)
  • Marriott Bonvoy Moments(限定体験イベントの参加権)
  • ポイント譲渡(家族や友人への移行)
  • ポイント寄付(社会貢献活動への寄付)
  • ギフトカードへの交換

特に無料宿泊とマイル交換が最も価値を発揮する使い道とされています。例えば、リッツカールトン東京に98,500ポイントで宿泊できるケースでは、現金価格176,518円相当となり、1ポイントあたり1円以上の価値を実現することも珍しくありません。

ポイント宿泊のダイナミックプライシング

2025年現在、マリオット ボンヴォイでは「ダイナミックプライシング」が導入されており、必要ポイント数がホテルの空き状況やシーズンによって変動します。これにより、繁忙期や特定イベント期間には必要ポイント数が大幅に増加することがある一方、閑散期には少ないポイントでお得に宿泊できるチャンスもあります。

マイル交換の詳細

マリオットポイントは、世界中の40社以上の航空会社マイルに交換可能です。3ポイント=1マイルの交換レートが基本ですが、60,000ポイントごとに5,000マイルのボーナスが付くため、まとめて交換するのがお得です。ただし、アメリカン航空、デルタ航空、大韓航空、アビアンカ航空はボーナス対象外なので注意が必要です。

マリオット ボンヴォイアメックスカードの魅力と注意点

日本国内でマリオット ボンヴォイの特典を最大限に活用するなら、「マリオットボンヴォイアメックスカード」の存在は欠かせません。特にプレミアムカードは、年会費49,500円(税込)と高額ながら、ゴールドエリート資格が自動付与され、毎年の継続と条件達成で「無料宿泊特典」がもらえるなど、年会費以上の価値を感じる方も多いです。

主な特典

  • 毎年の継続で無料宿泊特典(条件達成時)
  • ゴールドエリート資格自動付与
  • 家族カード1枚目無料
  • ポイント還元率3.0%(100円で3ポイント)
  • 貯めたポイントをマイルに交換可能(最大1.25%のマイル還元率)
  • 国内主要空港のラウンジ利用
  • 旅行傷害保険やスマートフォンプロテクション

注意点やデメリット

2025年現在、無料宿泊特典の価値が相対的に下がったステータス付与の旨味が減少したマリオット縛りによる旅行の自由度低下マイル価値の下落といった声もあります。特に、ポイント宿泊の必要ポイント数が増加傾向にあるため、以前ほど「お得感」が薄れていると感じる方も出てきています。

日本国内のマリオット ボンヴォイ参加ホテルと最新動向

日本国内のマリオット ボンヴォイ参加ホテルは2025年現在、100軒以上が稼働中。さらに今後も新規開業が続き、2028年には140軒を超える見通しです。

2024年以降の主な新規開業予定ホテル

ホテル名 エリア 開業予定時期
長崎マリオットホテル 長崎・長崎 2024年1月16日
コートヤード・バイ・マリオット福井 福井・福井 2024年春
大阪ステーションホテル、オートグラフコレクション 大阪・大阪市 2024年夏
コートヤード・バイ・マリオット札幌 札幌・北海道 2024年夏
JWマリオット・ホテル東京 東京・高輪 2025年春
鳥取・ラグジュアリーコレクションホテル 鳥取・鳥取市 2026年
横浜ロイヤルパークホテル(リニューアル) 横浜・神奈川 2028年

このように、全国各地でラグジュアリーからリーズナブルまで多様なブランドが展開されており、旅行や出張の選択肢が格段に広がっています。

マリオット ボンヴォイの“賢い”活用術

ポイントの効率的な貯め方

マリオット系列ホテルの利用はもちろんですが、日常生活の支払いをマリオットボンヴォイアメックスカードに集約することで、着実にポイントが貯まります。さらに、家族や友人の紹介で入会すればボーナスポイントがもらえ、紹介した側にも特典が付与されるため、周囲と一緒に活用するのもおすすめです。

ポイントの“価値が高い”使い道

  • 高級ホテルの無料宿泊:特に繁忙期やイベント時は現金価格が高騰するため、ポイント宿泊の価値が最大化します。
  • 航空会社マイルへの交換:海外旅行や特典航空券狙いの方には最適。特にスターアライアンス加盟航空会社への交換は人気です。
  • Marriott Bonvoy Moments:コンサートやスポーツ観戦、限定イベントなど、ポイントでしか体験できない“特別な思い出”を作ることも可能です。

ステータスを活かした旅の楽しみ方

  • レイトチェックアウトを活用して、最終日もゆっくり過ごす
  • クラブラウンジでの無料朝食やカクテルタイムを満喫
  • アップグレードでスイートルーム体験
  • 年間チョイス特典で無料宿泊やスイートナイトアワードを獲得

これらの特典は、家族旅行や記念日旅行、ビジネス出張でも大きな差を生みます。特に、小さなお子様連れや長旅の際は、レイトチェックアウトやラウンジアクセスが大きな安心と快適さをもたらします。

マリオット ボンヴォイの評判と今後の課題

利用者の声

マリオット ボンヴォイの特典や利便性を高く評価する声が多い一方で、カスタマーサービスの対応やポイント付与のトラブルに不満を感じる利用者も一定数存在します。また、近年はポイントの価値の下落必要ポイント数の増加により、「以前ほどお得感がない」と感じる方も増えています。

今後の課題

  • ポイント制度の透明性向上:ダイナミックプライシング導入により、必要ポイント数が分かりづらくなったとの指摘もあります。
  • カスタマーサービスの質向上:問い合わせ対応やポイント付与の正確性など、グローバルブランドとしてのさらなるサービス向上が求められています。
  • 特典価値の維持:会員数増加に伴い、特典の希少性や価値をいかに維持するかが今後の鍵となります。

まとめ:マリオット ボンヴォイで広がる豊かな旅の世界

マリオット ボンヴォイは、世界最大級のホテルネットワークと充実した特典、柔軟なポイントシステムを兼ね備えた、まさに“旅好き”には欠かせない会員プログラムです。日常の支払いから特別な旅行まで、ポイントを賢く貯めて・使うことで、あなたのライフスタイルに新たな価値と体験をもたらしてくれます

一方で、制度の複雑化や特典価値の変動など、注意すべきポイントも増えています。最新情報を常にチェックし、自分に合った使い方を見つけることが、マリオット ボンヴォイを最大限に活用するコツです。

これからマリオット ボンヴォイを始める方も、すでに会員の方も、ぜひこの記事を参考に、より豊かな旅とお得なホテルライフを楽しんでください。

参考URL:

https://www.americanexpress.com/jp/credit-cards/marriott-bonvoy-premium/

https://www.nerdwallet.com/article/travel/benefits-of-the-marriott-bonvoy-loyalty-program

https://www.monsterism.net/23521/

https://www.yelp.com/brands/marriott-bonvoy  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB

https://www.marriott.com/ja/help/marriott-bonvoy-benefits-faq.mi

https://www.marriott.com/ja/loyalty.mi

https://www.marriott.com/ja/loyalty/member-benefits.mi

https://www.marriott.com/ja/default.mi

https://travel.rakuten.co.jp/special/membership/marriott/

https://www.marriott.com/ja/loyalty/earn.mi

https://www.americanexpress.com/ja-jp/benefits/marriott-bonvoy/marriott-bonvoy-point/

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000124910.html

https://en.wikipedia.org/wiki/Marriott_International

https://en.wikipedia.org/wiki/Marriott_Hotels_&_Resorts