アシアナ航空「マイレージ専用便」拡大の全貌――北米から欧州・東南アジアへ、一気に広がる特典航空券の世界
そもそも「マイレージ専用便」とは何か
アシアナ航空が2025年から本格導入した「マイレージ専用便」は、座席の全てをアシアナクラブ会員のマイルだけで予約できる特別フライトです。従来は空席の一部に限りマイルが適用されていましたが、専用便では発券開始時点から全席が特典枠となり、現金運賃は設定されません。Asia Business Daily
導入背景には、韓国国内の航空需要回復に加え、韓国・アシアナ航空と大韓航空の統合を控えた「マイル消化ニーズ」の高まりがあります。アシアナは会員保有総マイルが3.5兆ウォン相当とされる中で、失効前に気軽に使える場を拡充することが急務でした。Korea JoongAng Daily
2025年の拡大第1弾:北米主要3路線
2025年3月、同社はインチョン―ロサンゼルス・ニューヨーク・ホノルル線を対象に、7月~9月計10便の専用運航を発表しました。必要マイル数はオフシーズン片道でエコノミー35,000マイル、ビジネス「スマーティウム」62,500マイル。Peak期間は50%上乗せという明快な設定です。Asia Business Daily
発売開始20日後には予約率92%を記録し、特にロサンゼルス線は開放初日に完売。未販売座席は出発20日前から通常運賃で販売する仕組みで「稼働率と顧客満足の両立」が評価されています。Asia Business Daily
第2弾:欧州・東南アジアへ拡大
好評を受け、同年9月24日にはインチョン―フランクフルト(週1・A380計20便)とインチョン―プーケット(週1・A330計18便)でも専用便を実施すると発表。必要マイルは片道フランクフルト線がエコノミー35,000/ビジネス62,500、プーケット線が20,000/30,000。こちらもピーク時は50%加算です。Asia Business Daily
発券開始当日9時には同社ウェブ/アプリにアクセスが集中し、一時待機列が発生。大型機投入により供給座席は北米線比1.6倍へ拡大しながら、発売24時間でプーケット線のビジネスクラスが完売するなど旺盛な需要を示しました。Asia Business Daily
必要マイル・予約ルールの要点
- 予約開始:発表日当日09:00(韓国時間)
- 対象:OZ便名の単純往復/片道
- マイル数:路線別固定(ピーク期は50%増)
- 発券期限:出発3日前まで
- 残席がある場合、出発20日前以降に現金販売へ切替
さらに2025年9月からは「Cash & Miles」試験導入で、通常便でも運賃の最大30%をマイル充当できるようになり、マイル消化の選択肢が一段と広がりました。Asiana公式Notice
会員メリットと注意点
メリットは①高還元でマイル価値を最大化できる点、②発券手数料が無料、③家族合算マイルでも発券可能――など。注意点は①キャンセル時の手数料が通常より高め(例:1万マイル)、②パートナー特典との組み合わせ不可、③アップグレード不可、などです。Asiana公式Notice
市場・業界の反応
韓国国内では「マイレージ専用便は統合前の在庫整理では」との見方もありますが、旅行業界は「閑散期座席を特典に振り替える巧妙なYield管理」と評価。大韓航空とのブランド統合に向け、顧客ロイヤルティ維持の施策として注目を集めています。Reuters
一方で日韓路線の愛用者からは「国際線短距離にも設定してほしい」との声が多く、アシアナ側は「下期に定期便の特典枠を従来比で増やす」と回答しています。Asia Business Daily
統合・制度変更との関係性
2027年のブランド統合後、アシアナクラブはスカイパス(大韓航空)へ吸収予定と報じられています。マイルの等価交換比率は1:1を軸に調整中ですが、統合前に残高を減らしたい会員に専用便が「出口戦略」を提供している格好です。Korea JoongAng Daily
利用アドバイスと今後の展望
予約争奪戦を勝ち抜くコツは①発売前に旅程を仮保存し、09:00ジャストにリロード、②家族合算や「Cash & Miles」で端数マイルを活用、③ビジネス希望でもエコノミーで確保し後日キャンセル待ちを入れる、など。キャンセルポリシーや燃油サーチャージ条件は発券画面で必ず確認しましょう。Asiana公式Notice
アシアナ航空は「2026年以降も路線と便数を段階的に増やす」と公言しており、長距離A350型機への展開が期待されています。専用便はマイル消化に悩むユーザーだけでなく、航空会社の収益多様化にも寄与し、アジア地域での新しいマイレージモデルとして注目が続くでしょう。Asia Business Daily










