DREAM SHO JETとは――JALと大谷翔平選手が届ける“夢を運ぶ”特別塗装機
「DREAM SHO JET(ドリーム・ショー・ジェット)」は、日本航空(JAL)が2024年9月29日から就航させたエアバスA350-900型機(機体記号JA08XJ)の特別塗装機です。胴体後方には投打二刀流で知られる大谷翔平選手の躍動感あふれる姿が描かれ、機内外に“夢を追う力”を象徴するアイコンとして設計されています。JALは大谷選手とともに若者の挑戦を支援する「DREAM MILES PASS」プロジェクトを発足し、そのシンボルとして本機を運航すると発表しました。公式プレスリリースによれば、運航期間は2026年3月ごろまでを予定しています。
初便となったJL503便(羽田→新千歳)は、大谷選手がかつて北海道日本ハムファイターズでプレーした地・北海道へ向かい、出発時から多くのファンが集結しました。機内では限定紙コップやリーフレットなど専用アイテムも配布され、搭乗者しか味わえない特別体験が提供されています。大谷選手の高校時代からメジャーリーグ移籍に至るまでの総移動距離「892,440km」をテーマに、JALは“移動”そのものが夢への第一歩であることを発信しています。
誕生の背景――「DREAM MILES PASS」プロジェクト
JALは2024年9月27日、「移動の経済的負担が夢の障壁になっている」という社会課題に着目し、若者を応援する仕組み「DREAM MILES PASS」を公表しました。プロジェクトでは、大谷選手がこれまでに積み重ねた移動距離892,440km分を航空券として提供し、さらにJALマイレージバンク(JMB)会員の寄付マイルを合わせて支援の輪を広げます。PR TIMES発表資料によると、第1弾応募期間は2024年9月27日〜10月31日、対象は満15歳以上の若者です。
応募者(Dreamer)はSNSで自身の夢と移動先を投稿し、当選者には国内外往復航空券がプレゼントされます。一方、マイル寄付を行う支援者(Supporter)は500マイルから参加でき、寄付完了後に大谷選手の限定壁紙が贈られます。こうした双方向型の仕組みにより、若者の行動半径を広げ、地域や年代を超えたコミュニティづくりを目指しています。
機体デザインと技術的特徴
DREAM SHO JETのベースとなるA350-900は全長約66.8m、航続距離15,000km超を誇る最新鋭機。胴体右舷には赤いユニフォーム姿で投球する大谷選手、左舷にはバッティングフォームのシルエットが描かれ、左右で異なる表情を演出しています。さらに機首付近にはプロジェクトの合言葉「Make your Dreams Fly.」が記され、窓側ラインにはドジャースブルーとJALレッドを組み合わせた専用ラインが走ります。
機内では各クラス共通で特製ヘッドレストカバーを使用。紙コップは6種類のランダム配布で、コンプリートを目指すファンも少なくありません。エコクラスでも最新型シートと高画質モニターを備えており、機体の軽量複合材比率を高めたことで従来機比約25%のCO₂削減を実現しています。燃費性能に優れるA350に特別塗装を施すことで、環境配慮とブランディングを両立させた点が本機の大きな特徴です。
就航路線と運航スケジュール
初便以降、DREAM SHO JETはA350運航路線(羽田—札幌・福岡・沖縄ほか)に順次投入され、運航日は不定期となっています。JAL公式サイトの機材検索や当日の空席照会で「JA08XJ」が表示されていれば搭乗チャンスです。航空ファンの間では運航予定を共有するSNSアカウントも登場し、空港周辺での撮影スポット情報も活発に交換されています。
なお、JALは「運航計画は整備状況等により予告なく変更となる場合がある」と告知しており、確実に乗りたい場合は当日朝のフライト情報確認が推奨されています。2026年3月ごろまでの長期運航が予定されているため、旅行計画にゆとりを持たせれば遭遇率は高まるでしょう。
搭乗者だけの限定サービス
- 紙コップ6種&機内リーフレット(いずれも在庫終了次第配布終了)
- オリジナルBGM:大谷選手の軌跡をイメージしたインスト曲を離着陸時に放送
- 記念フォトフレーム:機内Wi-Fiポータル経由でダウンロード可能
- デジタル搭乗証明書:降機後にメール送信(JALアプリで事前登録要)
これらのサービスは「機内での特別体験」を重視するJALのブランディング戦略の一環であり、SNS投稿を通じた二次拡散も狙いの一つです。紙コップは配布ランダムのため、リピーター需要を生む“コレクション性”も話題になっています。
大谷翔平選手とのパートナーシップの歩み
大谷選手とJALは2018年のサポート契約締結以来、「挑戦する若者を応援する」という共通のビジョンで協力を続けてきました。今回の機体名「SHO」は大谷選手の愛称「SHOWTIME」に由来し、本人も「自分の挑戦が誰かの背中を押せたらうれしい」とコメントしています。プレスイベントでは1/20スケール模型に直筆サインを入れ、羽田空港第1ターミナルに展示されることも発表されました。
大谷選手は2024年シーズン、MLB史上初となる「50本塁打・50盗塁」を達成し、ロサンゼルス・ドジャースの地区3連覇に貢献。JALはその移動距離と挑戦の足跡を可視化することで、次世代の若者に“行動する勇気”を伝えています。
若者支援の応募フロー
- 特設サイトにアクセスし、夢の内容と移動区間を入力
- XまたはInstagramでハッシュタグ「#DREAMMILESPASS」を付けて投稿
- 審査後、当選者へメール通知(往復航空券の手配案内)
- 渡航後、経験をレポート形式でSNS・特設サイトに掲載
2024年の第1弾終了後も、JALは25年にかけて複数回の実施を予定しています。募集概要や期日、対象年齢などは回ごとに変わる可能性があるため、最新情報は必ず公式サイトをチェックしましょう。
環境・サステナビリティへの配慮
A350は炭素繊維複合材と次世代エンジンを採用し、燃費を大幅に改善しています。JALはボーイング777からA350への置き換えを進めるなかで、特別塗装機でもCO₂排出削減を維持できる点を強調。さらに、本プロジェクトではeチケット・デジタル証明書の活用により紙資源を最小化し、機内リーフレットも回収後リサイクル工程に回すしくみを導入しています。
こうした取り組みは、国連のSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」に沿うものであり、航空会社がブランドキャンペーンと環境施策を両立させる事例としても注目されています。
利用上のポイントと今後の展望
特別塗装機は整備やダイヤ変更で突然の機材変更が起こることも珍しくありません。搭乗を確実に狙う場合は
・前日夜〜当日朝に運航状況を確認
・座席選択時に窓側を確保し撮影位置を検討
・降機後は入場制限エリア外の展望デッキで再撮影
など事前計画が重要です。
JALは今後、DREAM SHO JETを活用した全国遠征イベントや子ども向け航空教室も企画中としています。運航終了後も、機体の一部を再利用したアート作品展示や環境啓発プログラムへの転用が検討されており、キャンペーン終了後も“夢のバトン”を次世代につなげる構想が描かれています。









