東尋坊に行かない方がいいとネットで検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
目次
福井県を代表する観光地である東尋坊について、なぜネガティブな検索がされるのか、そして実際の魅力について丁寧にご紹介いたします。
結論:東尋坊は適切な注意を払えば素晴らしい観光地
結論から申し上げますと、「東尋坊 行かない方がいい」という検索結果が表示される理由は、主に安全面での懸念と歴史的な背景によるネガティブなイメージが原因と言われています。しかし、これらの懸念は適切な注意と準備を行うことで十分に回避可能であり、東尋坊は福井県を代表する素晴らしい景勝地として多くの観光客に愛され続けているのが実情のようです。
東尋坊は国の天然記念物および名勝に指定された、世界でも3箇所しかないと言われる「輝石安山岩の柱状節理」が織りなす絶景スポットです。約1300万年前の火山活動によって形成された大自然の芸術作品は、多くの観光客を魅了し続けており、適切な安全対策を講じれば安全に楽しめる観光地であると考えられます。
「行かない方がいい」と言われる具体的な理由
1. 安全面での懸念
柵がない断崖絶壁という物理的危険性
東尋坊が「危険」と言われる最大の理由は、約25メートルの高さの断崖絶壁に柵や手すりが設置されていない箇所があることのようです。自然景観や眺望への配慮から、観光地として開発されている部分でも一部には転落防止用の設備が設けられていない場所が存在すると言われています。
2025年4月30日には実際に74歳の女性が約20メートルの岩壁から転落し、死亡する事故が発生したことが報告されています。このような事故事例が、安全面での懸念を高める要因となっているようです。
足元の状況と気象条件
東尋坊の岩場は輝石安山岩の柱状節理で構成されており、表面が凹凸に富んでいることが特徴です。特に雨天時や冬季には岩場が滑りやすくなり、転倒や滑落のリスクが高まると考えられています。日本海特有の強風や荒波も、観光時の安全性に影響を与える要素として挙げられています。
2. 歴史的背景によるネガティブなイメージ
「自殺の名所」としての不名誉な名称
東尋坊は残念ながら「自殺の名所」として知られており、これが「行かない方がいい」という印象を与える主要因となっているようです。40年間で834体の遺体が発見されているという統計もあり、この数字が観光地としてのイメージを損なっている可能性があります。
現在では地元ボランティア団体による巡回パトロールや自殺防止活動が活発に行われており、NPO法人による見守り活動も継続的に実施されています。これまでに846人の自殺志願者を保護してきた実績もあり、地域を挙げて対策に取り組んでいることが伺えます。
東尋坊の名前の由来と伝説
東尋坊という地名自体も、平安時代の悪僧「東尋坊」が恋愛関係のもつれから崖から突き落とされたという伝説に由来しており、この歴史的背景が不吉なイメージを醸成している面があるようです。寿永元年(1182年)の出来事とされるこの伝承は、観光地としての魅力よりも恐怖や不安を連想させる要素として働いている可能性があります。
3. メディアでの扱われ方
サスペンスドラマのロケ地としての印象
東尋坊は「火曜サスペンス劇場」や「土曜ワイド劇場」などのサスペンスドラマのロケ地として頻繁に使用されており、殺人事件や身投げのシーンで登場することが多いと言われています。このようなメディアでの扱われ方が、一般的に「怖い場所」「危険な場所」というイメージを定着させている側面があるようです。
東尋坊の素晴らしい魅力と観光価値
地質学的価値の高さ
東尋坊は地質学的に極めて貴重な場所として国際的に認知されています。朝鮮半島の金剛山、スカンジナビア半島の西海岸と並んで「柱状節理世界三大絶勝」の一つに数えられており、この規模の輝石安山岩の柱状節理は世界で3箇所にしか存在しないとされています。
約1300~1200万年前の新生代第三紀中新世の火山活動によって形成されたこの地形は、マグマが冷却固化する際に生じた五角形から六角形の柱状の割れ目が、長期間にわたる日本海の波による浸食を受けて現在の姿になったと言われています。
観光施設としての充実度
東尋坊観光遊覧船での海上からの絶景体験
東尋坊の魅力を最大限に味わう方法の一つが、東尋坊観光遊覧船による海上からの景観鑑賞です。約30分間のクルージングでは、ライオン岩、ろうそく岩、六枚屏風岩などの奇岩群を海上から見上げることができ、陸上からでは体験できない迫力ある絶景を楽しめるようです。
運航時間は4月から10月が午前9時から午後4時まで、11月から3月が午前9時から午後3時30分までとなっており、料金は大人1800円、小学生900円で利用可能です。
東尋坊タワーからの360度パノラマビュー
地上55メートル、海抜100メートルの東尋坊タワーからは、東尋坊をはじめとする日本海の大パノラマを一望できます。白山連峰、越前海岸、丹後半島、加賀海岸から能登半島まで見渡せる絶景スポットとして人気を集めているようです。
四季折々の美しい景観
夕陽百選に選ばれた絶景スポット
東尋坊は「日本の夕陽百選」にも選定されており、特に秋から冬にかけての夕陽の美しさは格別と言われています。水平線に沈む夕陽と断崖絶壁のシルエットが織りなす光景は、多くの観光客や写真愛好家を魅了しているようです。
季節ごとの表情の変化
春夏には青い空と日本海の対比が美しく、秋には夕陽が最も美しい季節として「東尋坊SUNSET」などのイベントも開催されています。冬季は荒々しい日本海の波と雪景色が織りなす、他の季節では味わえない迫力ある景観を楽しめると言われています。
周辺観光施設の充実
越前松島水族館での海の生き物との触れあい
東尋坊から車で約10分の場所には越前松島水族館があり、「みて、ふれて、楽しく学ぶ」をテーマとした体験型水族館として人気を集めています。イルカショーや魚との触れあい体験など、ファミリー層にも喜ばれる施設が充実しているようです。
雄島での神秘的な体験
東尋坊から赤い雄島橋を渡って行ける雄島は、「神の島」として古くから信仰の対象となっており、パワースポットとしても注目されています。島内には大湊神社や不思議な磁石岩などがあり、約40分で一周できる散策コースが整備されているようです。
東尋坊の良い点とメリット
利点1:世界的に貴重な地質学的価値
東尋坊最大のメリットは、世界で3箇所にしか存在しない輝石安山岩の柱状節理を間近で観察できることです。この地質学的価値の高さは、自然科学に興味がある方はもちろん、写真撮影や絶景観賞を目的とする観光客にとって大きな魅力となっています。
利点2:アクセスの良さと観光インフラの充実
北陸新幹線の延伸により、東京から芦原温泉駅まで約3時間でアクセス可能となり、そこから京福バスで約40分という良好なアクセス環境が整っています。また、駐車場、レストラン、お土産店なども充実しており、観光地としての利便性が高いという利点があります。
利点3:多様な楽しみ方ができる観光地
東尋坊は単なる絶景スポットではなく、遊覧船、展望タワー、周辺の水族館や温泉地など、多様な楽しみ方ができる総合的な観光エリアとして発展しているのがおすすめポイントです。デートスポットとしても人気があり、結婚式やフォトウェディングの会場としても利用されているようです。
東尋坊の悪い点とデメリット
欠点1:安全面での配慮が必要
東尋坊最大のデメリットは、柵のない断崖絶壁エリアがあることによる安全面での懸念です。特に小さなお子様連れの家族や高齢者、足腰に不安のある方には十分な注意が必要で、これが一部の観光客に「おすすめしない」理由となっているようです。
欠点2:天候に左右される観光体験
日本海沿岸特有の強風や荒天により、遊覧船の運航が中止になったり、観光自体が困難になる場合があることもデメリットの一つです。特に冬季は天候が不安定になりやすく、計画的な観光が難しい場合があると言われています。
欠点3:歴史的背景によるイメージの問題
「自殺の名所」としての不名誉な側面や、サスペンスドラマでの扱われ方により、明るい観光地としてのイメージが損なわれている面があります。このイメージが、特に若い世代やファミリー層の訪問をためらわせる要因となっている可能性があります。
おすすめしたい方とおすすめできない方
おすすめしたい方
- 絶景と自然美を愛する方:世界的に貴重な地質現象を目の当たりにでき、日本海の雄大な景色を堪能できるため、自然風景を愛する方には強くおすすめできる観光地です。
- 写真撮影が趣味の方:夕陽百選に選ばれた美しい夕景や、ダイナミックな岩場の風景は、フォトグラファーにとって絶好の被写体となるようです。
- 地質学や自然科学に興味のある方:1300万年前の火山活動の痕跡を観察できる貴重な地質学習の場として、教育的価値も高いと考えられます。
- アクティブな大人のカップル:適度なスリルと絶景を楽しめるデートスポットとして、アクティブなカップルには魅力的な場所のようです。
おすすめできない方
- 小さなお子様連れのファミリー:柵のない断崖絶壁エリアがあるため、小さなお子様の安全を最優先に考える必要があり、十分な注意が払えない場合はおすすめしない場合があります。
- 足腰に不安のある高齢者:岩場の不整地を歩く必要があり、転倒リスクを考慮すると、足腰に不安のある方には注意が必要な観光地と言えるでしょう。
- 天候に敏感な方:日本海の強風や急な天候変化の影響を受けやすい立地のため、天候の変化に敏感な方にはおすすめできない場合があります。
安全に楽しむための具体的な対策
事前準備と服装
東尋坊を安全に楽しむためには、適切な服装と装備が重要です。滑りにくい靴(できればトレッキングシューズやスニーカー)を着用し、ヒールのある靴は避けることが推奨されます。また、日本海の強風に備えて防風対策も必要と考えられます。
行動時の注意事項
断崖絶壁エリアでは、必ず複数人で行動し、お互いに注意し合うことが大切です。写真撮影に夢中になって足元への注意が疎かにならないよう、常に安全を最優先に考えた行動を取ることが重要と言われています。
天候確認の重要性
訪問前には必ず天気予報を確認し、強風や荒天が予想される日は訪問を控えることが賢明です。特に遊覧船を利用予定の場合は、運航状況を事前に確認することをおすすめします。
トラベルライターTAKAとしての総合的な見解
これまで全国各地の観光地を取材してきたトラベルライターとしての経験から申し上げますと、東尋坊は確かに一定のリスクを伴う観光地ではありますが、それを大きく上回る価値と魅力を持った日本を代表する絶景スポットであると確信しています。
「東尋坊 行かない方がいい」という検索結果が表示される背景には、安全面での懸念や歴史的なネガティブイメージがあることは事実です。しかし、これらの問題は適切な事前準備と現地での注意深い行動によって十分に回避可能であり、むしろ他では体験できない圧倒的な自然の迫力と美しさを味わえる貴重な機会を提供してくれる場所だと考えています。
特に注目すべきは、地元関係者の皆様による継続的な安全対策と環境整備への取り組みです。自殺防止活動を行うボランティア団体の活動や、観光インフラの充実、アクセス改善など、東尋坊を安全で魅力的な観光地として発展させるための努力が続けられていることは、この地域の観光業界に携わる方々の真摯な姿勢を表していると感じます。
また、世界で3箇所にしか存在しない輝石安山岩の柱状節理という地質学的価値、日本海の荒波が1300万年という長い時間をかけて造り上げた自然の芸術作品としての価値は、現代の観光業界において非常に貴重な資源であると言えるでしょう。持続可能な観光(サステナブルツーリズム)が重視される現在、このような自然の力によって形成された景観を後世に残していくことの重要性を改めて認識させられます。
北陸新幹線の延伸により、東京や関西圏からのアクセスが格段に向上した今、東尋坊は国内外の観光客にとってより身近な存在になったと言えます。この機会を活かして、適切な安全対策と魅力的な観光コンテンツの充実を図ることで、ネガティブなイメージを払拭し、真に価値ある観光地としての地位を確立できるのではないでしょうか。
私自身も今回の調査を通じて、東尋坊の多面的な魅力を再認識することができました。確かにリスクゼロの観光地ではありませんが、適切な準備と注意を払えば、きっと一生の思い出に残る素晴らしい体験ができる場所だと確信しています。これからも多くの方々に、安全に楽しんでいただける観光地として発展し続けることを心から願っています。