株式会社共立メンテナンスが2026年2月18日(水)にオープンする予定の「天然温泉 越前の湯 御宿 野乃福井」とは？ メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」へようこそ。 私は、日本全国のホテルを渡り歩き、その土地の風土と宿の個性を愛するトラベルライターのTAKAです。
世の中には「ただ寝るだけのホテル」と、「旅の目的地になるホテル」の2種類が存在します。今回ご紹介するのは、間違いなく後者。 旅行者たちの間で常に噂の的となり、その開業が待ち望まれていた「天然温泉 越前の湯 御宿 野乃福井」。 実は、このホテルについては「いつオープンするんだ？」「本当にできるのか？」という噂がネット上で飛び交っていました。
そして今日、2025年11月28日。ついにその沈黙が破られ、予約受付が開始されました。 開業日は2026年2月18日（水）。
今回は、この注目の施設について、ネット上の情報、公式発表、そして私TAKAが長年の取材で培った「ドーミーイン・共立メンテナンス」に関する膨大な知見を総動員し、どこよりも詳しく、そして深く解説します。1万文字に迫る勢いで、このホテルの全貌を解き明かしていきましょう。
結論：福井旅行の「最適解」が更新された。ここはもはや、ホテルという名の「現代の湯治場」である。
まず、私の結論から申し上げます。 もしあなたが、2026年2月以降に福井への旅行、あるいは出張を計画しているのであれば、「御宿 野乃福井」を予約の第一候補にすべきです。
なぜこれほど強く断言するのか。 それは、このホテルが単なる宿泊施設ではなく、「和風旅館の寛ぎ」と「ビジネスホテルの利便性」、そして「エンターテインメント性」を極めて高い次元で融合させた、北陸エリアにおけるフラッグシップモデルになることが確定しているからです。
福井駅周辺には、既に同系列の「ドーミーインPREMIUM福井」が存在し、非常に高い評価を得ています。しかし、今回の「野乃」は、そのさらに上を行く「和風プレミアム」ブランド。 全館畳敷きという圧倒的な非日常感、北陸の冬の寒さを忘れさせる天然温泉、そして「朝からこんなに食べていいのか？」と罪悪感すら覚える豪華な朝食。これらが揃って、福井駅徒歩圏内に誕生するのです。
特に、開業が2月という点に注目してください。 福井の2月は、雪景色と味覚の王者「越前がに」のシーズン（3月20日まで）のクライマックスです。極寒の福井の街を歩いた後、靴を脱いで畳の感触に癒やされ、熱い温泉に浸かる。この体験価値は、他のシティホテルでは絶対に真似できません。
なぜ「御宿 野乃福井」がこれほど注目されるのか？ その理由と背景
結論に至った理由を、より具体的な事実と背景情報に基づいて深掘りしていきましょう。ここからは少しマニアックな領域に入りますが、ついてきてください。
1. 「焦らし」に焦らされた、待望の開業ストーリー
実はこのホテル、当初の計画ではもっと早く開業するはずでした。 ネット上の再開発情報を追っていた方ならご存知かもしれませんが、建設地である「福井県繊協ビル」の再開発プロジェクトは、旧ビルの解体工事の遅れや資材高騰の煽りを受け、着工がずれ込みました。 「2023年秋開業か？」「いや、2024年だ」といった噂がネット掲示板やSNSで飛び交い、ファンをやきもきさせていたのです。 予定より約2年4ヶ月近い遅れを経て、満を持して2026年2月のオープン。この「待たされた時間」が、旅行者たちの期待値を極限まで高めています。地元福井の方々にとっても、駅前再開発の象徴的なピースがようやく埋まることになります。
2. 「ドーミーイン」の上位互換、「野乃」ブランドの魔力
「ドーミーイン」を知っている方は多いでしょう。しかし、「御宿 野乃（おんやど のの）」はまだ体験したことがない方もいるかもしれません。 決定的な違いは「靴」です。 エントランスで靴を脱ぎ、下駄箱に預ける。その瞬間から、あなたはビジネスマンや観光客という社会的役割から解放され、「とある屋敷の客人」になります。 廊下も、エレベーターの中も、もちろん客室も、すべて畳敷き。スリッパすらありません。この「足裏から感じる解放感」こそが、野乃が熱狂的なファンを持つ理由です。福井のような雪国において、濡れた靴をいち早く脱げるこのシステムは、理にかなった最高の「おもてなし」と言えるでしょう。
3. 福井の「食」を完全網羅する朝食バイキング
ネット上の口コミでドーミーイン系列が常に評価される最大の要因、それが「朝食」です。 公式情報によると、野乃福井の朝食コンセプトには「海鮮丼」が含まれています。福井といえば、甘海老、カニ、そしてお米。これらを好きなだけ乗せて作る勝手丼（セルフ海鮮丼）は、市場で食べる海鮮丼を凌駕するクオリティになることが予想されます。 さらに、「越前おろしそば」や「白エビのかき揚げ」といった北陸のソウルフードもラインナップされるようです。朝から福井の食文化を一周できる。これが、私が「旅の目的地になる」と言った理由です。
徹底解剖：トラベルライターTAKAが予測する「御宿 野乃福井」の全貌
ここからは、現在公開されている情報と、私の過去の取材データ（他県の野乃の傾向）を掛け合わせ、このホテルの体験をシミュレーションし、詳細に解説します。
■ 立地・アクセス：福井城址の息吹を感じる場所
住所は「福井県福井市大手3-7-2」。 JR福井駅から徒歩約7分。これは絶妙な距離です。駅直結ではありませんが、福井のメインストリートを歩き、「大名町交差点」の近く。ここはかつて福井城の外堀があったエリアで、歴史の香りがする場所です。 近くには、福井藩主松平家の別邸「養浩館庭園（ようこうかんていえん）」があります。朝、温泉に入った後に、朝霧に包まれた庭園を散歩する。そんな優雅な使い方ができる立地です。 ビジネス利用の方にとっても、県庁や市役所に近く、福井の行政・ビジネスの中心地に位置しているため、非常に便利です。
■ 客室：152室の「和」のプライベート空間
客室数は152室。ビジネスホテルとしては中規模ですが、その内訳が興味深い。 ダブル、ツインはもちろん、トリプルルームやファミリールームも用意されるようです。これは、北陸新幹線延伸以降、増え続ける「家族連れ」「グループ旅行」を強く意識した構成です。 野乃の客室の特徴は、「低座（ていざ）」の暮らし。 ベッドも高さが抑えられており、家具も低い位置に配置されます。これにより、天井が高く感じられ、実際の平米数以上に広く感じるのです。畳にゴロンと寝転がれる安心感は、小さなお子様連れのファミリー層には絶大なメリットになります。ベッドから落ちる心配も少なく、ハイハイする赤ちゃんがいても安心です。
■ 大浴場：天然温泉「越前の湯」とサウナへのこだわり
最上階（おそらく10階）に設けられる大浴場。 ここが最大のハイライトです。「越前の湯」と名付けられたそのお湯は、間違いなく運び湯ではなく、適切な泉質の天然温泉が供給されるはずです（福井は温泉資源が豊富です）。 そして、特筆すべきはサウナ。 近年のドーミーイン系列は、サウナ愛好家（サウナー）を完全にターゲットにしています。
- 高温ドライサウナ：おそらく90度〜100度設定。
- オートロウリュ：熱したサウナストーンに自動で水がかかり、蒸気を発生させるシステム。湿度管理がされ、発汗作用が段違いです。
- 強冷水風呂：水温は13度〜15度前後の「キンキン」設定が予想されます。
- 外気浴スペース：最上階の風を感じながら、福井の街を見下ろして「ととのう」。
雪が降る日に、露天風呂から湯気が立ち上る様を想像してください。頭は冷たく、体は熱い。この「頭寒足熱」の極地こそ、冬の福井の野乃でしか味わえない贅沢です。
■ サービス：期待を裏切らない「ドーミーイン・スタンダード」
もちろん、以下の「定番無料サービス」も完備されていることでしょう。
- 湯上がりアイスキャンディー（夜）
- 乳酸菌飲料（ピルクル等）（朝）
- 夜鳴きそば：21：30頃から振る舞われる、あっさり醤油ラーメン。ハーフサイズなので、飲んだ後の締めに最高です。
- マンガコーナー：数千冊規模のラインナップが予想されます。
メリット・デメリットから考える、この宿の真実
どんなに素晴らしい宿にも、必ず光と影があります。公平な視点で解説します。
【良い点・メリット・おすすめポイント】
- 圧倒的な「清潔感」と「リラックス度」 全館畳敷きのメリットは、清潔さにあります。土足エリアがないため、客室の床が非常にきれいです。自宅のように寛げる、この一点だけでも選ぶ価値があります。
- 「食」のコストパフォーマンスが異常に高い 朝食バイキングの価格は安くはありません（おそらく2,300円〜2,800円程度と予想）が、内容を見れば安すぎると感じるはずです。外で海鮮丼を食べればそれだけで2,000円はします。それに加え、小鉢料理や揚げたての天ぷら、デザートまでつくのですから、「朝食付きプラン」を選ぶのが鉄則です。
- 最新鋭のサウナ環境 古い温泉旅館だと、サウナがおまけ程度の扱い（ぬるい、水風呂がない）のことがありますが、ここは違います。「サウナ専門店」レベルの設備が整っています。
【悪い点・デメリット・おすすめしない点】
- 価格設定が強気である可能性 「野乃」ブランドは、通常のドーミーインよりも価格帯が高めに設定されます。開業直後のご祝儀相場や、カニシーズンの需要も相まって、2026年2月〜3月はかなり高騰する恐れがあります。格安ビジネスホテルを探している方にはおすすめしません。
- キャリーケース（スーツケース）の扱いが面倒 これが最大の欠点です。全館畳敷きのため、チェックイン時にキャリーケースのキャスター（車輪）をスタッフが拭く、あるいは自分で拭く必要があります。館内ではキャリーケースを引きずることが推奨されない、あるいは気を使う場面があります。荷物が極端に多い方には少しストレスになるかもしれません。
- エレベーター待ちの発生 10階建て152室に対し、エレベーターの基数が（通常は2〜3基ですが）朝食時やチェックアウト時に混雑する傾向があります。特に野乃は居心地が良いため、ギリギリまで滞在する客が多く、10時〜11時のチェックアウト間際は混み合うことが予想されます。
あなたは泊まるべき？ タイプ別診断
【絶対におすすめしたい方】
- 「靴を脱いで生活したい」日本人マインドの方：スリッパすら履きたくない、素足派の方。
- 朝食を旅行のメインイベントにできる方：朝からお刺身をお腹いっぱい食べたい方。
- サウナー（サウナ愛好家）：最新のオートロウリュと冷たい水風呂を求める方。
- 小さなお子様連れのファミリー：ハイハイ期の赤ちゃんがいる家庭にとって、畳の床は神設備です。
【おすすめできない方】
- とにかく安く泊まりたい方：寝るだけでいいなら、福井駅周辺にはもっと安いビジネスホテルがあります。
- 欧米スタイルの「靴のまま」が落ち着く方：靴を脱ぐ動作が面倒な方には不向きです。
- 潔癖症で「他人の裸足が歩いた畳」が気になる方：もちろん清掃は徹底されていますが、生理的に受け付けない方は通常のホテル（ドーミーインPREMIUM福井など）をおすすめします。
読者の疑問を解決！ Q&Aコーナー
ネット上でよく見られる疑問について、TAKAが推測を交えて回答します。
Q. 駐車場はありますか？ A. 公式情報では、敷地内または提携駐車場が用意される見込みです。ただし、福井駅前の再開発エリアのため、台数には限りがあるでしょう。先着順になる可能性が高いため、車でアクセスする場合は、周辺のコインパーキング情報も事前にリサーチしておくことを強くおすすめします。雪の日は特に、屋根付き駐車場が争奪戦になります。
Q. 日帰り入浴はできますか？ A. 開業当初は宿泊者専用になる可能性が高いです。オペレーションが落ち着いてから、あるいは閑散期に限り「日帰り入浴プラン」が開放されるのが通例です。最初から期待しないほうが無難でしょう。
Q. タトゥーが入っていますが、大浴場に入れますか？ A. 共立メンテナンス系列の基本ルールとして、原則はお断りですが、「指定のカバーシール（フロントで配布）で隠しきれるサイズ（通常8cm×12cm程度）」であれば入浴可能なケースがほとんどです。大きな和彫りなどの場合は、残念ながら入浴できません。
Q. 2026年2月18日オープンとのことですが、予約は取りにくいですか？ A. 本日（2025年11月28日）から予約開始ですが、開業記念プランは瞬殺される可能性があります。特に2月の週末や祝前日は、カニ目当ての観光客とオープン初物好きが殺到するため、一刻も早い予約が必要です。
【コラム】知っておきたい「野乃」の隠語・スラング
ここで、トラベルライターTAKAとして、少し通な情報を。このホテルを楽しむための「言葉」を紹介します。
- ドミニスタ (Dominista) ドーミーインや野乃をこよなく愛するファンの総称。彼らは単に泊まるだけでなく、どこの店舗のサウナが良いか、朝食の「ご当地逸品」が何かを語り合います。
- 夜鳴き (Yonaki) 無料の「夜鳴きそば」のこと。「夜鳴き行ってくる」は、21：30以降に食堂へ行く合言葉。ちなみに、間に合わなかった場合にフロントでもらえるカップ麺は「ご麺なさい」という名前です。
- ととのう (Totonou) サウナ→水風呂→外気浴を繰り返した後に訪れる、深いリラックス状態。野乃福井の最上階で、福井の冷たい風を浴びて「ととのう」のは、至高の体験となるでしょう。
- インコ (Inko) ドーミーインの宣伝部長であるキャラクター「ドーミーいんこ」。館内のあちこちに隠れています。野乃では、和風の装いをしたレアな「いんこ」が見られるかもしれません。
独自の視点：福井の街が「通過点」から「滞在拠点」へ変わる日
最後に、私TAKAの独自の考察を書き記して締めくくりたいと思います。
「御宿 野乃福井」の開業は、福井の観光史において重要なターニングポイントになると私は見ています。 北陸新幹線の敦賀延伸により、福井は東京から乗り換えなしでアクセスできるようになりました。しかし、これまでは「日帰り」や「金沢のついで」に寄る場所として扱われることも少なくありませんでした。 その理由の一つに、駅周辺に「泊まりたくなる、決定的な魅力を持った宿」が不足していたことが挙げられます（もちろん既存のホテルも素晴らしいですが、”デスティネーションホテル”としての力は別の話です）。
「野乃」というブランドは、ビジネスホテルの皮を被った「高級旅館の体験版」です。 外国人観光客が求める「TATAMI」「ONSEN」「KAISEN（海鮮）」がすべて揃っており、かつ、ビジネスマンが求める「Wi-Fi」「コンセント」「駅近」も完備している。 このハイブリッドな宿ができることで、福井駅周辺に宿泊する動機が強烈に生まれます。
想像してみてください。 恐竜博物館で童心に帰り、永平寺で心を整え、夜は福井の繁華街「片町」で越前がにと地酒「黒龍」に舌鼓を打つ。 そして、千鳥足でホテルに戻り、靴を脱いで畳に上がり、天然温泉で温まり、夜鳴きそばですする。 翌朝は、海鮮丼でエネルギーをチャージして出発する。
この「完璧な福井の夜」を演出する最後のピースが、このホテルなのです。 2年以上の遅れを経て、ついに姿を現す「越前の湯」。待たされた分だけ、その完成度は熟成されているはずです。 2026年2月、新しい福井の旅がここから始まります。
予約枠が埋まる前に、ぜひチェックしてみてください。 それでは、よい旅を。
公式サイトはこちら 天然温泉 越前の湯 御宿 野乃福井 公式サイト
