ホテルシーモアは”最悪”とネットで頻繁に検索されている理由はなぜ？ HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
目次
結論：負の評判の真実とリニューアル効果
まず最初に皆さまにお伝えしたいのは、確かに「ホテルシーモア 最悪」という検索候補が表示される事実があるということです。しかしながら、この現象の背景には、2018年のリニューアル前後の時期に集中した一時的な問題や、運営体制の改善過程で生じた混乱が大きく影響していると考えられます。
現在のSHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMOREは、創業56年の歴史を持つ老舗ホテルが2018年の大規模リニューアルを経て、全世代型リゾートホテルとして生まれ変わった施設です。2023年には更なる進化を遂げ、インフィニティプール、サウナハウス、ジムを新設し、ウェルビーイングな複合施設としてリニューアルを果たしています。
検索結果で見つかる負の評価の多くは、2020年前後の新型コロナウイルス感染拡大期に集中しており、この時期の旅行業界全体が直面していた人手不足や感染対策への対応の難しさが反映されていると分析できます。一方で、近年の評価は大幅に改善されており、楽天トラベルで総合評価4.4、Trip.comで8.9/10という高評価を獲得している状況です。
リニューアル前の問題と改善の取り組み
スタッフサービスの課題と解決策
過去の口コミで最も指摘されていたのは、スタッフの接客対応やサービス品質に関する問題でした。2020年前後には「スタッフがキビキビ動けていない」「対応が最悪」といった厳しい評価が散見されていました。
しかし、ホテル側はこうした課題を深刻に受け止め、リニューアルを機に雇用環境の整備・改善を大規模に実施しています。具体的には、現場の裁量拡大による自主性の向上、360度評価を取り入れた公正な人事制度の導入、ワーク・ライフ・バランス改善のためのシフト制見直し、福利厚生の充実などの取り組みを行っています。
このような抜本的な改革により、現在では「スタッフがとても親切で、良く気が利く」「総合的に満足」といった好意的な評価が増加しており、サービス品質の大幅な向上が実現されているようです。
清掃・衛生管理の問題と改善
リニューアル前の時期には、清掃に関する深刻な問題も報告されていました。特に2020年頃には、大浴場の更衣室での水漏れ、清掃スタッフの配置不足、食事会場での清掃不備などが指摘されていました。
さらに極めて深刻なケースとして、2022年に料理への異物混入事案も発生していました。これは宿泊業界において絶対に発生してはならない問題であり、当時のオペレーション体制に大きな課題があったことを示しています。
しかし現在では、リニューアルに伴う設備の刷新とともに、清掃・衛生管理体制も大幅に改善されています。特にコロナ禍を経て、感染予防対策のガイドラインに基づく対策の徹底、アルコール消毒液の設置、清掃頻度の向上などが実施されています。近年の口コミでは清掃に関する大きな問題の報告は減少しており、改善効果が表れていると評価できます。
設備・施設の老朽化問題と大規模改修
2018年以前のホテルシーモアは、施設の老朽化が深刻な問題となっていました。客室の窓の故障、エアコンの不調、建物全体の古さなどが度々指摘されており、これが宿泊体験の質を大きく下げる要因となっていました。
この状況を抜本的に改善するため、ホテルは耐震工事の必要性を機に「第二創業期のつもりで」全面リニューアルを敢行しました。投資額は相当な規模となりましたが、構造から内装まで全てを一新し、現代的で洗練された施設へと生まれ変わっています。
リニューアル後は「10年近く前に行った際は少し暗く古い印象でしたが改装したおかげで明るく子供も楽しめる遊具などができていました」といった評価が寄せられており、設備面での問題は大幅に解消されているようです。
良い点：リニューアル後の魅力的な特徴
メリット1：コストパフォーマンスの高さ
現在のホテルシーモアの最大のメリットの一つは、優れたコストパフォーマンスです。2食付きプランで2名13,893円という料金設定は、南紀白浜の立地とサービス内容を考慮すると極めて魅力的な価格帯といえます。
「コスパが良いので一人旅で利用しています」、「コスパ最高のホテル」といった評価が多数寄せられており、特に若いカップルや家族連れにとっておすすめの価格設定となっています。この手頃な料金でオーシャンビューの客室、天然温泉、豊富なビュッフェ料理を楽しめることは、他のリゾートホテルと比較しても大きな利点といえるでしょう。
メリット2：絶景のロケーションと温泉
ホテルシーモアの立地は、南紀白浜温泉の中でも特に恵まれた場所にあります。太平洋を一望できるオーシャンビューの客室と、「日本夕陽百選」に選ばれた絶景露天風呂は、多くの宿泊客から高く評価されています。
特に露天風呂「三段の湯」は、異なる深さの湯船が3段階に配置され、最下段の立ち湯では海との一体感を味わえる設計となっています。「これ以上ない解放感のある露天風呂で経験したことのない近さのオーシャンビュー」という評価が示すように、温泉からの眺望は格別です。
かけ流し天然温泉のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉は、泉質も良く、リウマチ性疾患や運動器障害などへの効能も期待できます。この立地と温泉質の組み合わせは、まさにホテルシーモアの良い点の核心部分といえるでしょう。
メリット3：豊富なアクティビティと設備
2018年および2023年のリニューアルにより、ホテルシーモアは単なる宿泊施設を超えた総合リゾート施設へと進化しています。32mのインフィニティプール、バレルサウナ、プライベートサウナハウス、最新設備のジムなど、多様な滞在スタイルに対応できる充実した設備が整っています。
ファミリー向けには、卓球、ビリヤード、ボルダリングなどが楽しめるプレイルームが人気を集めています。また、有名な「TETTI BAKERY & CAFÉ」では、毎朝焼きたてのパンを提供しており、「パンを4種類食べましたが、確かに美味しかったです」という評価も多数寄せられています。
これらの豊富な施設は、宿泊客が滞在中に退屈することなく、様々な楽しみ方ができるという大きな利点となっています。
メリット4：多様な食事スタイルとアクセスの良さ
ホテルシーモアでは、約100品目の夕食ビュッフェ、寿司カウンター「八咫」、いけすレストラン「円座」など、多様な食事スタイルを選択できます。特にビュッフェは「種類豊富で食べたい料理がありすぎて困りました」という評価が示すように、幅広い年代の好みに対応できる内容となっています。
立地面では、アドベンチャーワールドまで車で10分、白良浜まで車で3分という観光に便利な場所にあります。JR白浜駅からは無料送迎バスも運行されており、アクセスの良さもおすすめポイントの一つです。
南紀白浜空港からも車で約10分という好立地は、関西圏以外からの観光客にとっても大きな魅力となっています。
悪い点：現在も残る課題
デメリット1：繁忙期の混雑とサービス低下
現在でも指摘される悪い点として、繁忙期やイベント開催時の混雑による待ち時間の発生があります。「食事時間が決められない」「30分ほど会場に入るのに時間がかかりました」といった声が寄せられており、繁忙期の運営体制には改善の余地があるようです。
また、人気の足湯エリアや新設されたインフィニティプールでは、「時間帯によっては宿泊客のチェックイン時間と被るので探検したい子どもなどが近くに訪れます」という状況も報告されており、落ち着いた滞在を希望する宿泊客にはデメリットとなる場合があります。
デメリット2：一部施設の維持管理とプライバシー
施設の一部では、まだ改善が必要な箇所も残っているようです。「部屋の中のお風呂場のタイルの汚れというか劣化が見受けられました」、「窓がとても汚くて、レースカーテンの裾がカビていた」といった報告もあり、客室によっては維持管理に課題があることが窺えます。
また、露天風呂のプライバシーについても「露天風呂は外から丸見え」、「裸体が近くにある桟橋から絶対に見えている」という指摘があり、利用時間や場所によっては気になる方もいらっしゃるでしょう。これらは欠点として改善が期待される部分です。
デメリット3：料金体系の複雑さとオプション費用
リニューアル後の多様なサービス提供により、料金体系が複雑になっている面もあります。インフィニティプールは宿泊客無料ですが、バレルサウナは別途料金、プライベートサウナハウスは3時間66,000円からという高額設定など、利用する施設によって追加料金が発生する仕組みとなっています。
事前の説明不足により、「幼児のアメニティがついていませんでした。チェックインの際にその説明が欲しかったです」といった声もあり、サービス内容と料金の透明性向上が課題といえるでしょう。
おすすめしたい方・おすすめできない方
おすすめしたい方
ホテルシーモアは、以下のような方に特におすすめいたします。
ファミリー層：豊富なアクティビティ設備とプレイルーム、ビュッフェスタイルの食事により、お子様連れでも安心して滞在できます。アドベンチャーワールドへのアクセスも良好で、南紀白浜観光の拠点として最適です。
コストパフォーマンス重視の方：リーズナブルな料金でオーシャンビュー客室と天然温泉を楽しめることから、費用を抑えつつ充実した滞在を希望する方にぴったりです。
多様な滞在スタイルを求める方：プール、サウナ、ジム、温泉、複数のレストランなど、一つのホテル内で様々な過ごし方ができるため、連泊での利用や天候に左右されない滞在が可能です。
若いカップル・グループ：インフィニティ足湯や現代的な設備は「インスタ映え」も期待でき、リニューアル後のコンセプトである25-35歳のターゲット層にマッチした仕様となっています。
おすすめできない方
一方で、以下のような方にはおすすめしない場合があります。
高級感・上質なサービスを重視する方：コストパフォーマンス重視の運営方針のため、老舗高級旅館のような細やかなおもてなしや最高級のアメニティを期待される方には物足りない可能性があります。
静寂・プライベート重視の方：全世代型リゾートとして多くの宿泊客で賑わうため、静かでプライベートな滞在を希望される方や、落ち着いた大人の時間を求める方には騒がしく感じられる場合があります。
完璧な施設管理を求める方：リニューアル後も一部に老朽化した箇所が残っており、全ての設備が最新・最高品質というわけではありません。細部の仕上がりまで完璧を求める方には不満を感じる可能性があります。
食べ物に対して非常に敏感な方：過去に異物混入などの重大な問題が発生した経緯があるため、食品安全に対して特に敏感な方は慎重に検討された方が良いかもしれません。
トラベルライターTAKAの総合考察と提言
徹底的なリサーチを通じて見えてきたのは、「ホテルシーモア 最悪」という検索候補の背景には、確かに過去の深刻な問題があったという事実です。しかし同時に、これらの問題に対してホテル側が真摯に向き合い、大規模な改革と投資を行ってきた努力も明らかになりました。
2018年のリニューアルは単なる表面的な改装ではなく、「第二創業期」と位置づけた抜本的な事業変革でした。耐震工事を機に構造から運営方針まで全てを見直し、従業員の働き方改革から顧客サービスの向上まで、総合的な改善に取り組んでいます。
特に注目すべきは、過去の失敗を糧として、現在では楽天トラベルゴールドアワードの2021年・2022年連続受賞、各予約サイトでの高評価獲得など、客観的な評価指標でも成果を上げていることです。これは一時的な改善ではなく、継続的な品質向上の取り組みが実を結んだ結果と評価できます。
現在のホテルシーモアは、南紀白浜エリアにおける全世代型リゾートホテルの新しいモデルケースとして位置づけることができるでしょう。コストパフォーマンスを重視しながらも、多様な滞在ニーズに対応できる豊富なコンテンツを提供し、地域観光の活性化にも貢献している点は高く評価できます。
ただし、完全に問題が解決されたわけではありません。繁忙期の運営体制、一部設備の維持管理、サービスの均質化など、継続的な改善が必要な課題も残されています。宿泊を検討される際は、これらの点も含めて総合的に判断されることをお勧めいたします。
旅行業界は日々進化しており、ホテルシーモアも変化し続けています。過去の負の評判に囚われることなく、現在の状況を正しく理解して判断することが、賢明な旅行選択につながると考えています。南紀白浜での滞在を検討される皆さまにとって、この詳細な分析が参考になれば幸いです。
最後に、今回の調査で改めて感じたのは、インターネット上の評判と現実の状況には時間的なギャップがあるということです。特に大規模リニューアルを経た施設の場合、過去の情報と現在の状況が大きく異なる可能性があります。旅行の専門家として、常に最新の情報収集と現地確認の重要性を皆さまにお伝えしたいと思います。
ホテルシーモアのような挑戦的な改革を続ける宿泊施設が、日本の観光業界全体の発展に寄与することを期待し、今後の更なる進化を見守っていきたいと思います。
