キャセイパシフィックが「危ない」と言われる理由や原因についてHOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

こんにちは、HOTTEL旅行記者のTAKAです。今回は「キャセイパシフィック航空は危ないのか?」という疑問について、できるだけ多くのネット上の評判や口コミを参考にして調査し、わかりやすく簡単に解説します。香港を拠点とする老舗フルサービスキャリアとして知られるキャセイパシフィック航空ですが、近年「危ない」といった声が一部で上がっているようです。果たして実際のところはどうなのでしょうか。

まず結論から申し上げると、キャセイパシフィック航空は決して「危ない」航空会社ではなく、むしろ5つ星評価を受ける優良キャリアです。「危ない」という評判の背景には、一部の運航トラブルや情報不足によるトランジット手続きの問題、サービス品質のばらつきなどがあるようですが、これらは他の航空会社でも起こり得る一般的な課題です。特に価格競争力の高さとワンワールドアライアンス加盟による利便性は大きな魅力と言えるでしょう。

キャセイパシフィック航空が「危ない」と言われる主な理由

運航トラブルと安全性への懸念

近年、キャセイパシフィック航空で発生した一部の運航トラブルが「危ない」という印象を与えているようです。2024年には複数の重大インシデントが報告されており、8月には香港発のエアバスA330型機が離陸滑走中にエンジンから爆発音がして離陸を中止するトラブルが発生しました。さらに9月2日には、エアバスA350型機でエンジン燃料ホースの不具合に起因するエンジン火災が飛行中に発生し、香港へ引き返すという事態も起きています。

また、過去には2010年にスラバヤで搭載した燃料の汚染が原因で、香港国際空港への着陸進入中に両エンジンの制御が困難になる事故も発生しました。パイロットが通常より高速での緊急着陸を成功させたものの、機体は損傷し、緊急脱出時に乗客57名が負傷したという記録もあります。

しかし、これらの事故やインシデントは航空業界では一般的に発生し得るものであり、キャセイパシフィック航空の安全管理体制や対応は適切と評価されているのが実情です。

新型コロナウイルス影響による運航体制の変化

「危ない」という声が上がる背景の一つに、新型コロナウイルスの影響による大規模な人員削減があるようです。特にパイロット不足の問題は深刻で、運航の安全性や信頼性への懸念につながっているという指摘もあります。香港を拠点とする航空会社ならではの特有の課題も影響しているとされています。

トランジット時の手続きトラブル

実際の利用者からは、香港でのトランジット時に手続き上のトラブルが発生したという報告も寄せられています。ある利用者は、沖縄からネパールへの移動で香港経由便を予約した際、事前の問い合わせでは「日本の在留カードがあれば12時間以内なら香港のビザは不要」と案内されたにも関わらず、当日空港でビザが必要と言われ、結果的にフライトに乗れなかったという事例もありました。

この件では、沖縄にキャセイパシフィック航空のカウンターがなく香港エクスプレスの対応となるため、案内内容が変わってしまったという問題が発生したようです。こうした情報の齟齬や連携不足が、利用者に不安を与える要因となっているようです。

キャセイパシフィック航空の良い点・メリット

価格競争力の高さが最大の利点

キャセイパシフィック航空の最大のメリットは、その価格競争力の高さです。香港をハブ空港とする乗り継ぎ便の設定により、直行便と比較して料金が抑えられる傾向にあります。特に「ライト」運賃の導入により、受託手荷物の制限や有料の事前座席指定といった条件はありますが、基本的な移動ニーズに応えつつ低価格を実現しています。

定期的なセールやキャンペーンの実施も魅力的で、タイミングによっては非常にお得な価格で航空券を購入できるのもおすすめポイントです。ヨーロッパ方面への移動では特に価格面でのメリットが大きく、コストパフォーマンスを重視する旅行者には最適な選択肢と言えるでしょう。

5つ星評価の高品質サービス

キャセイパシフィック航空は、航空会社の格付けを行うスカイトラックスで5つ星評価を受けているフルサービスキャリアです。機内食については「中華風のからあげ定食や和風の牛丼など、日本人にとって安心できる味」という評価があり、ドリンクサービスも「赤白ワイン、ビール、ソフトドリンクなど充実しており、お茶やコーヒーのおかわりも親切」という口コミが寄せられています。

エンターテインメントシステムも好評で、「新作からアジア映画まで、タッチパネル選択で動作も早い」という利便性の高さが評価されています。機材についても「新しくて気持ちいい」という声があり、設備面での満足度は高いようです。

ワンワールドアライアンス加盟による特典

キャセイパシフィック航空はワンワールドアライアンスに加盟しており、JALなどの日系航空会社の上級会員であれば様々な恩恵を受けることができます。最も大きなメリットは「最安運賃でも座席指定ができる」ことで、通常有料となるライト運賃でも、JALのステータス保持者なら無料で座席指定が可能です。

その他にも、ビジネスクラスカウンターの利用、手荷物の優待(通常プラス1個まで無料)、各空港でのワンワールドラウンジ利用といった特典があり、特に香港国際空港のキャセイラウンジは「花椒が効いた本場の担々麺が絶品」として評判です。

充実した香港国際空港でのラウンジ体験

香港国際空港には5つのキャセイラウンジがあり、特にビジネスラウンジ「ザ・ピア」は総床面積3306平方メートル、550席という圧倒的なスケールを誇ります。アジア屋台さながらの「フードホール」、プロのバリスタによる挽きたてコーヒー、ライブキッチンで調理する麺料理が味わえる「ヌードル・バー」など、充実した食事とサービスが利用できます。

成田空港にある自社ラウンジも、2023年2月にリニューアルオープンし、従来の2.4倍となる1240平方メートルの広々とした空間に235席を配置しています。和モダンで落ち着いた雰囲気の中、ランプに駐機する世界各国のエアラインを眺めながらくつろぐことができるのも魅力です。

豊富な就航路線とマイレージプログラム

キャセイパシフィック航空は香港を拠点に世界51カ国・地域の約200都市に就航しており、特に日本からは成田、羽田、関空、中部、福岡、新千歳の6空港から香港への直行便を毎日17便以上運航しています。豊富なネットワークにより、アジア各都市やヨーロッパ方面への乗り継ぎ利便性が高いのも利点です。

マイレージプログラム「キャセイ」では、世界全体で800社以上と提携しており、日常の買い物でもマイルを貯めることができます。香港では大手リワード・プログラムとも提携し、共通ポイントをアジア・マイルに変換して航空券購入に充てることも可能です。

キャセイパシフィック航空の悪い点・デメリット

サービス品質のばらつきが欠点

実際の利用者からは、客室乗務員によるサービス品質のばらつきを指摘する声が上がっています。ある利用者は「ズカズカ音を立てて歩く女性CAがいる」「普通体型の人で普通に歩けばそんな音も響かないはずなのに、彼女が歩く度に床と天井が揺れる」という体験を報告しています。

また、「バターナイフはあるのにバターはなし」「ドリンクオーダーを聞いたのにドリンクを出さない」といったサービスの不備や、「思い切り足を蹴られて注意したら『してません』と言われた」という接客対応の問題も報告されています。

日本語対応についても課題があり、「香港→成田路線でアジア系航空会社なのに日本語スタッフがいない」という状況もあるようです。外国系航空会社の宿命とも言えますが、言語の壁によるコミュニケーション不足はデメリットと言えるでしょう。

機内温度設定と設備面での問題

多くの利用者から「どの路線も機内温度が低めに設定されている」という指摘があり、「すべての便が冷房が強く、薄いブランケット」だったため備えが必要という声も聞かれます。特に長距離フライトでは体調管理に影響する可能性があるため、羽織るものの持参が推奨されます。

機内食についても「量が少なすぎ」「ドリンクサービスが1回のみ」という不満や、「おいしくなかった」「品数が薄い」という評価もあり、食事面での期待値は他社と比較して低めに設定した方が良いかもしれません。

遅延や運航変更時の対応に関するデメリット

運航トラブル時の対応についても改善の余地があるようです。ある利用者は「バンコク→香港便が30分以上出発遅れ」「2時間半のトランジットで余裕のはずが、香港に着陸してもドアが開かず、トランジット時間が30分位に」なったと報告しています。

さらに深刻なケースでは、コロナ禍の影響で「出発便を前日の同時間の便に変更され、帰りは6時間早められ、往復とも乗換が一回増えて成田、香港、パリ、バルセロナというえげつない変更」を求められ、キャンセル料として「3人合計12万円」を請求されたという事例もあります。

情報提供の不備がおすすめしない理由

先述したビザ要件に関する情報提供の不備は、特に注意が必要なデメリットです。問い合わせ時の案内と実際の手続きで齟齬が生じるケースがあり、旅行計画に大きな影響を与える可能性があります。特に香港での乗り継ぎを含む旅程では、事前の確認を怠らないことが重要です。

また、「問い合わせの電話対応も保留にし録音確認などで40分ぐらいかかった」という効率性の問題も指摘されており、緊急時の対応スピードに不安を感じる利用者もいるようです。

おすすめできる人・できない人

キャセイパシフィック航空をおすすめしたい方

価格重視でヨーロッパ方面への旅行を検討している方には、キャセイパシフィック航空は最適な選択肢と言えるでしょう。特にコストパフォーマンスを重視し、香港での乗り継ぎ時間を有効活用できる方にはメリットが大きいです。

JALなどワンワールドアライアンス加盟航空会社の上級会員の方は、様々な特典を受けることができるため積極的におすすめできます。座席指定の無料化、手荷物優待、ラウンジ利用といった恩恵により、通常よりもワンランク上の旅行体験が可能です。

香港グルメや文化に興味がある方にとって、香港国際空港での乗り継ぎ時間は観光の一部として楽しめる要素になるでしょう。特にラウンジでの本格的な中華料理体験は、他社では味わえない魅力です。

キャセイパシフィック航空をおすすめできない方

日本語でのサポートを重視する方や、言語の壁に不安を感じる旅行初心者には、おすすめしにくい面があります。特に緊急時やトラブル発生時のコミュニケーションに不安がある場合は、日系航空会社の方が安心かもしれません。

サービス品質の一貫性を求める方や、きめ細やかなホスピタリティを期待する方にとっては、スタッフによる対応のばらつきが気になる可能性があります。日系航空会社の高水準なサービスに慣れている方は、期待値の調整が必要でしょう。

また、機内の寒さに敏感な方や、充実した機内食を期待する方は、事前の準備や期待値の調整が必要です。特に体調管理に不安がある方は、羽織るものの持参や軽食の準備を検討することをおすすめします。

まとめ:キャセイパシフィック航空は決して危険ではない優良キャリア

様々な評判や口コミを総合的に検証した結果、キャセイパシフィック航空が「危ない」という評判は、一部の運航トラブルや情報提供の不備に起因する誤解である可能性が高いと考えられます。実際には5つ星評価を受ける優良なフルサービスキャリアであり、安全管理体制も業界標準を満たしています。

確かにサービス品質のばらつきや機内環境に関する課題はありますが、これらは他の航空会社でも見られる一般的な問題です。むしろ価格競争力の高さ、ワンワールドアライアンス加盟による利便性、充実したラウンジサービスなど、多くのメリットを享受できる航空会社と言えるでしょう。

特に香港国際空港での乗り継ぎ体験は、他社では味わえない独特の魅力があり、旅行の醍醐味の一部として楽しむことができます。コストパフォーマンスを重視する旅行者や、アジア・ヨーロッパ方面への移動を考えている方には、ぜひ一度利用していただきたい航空会社です。

事前の情報収集と適切な準備を行えば、キャセイパシフィック航空は決して「危ない」航空会社ではなく、むしろ旅の可能性を広げてくれる信頼できるパートナーとなるはずです。旅行計画の際は、ぜひキャセイパシフィック航空も選択肢の一つとして検討してみてください。