バリ島は”やばい”とネットで検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

トラベルライター”TAKA”として、バリ島に関する様々な懸念や噂について、旅行業界の専門的な視点から丁寧にお答えいたします。

結論:バリ島の「やばい」噂の真実とは

バリ島で「やばい」と検索される理由を徹底的に調査した結果、これらの懸念の多くは対策可能な問題であり、適切な知識と準備があれば十分に楽しめる素晴らしいデスティネーションであることが判明しました。

「やばい」と言われる主な理由は、以下の6つのカテゴリーに分類されると考えられます。

  1. 治安・安全面の懸念:スリ、詐欺、客引きなどの軽犯罪
  2. オーバーツーリズム問題:交通渋滞、観光客過多による環境悪化
  3. 衛生・健康面の心配:水質、食中毒、感染症のリスク
  4. 文化的なギャップ:宗教的タブー、習慣の違い
  5. インフラの課題:騒音、ゴミ問題、野良犬の存在
  6. 期待値とのギャップ:SNSで見る理想と現実の違い

しかし、これらの問題は正しい知識と準備によって大幅に回避できるものばかりです。むしろ、バリ島は「神々の住む島」として知られる豊かな文化と自然を持つ、世界有数のリゾート地であることに変わりはありません。

1. 治安・安全面の懸念について

スリ・ひったくりの実態

バリ島で最も頻繁に報告される犯罪はスリとひったくりのようです。特に観光客が集中するクタ、レギャン、スミニャック地区では、バイクに乗った犯人による肩かけバッグのひったくりが多発していると言われています。

悪い点として、これらの犯罪は観光客を明確にターゲットにしており、被害者が転倒して怪我をするケースも報告されているようです。特に歩きスマホ中のスマートフォンが狙われる事例が増加している傾向があると考えられます。

詐欺の手口と対策

バリ島では日本人詐欺師による被害も報告されており、これは特に注意が必要な問題のようです。代表的な手口には以下があると考えられます。

  • ガムラン詐欺:親切に接近して高額な土産物を売りつける
  • レストラン仲介詐欺:法外な値段の飲食店に連れて行く
  • 両替詐欺:偽札を混ぜたり金額をごまかす

良い点として、これらの詐欺は毅然とした態度で断ることで多くの場合回避できると言われています。

テロ事件の歴史と現在の状況

2002年のバリ島爆弾テロ事件は202名の犠牲者を出す悲惨な事件でしたが、これは22年以上前の出来事です。実行組織の「ジェマ・イスラミア」は2024年6月に解散を表明しており、現在のバリ島の治安状況は大幅に改善されていると考えられます。

外務省の危険度レベルでも、バリ島を含むインドネシアの大部分はレベル1(十分注意)に設定されており、これは東南アジア諸国の中では比較的安全なレベルと言えるでしょう。

おすすめの安全対策

メリットとして、適切な対策を講じることで治安リスクを大幅に軽減できる点が挙げられます。

  • 貴重品は前のポケットや体に密着させて携行
  • 夜間の外出時はタクシーやGrabを利用
  • 人通りの少ない路地は避ける
  • 知らない人からの誘いは断る

2. オーバーツーリズムがもたらす問題

深刻化する交通渋滞

バリ島のオーバーツーリズムは近年深刻な問題となっているようです。特にクタ、レギャン、スミニャック、チャングーでは慢性的な交通渋滞が発生しており、観光客や地元住民の移動に大きな支障をきたしていると言われています。

デメリットとして、予定していた移動時間が大幅に延びることで、旅行のスケジュールが狂ってしまうケースが多発しているようです。また、インドネシア本島からの自動車による観光客流入により、狭いローカル道路の渋滞が年々悪化している傾向があると考えられます。

ゴミ問題の深刻化

観光客の増加に伴い、プラスチックゴミ問題が深刻化していると報告されています。雨季を中心にビーチに大量のゴミが漂着する光景が見られるようになり、これは観光業にとって大きなイメージダウンとなりかねない「不都合な真実」と表現されています。

悪い点として、インドネシアは世界第2位の海洋ゴミ排出国とされており、ゴミ処理システムの立ち遅れが根本的な原因となっているようです。

水不足と環境への影響

観光客の増加により水不足が深刻化し、ホテルと住民の間で水の取り合いが発生していると言われています。また、サンゴ礁の破壊や生態系への悪影響も懸念されているようです。

3. 衛生・健康面のリスク

水質汚染の実態

バリ島の水質汚染は深刻な問題の一つとされています。上下水道が完備されていない地域では、汚染された生活排水が川に流されたり、地下水と混ざり合ったりしているようです。

おすすめしない行為として、現地の水道水を直接飲むことや、汚染の可能性がある温泉やマンディ(沐浴)の水を口に入れることが挙げられます。

食中毒・感染症のリスク

バリ島ではサルモネラ菌による食中毒事例も報告されており、特に衛生管理が不十分な屋台や激安レストランでのリスクが高いと考えられます。また、蚊を媒介とする感染症や狂犬病の心配もあるようです。

野良犬の存在

バリ島には数万匹の野良犬が生息しており、街中やビーチ、田舎道などいたるところで見かけるようです。これらは完全な野良犬と「半飼い犬」が混在しており、バリ・ヒンドゥー教の文化的背景から地域コミュニティとの共存が図られているようです。

デメリットとして、狂犬病のリスクや、犬が苦手な旅行者にとってはストレスの原因となる可能性があります。

4. 文化的ギャップと宗教的タブー

バリ・ヒンドゥー教の理解

バリ島の文化の根幹にあるのはバリ・ヒンドゥー教です。この宗教には厳格なタブーがあり、知らずに違反してしまう可能性があります。

  • 頭を触ったり撫でたりしてはいけない
  • 物の受け渡しは右手で行う
  • 寺院に入る際はサロンとスレンダンを着用する

カースト制度の影響

バリ島には4つに分かれたカースト制度が存在しており、現在は公式には使われていないものの、風習や宗教行事にその痕跡を見ることができるようです。

5. インフラの課題と生活環境

騒音問題

バリ島、特にクタ地区ではクラクションの騒音が常に響いており、バイクの多さと相まって騒がしい環境が形成されているようです。また、街中には様々な売り声や音楽が流れており、静かな環境を求める旅行者には向かない場合があると考えられます。

ゴミ処理システムの問題

バリ島では一般的に分別なしのゴミ処理が行われており、生ゴミから乾電池まで全て同じゴミ箱に捨てるのが常識となってしまっているようです。これは日本の常識とは大きく異なる点と言えるでしょう。

6. 期待値とのギャップ

SNSと現実の違い

近年のインスタグラム映えを狙った過度な期待により、実際のバリ島とのギャップに失望する旅行者が増えているようです。特に「神々の棲むエキゾチックで神秘的なビーチリゾート」というイメージと、実際の都市化された観光地の現実とのギャップが問題となっているようです。

客引きの激しさ

バリ島ではしつこい客引きが大きな問題となっており、特に観光地では「みるだけみるだけ」と日本語で話しかけてくる商売人が多いと報告されています。

欠点として、断るのが苦手な日本人旅行者にとっては大きなストレス要因となる可能性があります。

バリ島の良い点とメリット

豊かな文化と芸術

おすすめの理由として、バリ島には他では体験できない独自の文化があります。ケチャダンスなどの伝統舞踊、ガムラン音楽、バリ絵画など、芸術分野の見どころが豊富です。

美しい自然環境

メリットとして、ライステラス(棚田)の絶景、美しいビーチ、火山などの自然景観が挙げられます。特にウブド地区の緑豊かな環境やヌサドゥア、サヌールの透明度の高いビーチは世界的に評価されています。

充実したリゾート施設

利点として、世界水準のリゾートホテル、スパ・マッサージ施設、レストランが充実している点があります。バリニーズマッサージやヨガ体験など、心身の癒しを求める旅行者には最適な環境が整っているようです。

親日的な国民性

良い点として、バリ島の人々は非常に親日的で温かく、日本からの訪問者を快く迎えてくれることが挙げられます。言葉の壁があっても、笑顔でコミュニケーションを取ろうとする姿勢が感じられるようです。

おすすめしたい方・おすすめできない方

おすすめしたい方

メリットを最大限に活かせる以下のような方には、バリ島旅行を強くおすすめします。

  • 異文化体験を求める方
  • スパやヨガでリラックスしたい方
  • 自然の絶景を楽しみたい方
  • アクティビティを豊富に体験したい方
  • 時間に余裕のある旅行者

おすすめできない方

デメリットが大きく影響する可能性がある以下のような方には、慎重な検討をおすすめします。

  • 清潔さを最優先する方
  • 静かな環境を求める方
  • 言語の壁に不安が大きい方
  • 短期間で効率的に観光したい方

トラベルライター”TAKA”の独自考察

私が多くの情報を分析して感じるのは、「バリ島 やばい」という検索が生まれる背景には、情報化社会特有の現象があるということです。SNSの普及により、美化された画像や極端な体験談が拡散され、それが期待値の歪みを生んでいるのではないでしょうか。

実際のバリ島は、確かに途上国特有の課題を抱えています。しかし、それは同時に成長するエネルギーでもあり、変化し続ける文化の証でもあると考えます。2020年のレジ袋廃止や、民間のリサイクル会社EcoBaliの取り組み、NGO「スンガイ・ウォッチ」によるゴミ回収活動など、問題解決に向けた努力も着実に進んでいるのが現実です。

私は、バリ島の「やばい」と言われる要素の多くは、適切な準備と現地への敬意があれば十分に対処可能だと確信しています。むしろ、これらの課題を理解した上で訪れることで、より深くバリ島の文化と人々を理解できるのではないでしょうか。

特に注目すべきは、バリ島が世界的な環境問題の縮図であるということです。オーバーツーリズム、海洋汚染、水不足といった問題は、バリ島だけでなく世界中のリゾート地が直面している課題なのです。つまり、バリ島で起きていることは「やばい」のではなく、現代社会が向き合うべき「リアル」な問題の表れと言えるでしょう。

最後に、私が最も強調したいのは、バリ島には他では体験できない特別な魅力があることです。毎日供えられるチャナン(お供え物)、夕日に映えるタナロット寺院、朝霧に包まれるライステラス、人々の心からの笑顔—これらの美しさは、一時的な不便や課題を遥かに上回る価値があると私は信じています。

「バリ島 やばい」という言葉の裏にある不安や疑問は、正しい知識と準備によって解決できるものがほとんどです。そして、それらを乗り越えた先に待っているのは、きっと忘れられない素晴らしい体験となるはずです。神々の住む島・バリ島は、今も昔も、心を開いて訪れる旅行者を温かく迎えてくれる、真の楽園であり続けているのです。