検索すると「ベトジェット やばい」と表示される理由をHOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
目次
旅行系WEBメディア「HOTTEL」の旅行記者TAKAです。今回は、ネット検索で「ベトジェット やばい」と表示される理由について、できるだけ多くの評判を参考にして調査しわかりやすく簡単に解説します。結論から申し上げると、ベトジェットエアが「やばい」と言われる主な理由は、圧倒的な遅延率の高さと顧客対応の質の低さにあると言えるでしょう。しかし、その一方で圧倒的な料金の安さと国際的に認められた安全性という大きなメリットも存在するため、利用者の価値観や旅行スタイルによって評価が大きく分かれるLCC(格安航空会社)なのです。
遅延・欠航問題の深刻さ
業界最高レベルの遅延率
ベトジェットエアの最も深刻な問題として挙げられるのが、異常なほど高い遅延率です。ベトナム民間航空局の公式データによると、ベトジェットエアの遅延率は24%と業界で最も高く、これは4便に1便が遅延するという計算になります。一般的なLCCの遅延率が10%前後であることを考えると、この数値は確かに「やばい」レベルと言わざるを得ません。
特に深刻なのは、単なる遅延だけでなく便削減や時間変更が頻繁に発生することです。実際の利用者からは「午前7時の便のはずが、便削減で午前1時に変更になった」という事例が報告されており、これは実質的にフライトが6時間早まったことを意味します。このような劇的な時間変更は、旅行計画を根本から狂わせる可能性があり、特にビジネス利用者にとっては致命的な問題となり得ます。
遅延の根本的原因
遅延が多発する根本的原因として、パイロットの技術不足が指摘されています。ベトナム民間航空局の調査によると、シンガポールの航空会社のパイロットが着陸後60秒で滑走路を離れるのに対し、ベトナムのパイロットは70秒近く時間を要し、離陸時も管制官が1秒単位で計算しなければならない状況で平均10~15秒かけて走り出すという問題が明らかになっています。
また、タンソンニャット国際空港での停止場の配置の問題も深刻で、離陸を控えた飛行機が滑走路から遠く離れた場所に配置され、停止場から滑走路に移動するために15~20分もかかるケースが報告されています。これらの運用面での問題が積み重なって、全体的な運航効率の低下を招いているのです。
サービス品質の深刻な問題
CAの職務態度に関する問題
ベトジェットエアのサービス品質について、特に客室乗務員(CA)の職務態度に関する深刻な問題が多数報告されています。最も衝撃的な事例として、着陸して降機順番待ちをしている際にCAが席に座って携帯ゲームをしていたり、離陸時に後部座席に座っていたCAが携帯音楽をずっと流していたという報告があります。
これらの行為は、航空安全基準の観点から見ても非常に問題があります。特に、乗客に対して「離陸前には携帯の電源を切ってください」とアナウンスしている一方で、CA自身が携帯音楽を流すという行為は、プロフェッショナリズムの欠如を示す象徴的な事例と言えるでしょう。
機内安全管理の不備
安全面での問題も複数報告されています。着陸時の揺れでギャレーから中身入りのペットボトルが飛んできて、しかもフタが開いていたという事例は、機内の安全管理体制に重大な欠陥があることを示しています。このような事態は、乱気流などの突発的な状況で乗客に怪我を負わせる可能性があり、LCCとはいえ許されるべきではありません。
システム・インフラの問題
ウェブサイトの致命的な不具合
ベトジェットエアのデジタルインフラには深刻な問題があります。最も象徴的なのが、ウェブサイトの入力システムの不具合です。利用者からは「Tと打つと、TTTTTと、なぜかTがいっぱい入力されてしまう」「TSUTSUと打つと、TTTTSSSSUUUUTTTTSSSSUUUUなどと入力されてしまう」という報告があり、名前や予約番号の入力すら困難な状況が発生しています。
さらに深刻なのは、座席指定システムの問題です。同じ便で、ある人のスマホでは後部座席が選択できず前の座席だけが表示され、別の人のスマホでは全く逆の状況になるという現象が報告されています。このようなシステムの不安定性は、利用者の不信感を大きく増大させる要因となっています。
顧客対応の質的問題
コールセンター対応の困難さ
ベトジェットエアの顧客対応体制には重大な問題があります。日本のコールセンター(03-5937-0821)については、20分以上話し中状態が続くことが常態化しており、緊急時の対応として機能していない状況が報告されています。また、実際に電話が繋がっても少人数制のため、根本的な解決には時間がかかることが多いようです。
返金・キャンセル対応の不透明性
返金やキャンセル対応についても、多くの問題が指摘されています。自己都合でのキャンセルの場合、手数料5,000円が差し引かれてベトジェットのクレジットシェル(バウチャー)として返金されるシステムですが、このバウチャーの利用条件や有効期限について十分な説明がなされていないケースが多いようです。
特に問題なのは、航空会社都合でのフライトキャンセルや大幅な時間変更の場合でも、適切な補償が行われないケースが報告されていることです。これは消費者保護の観点から見ても非常に問題があります。
機材・設備面の課題
機材の老朽化問題
ベトジェットエアの機材についても問題が指摘されています。利用者からは「機材は古い」「アプリはオンボロ」という評価が寄せられており、全体的な設備の老朽化が進んでいる可能性があります。ただし、これについては公式発表では平均機齢2.7年の若い機材を使用しているとされており、実際の状況との乖離がある可能性があります。
機内環境の問題
機内環境についても、温度管理の問題が指摘されています。往路は適温だったにも関わらず、復路では極寒状態になったという報告があり、機内の空調システムに一貫性がないことが伺えます。LCCではブランケットも有料であるため、このような温度管理の問題は乗客にとって深刻な不快感の原因となります。
荷物・保安検査に関するトラブル
受託手荷物からの盗難問題
最も深刻な問題の一つとして、受託手荷物からの盗難事件が報告されています。ベトナムドンが入った財布を受託荷物に入れていたところ、到着後に確認すると大部分のお金が盗まれ、1000ドン札と200ドン札のみが残されていたという事例があります。
この事例では、預ける際に「貴重品は入ってないですか?」と確認されており、忘れてしまった利用者にも落ち度があるとはいえ、だからといって盗難が正当化されるわけではありません。このような事件は航空会社の信頼性を根本から揺るがす重大な問題と言えるでしょう。
ベトジェットエアの良い点・メリット
これまで問題点を詳しく解説してきましたが、ベトジェットエアには確実にメリットも存在します。公平な評価のために、おすすめできる利点についても詳しく解説いたします。
圧倒的な料金の安さという利点
ベトジェットエアの最大のメリットは、なんといってもその圧倒的な料金の安さです。成田からホーチミンまでの往復が3万円程度で購入できることも珍しくなく、セール時には片道100円(諸税・燃油サーチャージ別)というような破格の料金が提供されることもあります。
特に印象的なのは、成田→ホーチミン→ダナン→ハノイ→成田という4区間の航空券を合計38,780円で購入できたという事例です。これは国内旅行の費用と変わらないレベルの価格設定であり、予算重視の旅行者にとっては非常に魅力的なオプションと言えるでしょう。
国際的に認められた高い安全性
意外に思われるかもしれませんが、ベトジェットエアは安全面において国際的に非常に高い評価を受けています。国際航空サービスと安全性の評価を専門とする権威ある機関「エアラインレーティングス」によって、2025年も世界で最も安全な航空会社の一つにランク付けされており、7つ星中7つ星の最高安全評価を継続的に維持しています。
この安全性評価は、運航面での問題とは別次元の話であり、機体整備や安全管理システムについては国際基準を満たしていることを示しています。実際に、利用者からも「ランディング(着陸)が素晴らしかった」という技術面での評価も得ており、安全がイチバンという観点では十分に信頼できる航空会社と言えるでしょう。
豊富な路線網とアクセス利便性
ベトジェットエアは、アジア圏を中心に40以上の目的地にサービスを提供しており、特にベトナム国内では19の空港を結ぶ36路線を運航しています。これにより、ベトナム国内の周遊旅行を計画する際には、非常に便利な選択肢となります。
また、日本からは8路線が就航しており、ハノイ、ホーチミン、ダナンといった主要都市への直行便を利用できることも大きなメリットです。成田空港では第2ターミナル発着となっており、LCCながら利便性の高いターミナルを使用している点も評価できます。
機内環境の意外な快適性
多くの批判的な意見がある一方で、機内環境については意外にも肯定的な評価も見られます。座席のピッチ(前後間隔)については「通常のLCCと同様で、特に狭いという印象もなく快適」という評価があり、シートの座り心地についても好評価を得ています。
機内食についても、600円程度の春雨ヌードルが「おいしかった」という評価があり、LCCの機内食としては満足度の高いサービスを提供していることが伺えます。また、機内清掃についても「機内は綺麗」という評価があり、基本的な衛生管理は適切に行われているようです。
おすすめできる利用者とおすすめしない利用者
おすすめできる方の特徴
ベトジェットエアの利用をおすすめできるのは、以下のような特徴を持つ旅行者です。
予算最優先の旅行者:何よりも旅費を抑えたいバックパッカーや学生の方には、価格面でのメリットが非常に大きく、多少のサービス面での不便は受け入れられると考えられます。
日程に十分な余裕がある方:遅延リスクを考慮して、前後に1日以上の余裕を持ったスケジュールを組める長期旅行者であれば、遅延による影響を最小限に抑えることができます。
ベトナム国内周遊を予定している方:豊富な国内線ネットワークを活用して、ホーチミン、ハノイ、ダナン、フエなどの主要観光地を効率的に周遊したい方には、非常に便利な選択肢となります。
おすすめしない方の特徴
一方で、以下のような方にはベトジェットエアの利用をおすすめできません:
ビジネス利用や重要な予定がある方:会議や重要なイベントに参加するためのフライトとしては、遅延リスクが高すぎるため不適切です。
高品質なサービスを期待する方:機内サービスや顧客対応において、フルサービスキャリア並みの品質を期待する方には、確実に失望感を与える結果となるでしょう。
トラブル時の迅速な対応を重視する方:緊急時や変更時の対応スピードを重視する方には、現状のカスタマーサポート体制では満足のいくサービスを提供できない可能性が高いと言えます。
賢い利用方法と対策
事前対策の重要性
ベトジェットエアを利用する際は、事前対策が非常に重要です。まず、オンラインチェックインは必須で、これにより空港での長時間待機を避けることができます。また、遅延に備えて前後のスケジュールには最低でも半日、できれば1日以上の余裕を持たせることをおすすめします。
座席指定や機内食の事前予約についても、現地での追加料金を避けるために事前手続きを完了させておくことが賢明です。特に、荷物の重量制限については厳格に適用される可能性があるため、事前に正確な重量を測定し、必要に応じて追加料金を支払っておくべきでしょう。
トラブル発生時の対処法
万が一トラブルが発生した場合は、コールセンターよりもメール対応の方が効率的であることが多いようです。また、24時間前までのキャンセル規定など、細かな利用条件を事前に確認しておくことで、緊急時の対応がスムーズになります。
重要な書類や貴重品については、絶対に受託手荷物には入れず、機内持ち込み手荷物として管理することを強く推奨します。これは盗難リスクを避けるための基本的な対策です。
結論:価値観次第で評価が変わる航空会社
ベトジェットエアが「やばい」と言われる理由について詳しく調査した結果、確かに遅延率の高さ、サービス品質の不安定さ、顧客対応の問題など、多くの課題があることは事実です。しかし、それらの欠点を理解した上で適切に利用すれば、圧倒的な価格メリットと安全性を享受できる航空会社でもあります。
重要なのは、利用者自身の価値観と旅行スタイルに合わせて選択することです。サービス品質よりも価格を重視し、多少のトラブルも旅の一部として楽しめるような柔軟性を持った旅行者にとっては、ベトジェットエアは東南アジア旅行の強い味方になるでしょう。
一方で、確実性と快適性を重視するビジネス利用者や、旅行において高品質なサービスを求める方には、やはりフルサービスキャリアの利用を検討することをおすすめします。
最終的に、ベトジェットエアは「やばい」航空会社ではなく、「特徴の強い」航空会社と表現するのが適切かもしれません。その特徴を理解し、適切に活用することで、素晴らしい旅行体験を得ることは十分に可能です。格安航空券の恩恵を受けながら、アジアの魅力的な目的地を探索する際の選択肢として、ベトジェットエアは確実に価値のある存在と言えるでしょう。