ネット検索すると「キャセイパシフィック航空 危ない」と表示される理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

こんにちは、旅行系WEBメディア「HOTTEL」のトラベルライター”TAKA”です。今回は「キャセイパシフィック航空 危ない」という検索ワードが表示される理由について、できるだけ多くのネットの評判や口コミを参考にして調査し、わかりやすく簡単に解説します。

結論:キャセイパシフィック航空の「危ない」という検索理由

まず結論から申し上げますと、キャセイパシフィック航空が「危ない」と検索される主な理由は、近年発生した運航トラブルの増加、サービス品質のばらつき、そして一部利用者による厳しい評価が影響しているようです。しかしながら、同社は世界的に高く評価されているフルサービスキャリアであり、多くの優れた点も併せ持っていることも事実のようです。

キャセイパシフィック航空が「危ない」と言われる主な理由

近年の運航トラブルが最大の要因

キャセイパシフィック航空が「危ない」という印象を与える最も大きな要因は、2024年に発生した複数の重大インシデントのようです。特に注目すべきは、2024年9月2日に発生したエアバスA350型機のエンジン火災事故で、チューリッヒ行きの便が離陸直後にエンジンの燃料ホース不具合により香港国際空港への緊急着陸を余儀なくされました。

この事故では、燃料ホースに穴が開き、エンジン周辺に火災が広がった可能性があると香港航空事故調査当局(AAIA)が報告しており、迅速な対応がなければより深刻な事態になっていた可能性もあったと言われています。この影響で、キャセイパシフィック航空は保有するA350型機全48機の一斉点検を実施し、15機について部品交換が必要となる事態に発展しました。

さらに、2024年8月には香港発のエアバスA330型機が離陸滑走中にエンジンから爆発音がして離陸を中止するトラブルも発生しているようです。これらの機械的トラブルは、乗客の旅行計画を大幅に狂わせる要因となっており、利用者の不安感を募らせる結果となっているようです。

過去の重大事故による印象の影響

キャセイパシフィック航空の安全性に対する懸念は、過去の重大事故も影響していると考えられます。特に2010年4月13日に発生したキャセイパシフィック航空780便事故は、スラバヤで補給された燃料汚染により両エンジンの制御が困難になり、通常の2倍の速度での緊急着陸を行った事例として記憶されているようです。

この事故では、パイロットの卓越した技術により機体の損傷は軽微にとどまりましたが、緊急脱出時に57人の乗客が負傷し、うち1人が重傷を負ったと報告されています。幸い死亡者は出ませんでしたが、このような重大インシデントは長期間にわたって人々の記憶に残り、安全性への懸念として語り継がれているようです。

また、1972年6月15日に発生したキャセイパシフィック航空700Z便爆破事件では、機内に仕掛けられた爆弾により乗員・乗客81名全員が犠牲になった痛ましい事故もありました。この事件は航空機テロによるものでしたが、同社の歴史における重大な出来事として記憶されているようです。

サービス品質のばらつきによる利用者の不満

多くの利用者から指摘されているのが、客室乗務員によるサービス品質のばらつきのようです。特に問題となっているのは、客室乗務員の接客態度に関する苦情で、「ズカズカ音を立てて歩く女性客室乗務員がいる」「普通体型の人で普通に歩けばそんな音も響かないはずなのに、彼女が歩く度に床と天井が揺れる」といった具体的な証言もあるようです。

また、サービス提供の不備も頻繁に報告されており、「バターナイフはあるのにバターはなし」「ドリンクオーダーを聞いたのにドリンクを出さない」「思い切り足を蹴られて注意したら『してません』と言われた」といった、フルサービスキャリアとしてはあり得ないレベルの対応が散見されるという声もあるようです。これらの問題は、同社の教育システムや品質管理体制に課題があることを示唆していると言えるでしょう。

新型コロナウイルス影響による深刻なパイロット不足

キャセイパシフィック航空が「危ない」という印象を与える背景の一つに、新型コロナウイルスの影響による深刻なパイロット不足があるようです。現地紙の報道によれば、コロナ前の同社は約4000人のパイロットが所属していましたが、コロナの影響で2000名が退職し、現在は採用を進めているものの、2000名から微増した程度にすぎず、特に機長が不足している状態とみられています。

このパイロット不足の影響で、2024年1月には東京成田・大阪関西~香港線において、2月末まで82便を欠航する事態が発生しました。世界各国が先行して脱コロナを進め急速に航空需要が回復し人員を確保した一方で、中国政府が脱コロナに時間を要したことなどが影響して、同社は人員確保が難しい状況とみられており、正常化にはもう暫く時間がかかる可能性があると言われています。

日本語対応の不備による利用者の不安

日本人利用者にとって特に問題となっているのが、日本語対応の不備のようです。香港から成田への路線という日本人利用者が多い便においても「日本語スタッフがいない」という状況が報告されており、言語の壁によるコミュニケーション不足は、緊急時や特別な対応が必要な場面で深刻な問題となる可能性があります。

外国系航空会社の宿命とも言える部分はありますが、同じアジア系キャリアでも日本語対応に力を入れている航空会社が多い中、この点は明らかなデメリットと言えるようです。特に高齢者や英語に不安のある旅行者にとっては、安心して利用できない要因となっているようです。

キャセイパシフィック航空の悪い点・デメリット

機内環境と設備面での課題がおすすめしない理由

多くの利用者から一貫して指摘されているのが、機内温度設定の問題のようです。「どの路線も機内温度が低めに設定されている」「すべての便が冷房が強く、薄いブランケット」だったという証言が多数あり、特に長距離フライトでは体調管理に深刻な影響を与える可能性があります。

機内食についても不満の声が多く、「量が少なすぎ」「ドリンクサービスが1回のみ」「おいしくなかった」「品数が薄い」といった評価が目立つようです。フルサービスキャリアとしての期待値を考えると、これらの食事サービスの質は他社と比較して劣る部分があると言わざるを得ないでしょう。

遅延・欠航時の対応における深刻な欠点

運航トラブル時の対応についても多くの問題が指摘されているようです。特に乗り継ぎ便との接続に関するトラブルが頻発しており、「バンコク→香港便が30分以上出発遅れ」「2時間半のトランジットで余裕のはずが、香港に着陸してもドアが開かず、トランジット時間が30分位に」なったという事例も報告されています。

さらに深刻なケースでは、コロナ禍の影響とはいえ「出発便を前日の同時間の便に変更され、帰りは6時間早められ、往復とも乗換が一回増えて成田、香港、パリ、バルセロナというえげつない変更」を求められたという報告もあるようです。このような急激な変更は、利用者の旅行計画を根本から覆すものであり、同社の信頼性に対する疑問を抱かせる要因となっているようです。

トランジット手続きでのトラブル発生

実際の利用者からは、香港でのトランジット時に手続き上のトラブルが発生したという報告も寄せられているようです。ある利用者は、沖縄からネパールへの移動で香港経由便を予約した際、事前の問い合わせでは「日本の在留カードがあれば12時間以内なら香港のビザは不要」と案内されたにも関わらず、当日空港でビザが必要と言われ、結果的にフライトに乗れなかったという事例もありました。

この件では、沖縄にキャセイパシフィック航空のカウンターがなく香港エクスプレスの対応となるため、案内内容が変わってしまったという問題が発生したようです。こうした情報の齟齬や連携不足が、利用者に不安を与える要因となっているようです。

キャセイパシフィック航空の良い点・メリット

世界的に認められた高い安全性評価が最大の利点

キャセイパシフィック航空の最も重要なメリットは、国際的な安全性評価において常に上位にランクインしていることです。2025年の世界で最も安全な航空会社ランキングでは、同社はエミレーツ航空、カタール航空と同率で3位にランクインしており、世界トップクラスの安全性を誇っています。

オーストラリアの航空業界格付けサイト「エアラインレーティングス」による評価では、最近の死亡事故から航空当局による監査、安全性に向けた取り組みや保有機材の機齢など、幅広い要素が考慮されています。同社は、以下のような取り組みを通じて継続的な改善を行っており、安全性を最優先とした運航方針の徹底、最新技術を取り入れた整備システムの導入、パイロットや乗務員への定期的な訓練プログラムの実施などが評価されているようです。

2015年のドイツの機関による航空会社安全ランキングでは、キャセイパシフィック航空は安全度1位に格付けされたこともあり、長年にわたって高い安全性を維持していることがわかります。重大インシデントが極めて少ない実績は、同社の安全管理体制がしっかりと機能している証拠といえるでしょう。

スカイトラックス5つ星評価の高品質サービス

キャセイパシフィック航空は、航空会社の格付けを行うスカイトラックスで5つ星評価を受けているフルサービスキャリアです。スカイトラックスは世界の航空会社を評価する最も権威ある機関の一つで、客室乗務員、空港ラウンジ、機内エンターテイメント設備、機体メンテナンスなど、評価の項目は多岐に渡ります。

機内食については「中華風のからあげ定食や和風の牛丼など、日本人にとって安心できる味」という評価があり、ドリンクサービスも「赤白ワイン、ビール、ソフトドリンクなど充実しており、お茶やコーヒーのおかわりも親切」という口コミが寄せられています。2025年1月からは、香港のミシュラン星付き広東料理レストラン「逸東軒」と提携した機内食メニューの提供も開始しており、プレミアム・エコノミーとエコノミークラスでも本格的な広東料理を楽しめるようになりました。

業界最高レベルの機内エンターテイメントシステム

キャセイパシフィック航空のもう一つの大きなおすすめポイントは、機内エンターテイメントシステムの充実度です。2023年度スカイトラックス・ワールド・エアライン・アワードで「ワールド・ベスト機内エンターテイメント賞」を受賞しており、既にアジア太平洋地域で最大級のコンテンツ数を誇る映画やTV番組を提供しています。

特に注目すべきは、2024年1月からアジア太平洋地域の航空会社として初めて、機内エンターテイメントにDisney+(ディズニープラス)のオリジナルコンテンツを導入したことです。マーベル・スタジオの『ロキ』や『オビ=ワン・ケノービ』などのシリーズ、『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』や『魔法にかけられて2』などの映画、計100時間を超える人気コンテンツを気軽にお座席でご覧いただけるようになりました。

最新機材のエアバスA321neoでは、全クラス・座席で世界初の4K超高精細スクリーン、4Kビデオ・オン・デマンド、ブルートゥース・オーディオ・ストリーミングを導入し、4Kハリウッド映画やアジアの超大作のブルートゥース対応ヘッドフォンでの視聴が可能です。

価格競争力の高さと豊富な路線ネットワーク

キャセイパシフィック航空の最大のメリットの一つは、その価格競争力の高さです。香港をハブ空港とする乗り継ぎ便の設定により、直行便と比較して料金が抑えられる傾向にあります。特に「ライト」運賃の導入により、受託手荷物の制限や有料の事前座席指定といった条件はありますが、基本的な移動ニーズに応えつつ低価格を実現しています。

定期的なセールやキャンペーンの実施も魅力的で、タイミングによっては非常にお得な価格で航空券を購入できるのもおすすめポイントです。ヨーロッパ方面への移動では特に価格面でのメリットが大きく、コストパフォーマンスを重視する旅行者には最適な選択肢と言えるようです。

ワンワールドアライアンス加盟による利便性

キャセイパシフィック航空は、世界第3位の航空連合「ワンワールド」の創立当時からの加盟航空会社です。ワンワールドは、世界各地の900を超える目的地を結ぶ、最高レベルのサービスと利便性を提供する世界の主要航空会社が加盟する航空アライアンスです。

この加盟により、日本航空(JAL)やアメリカン航空などの大手航空会社との提携が可能となり、世界中でマイレージの獲得と利用が可能です。また、「キャセイ」のダイヤモンドおよびゴールド会員のお客様は、世界中の600を超える上質な空港ラウンジをご利用いただけるという大きな利点があります。

香港国際空港の世界最高水準のラウンジ

キャセイパシフィック航空の本拠地である香港国際空港には、世界最高水準のラウンジが複数設置されており、これも同社利用の大きなメリットと言えるでしょう。特に「ザ・ヌードルバー」では、キャセイパシフィック特製の担担麺やワンタン麺などの人気ヌードルを楽しむことができ、多くの利用者から高い評価を受けています。

羽田空港のキャセイパシフィック・ラウンジでは、日系以外の航空会社によって羽田空港国際線旅客ターミナルに開設された初めてのラウンジとして、総床面積990平米という香港以外の自社ラウンジとしては最大級の広さを誇ります。ホテルオークラグループが担当する飲食サービスは特に評判が良く、「坦々麺は絶対食べたいメニュー」として多くの利用者に愛されているようです。

おすすめしたい方・おすすめできない方

キャセイパシフィック航空をおすすめしたい方

価格重視でヨーロッパ方面に行きたいという方には特におすすめです。香港をハブとした乗り継ぎ便システムにより、直行便と比較して大幅にコストを抑えることができるため、予算を重視する旅行者には最適な選択肢と言えるでしょう。

また、機内エンターテイメントを重視する方にもおすすめです。世界最高水準の機内エンターテイメントシステムを搭載しており、Disney+のオリジナルコンテンツをはじめとする豊富なコンテンツを楽しむことができます。長距離フライトでも退屈することなく過ごせるでしょう。

ワンワールドアライアンスの恩恵を受けたい方にも最適です。JALマイレージバンクの会員であれば、マイルの獲得・利用が可能であり、上級会員であれば世界中のラウンジを利用できるという大きなメリットがあります。

キャセイパシフィック航空をおすすめできない方

日本語でのサポートを重視する方には、残念ながらおすすめできません。特に英語に不安のある高齢者や、緊急時に日本語での対応を求める可能性がある方には、他の航空会社を検討されることをお勧めします。

また、機内の温度調節に敏感な方や、厚手の服装での移動を好まない方にもおすすめしにくい面があります。機内温度が低めに設定されている傾向があるため、寒がりの方は十分な防寒対策が必要になるでしょう。

フライトスケジュールの変更や遅延に対して厳格な対応を求める方にも、現在の状況ではおすすめできない部分があります。パイロット不足の影響で運航の不安定さが続いている可能性があるため、重要なビジネス出張などには慎重な検討が必要かもしれません。

まとめ:キャセイパシフィック航空の真の姿

本調査の結果、キャセイパシフィック航空が「危ない」と検索される背景には、近年の運航トラブルやサービス品質のばらつきといった一時的な課題があることがわかりました。しかしながら、同社は世界的な安全性評価で常に上位にランクインしており、スカイトラックス5つ星評価を受ける優良航空会社であることも事実です。

特に注目すべきは、2024年以降の大型投資計画により、新ビジネスクラス座席「アリア・スイート」の導入やミシュラン星付きレストランとの提携機内食など、顧客サービスの向上に積極的に取り組んでいることです。これらの改善により、以前指摘されていた問題点も徐々に解決されていく可能性が高いと考えられます。

価格競争力の高さ、世界最高水準の機内エンターテイメント、ワンワールドアライアンス加盟による利便性など、キャセイパシフィック航空には多くの魅力的な要素があります。一時的な課題はあるものの、長期的な視点で見れば、依然として信頼できる優良航空会社の一つと言えるでしょう。

旅行初心者の方には、これらの情報を総合的に判断していただき、ご自身の旅行スタイルや優先順位に合わせて航空会社を選択されることをお勧めします。キャセイパシフィック航空の真の姿は、一部の否定的な声だけでは測れない、多面的で魅力的な航空会社であることを、ぜひご理解いただければと思います。