ネット検索すると「スプリングジャパン 怪しい」と表示される理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
目次
トラベルライターTAKAが、できるだけ多くのネットの評判を参考にして調査し、スプリングジャパンに関する疑問をわかりやすく簡単に解説します。
結論:誤解と改善により評価は大きく変わった
まず結論から申し上げると、「スプリングジャパン 怪しい」という検索ワードが表示される主な理由は、過去の運航トラブルや中国系資本への不安感、そして格安航空会社(LCC)特有の厳格なルールに対する利用者の戸惑いが原因のようです。しかし、現在では運航安定性が大幅に改善され、JALグループの一員として信頼性が向上していると言われています。
スプリングジャパンの基本情報
スプリング・ジャパン株式会社は、2012年に中国の春秋航空との共同出資により設立された格安航空会社です。当初は「春秋航空日本株式会社」という社名でしたが、2021年に日本航空(JAL)グループの連結子会社となり、現在の社名に変更されました。成田空港を拠点として、国内線では新千歳空港、広島空港、佐賀空港への路線を、国際線では中国各都市への路線を運航しています。
「怪しい」と言われる主な理由
1. 過去の運航トラブルによる印象
遅延率の高さが問題視されていた時期
スプリングジャパンが「やばい」「怪しい」と言われる最大の理由は、2019年から2021年にかけて遅延率が25%を超えていたことのようです。これは4回に1回の便が遅延するという高い水準で、利用者から大きな不満の声が上がっていたと言われています。
しかし、2023年以降は大幅に改善され、遅延率は6~7%程度まで低下し、他の航空会社よりも優秀な数値を記録するようになったようです。国土交通省の発表によると、2023年4-6月期の定時運航率では、スプリングジャパンが10社中で首位を獲得し、欠航率もゼロという優秀な成績を収めています。
2017年の集中的なトラブル
2017年は特にトラブルが集中した年として知られており、重大インシデントが発生したほか、パイロットの再訓練のため10名が業務停止となる事態も起きたようです。この年には運休や欠航、遅延、時間変更が多発し、必要な書類の国土交通省への未提出という事案も発生したと言われています。
ただし、2017年10月に発生した「重大事故」として報告された事案は、乱気流による機体の揺れで客室乗務員が腰の骨を折ったというもので、乗客にケガはなく、機体にも問題はなかったとされています。
2. 中国系資本に対する不安感
設立経緯への懸念
スプリングジャパンは中国の春秋航空との共同出資で設立されており、一部の利用者からは「中国の格安航空会社だから怪しい」という声があるようです。航空法の外資規制により、春秋航空の出資は33%までに制限されていますが、それでも中国系であることへの不安を感じる方もいらっしゃるようです。
しかし、現在ではJALグループの連結子会社となり、日本の航空会社として運営されていることから、こうした懸念は解消されつつあると言われています。
3. LCC特有の厳格なルールへの戸惑い
チェックイン締切時間の厳しさ
スプリングジャパンのチェックイン締切時間は出発時刻の30分前となっており、1分でも過ぎると搭乗できないという厳格なルールがあります。大手航空会社に慣れた利用者にとって、この厳しさが「やばい」という印象を与える要因となっているようです。
手荷物検査の厳格さ
機内持ち込み手荷物の重量制限は7kgまでと設定されており、少しでもオーバーすると追加料金が発生するか、手荷物を減らす必要があります。他のLCCと比較しても検査が厳しいと言われており、利用者から驚きの声が上がることもあるようです。
ただし、ノートパソコンやタブレット端末は7kgの制限に含まれないという独自の措置があり、大量のお土産がなければ問題になることは少ないとされています。
4. 成田空港第3ターミナルのアクセス問題
スプリングジャパンの国内線は成田空港第3ターミナルを使用しており、第2ターミナル駅から約20分の徒歩移動が必要です。この屋外移動が430メートルもあり、夏は暑く冬は寒いという環境で、荷物を持っての移動が大変だという声があるようです。
最近のアルコール問題について
2024年3月には、貨物便の機長が乗務前の飲酒検査で規定を逸脱した事案が発生し、国土交通省から厳重注意を受けました。機長は「栄養ドリンクの影響」と虚偽の説明をしていたことが判明し、最終的に解雇処分となったようです。
この事案により、スプリングジャパンは再発防止策として「飲酒対策を含む安全確保に関する意識の再徹底」「アルコール検査体制の再構築」を実施したと報告されています。
スプリングジャパンの良い点・メリット
運賃の安さが最大の利点
スプリングジャパンの最大のメリットは、やはり運賃の安さです。成田から関西空港間で3,000円台から利用できる「ラッキースプリング」運賃や、他の路線でも大手航空会社の半分から3分の1程度の料金で利用できることが大きな魅力となっています。
格安運賃により、浮いた交通費を旅先での観光や買い物に回すことができるため、旅行の楽しみが広がるという利点があります。セール時期にはさらに驚くような価格設定も登場し、バスよりも安い料金で飛行機を利用できることもあるようです。
顧客満足度の高さがおすすめポイント
2017年にはオリコンが実施する日本顧客満足度調査のLCC国内線部門において、価格、快適性、客室乗務員の対応など全体的に高い評価を獲得し、2年連続で首位を獲得しています。特に「客室乗務員」と「空港スタッフ」の評価が高く、「価格が安いチケットなのにもかかわらず、丁寧な接客をしてもらえた」という声があるようです。
機内環境とサービスの改善
機材はボーイング737-800で統一されており、「ボーイング・スカイ・インテリア」という洗練されたデザインが採用されています。白や淡いグレーを基調とした丸味を帯びたデザインと、優しく機内を照らすLED照明により、落ち着いた雰囲気を演出していると言われています。
座席は「コンフォートシート」「レッグシート」「非常口座席」「スタンダードシート」の4種類に分けられており、利用者のニーズに応じて選択できるという利点があります。
JALグループ入りによる信頼性向上
2021年のJALグループ入りにより、整備面でもJALエンジニアリングの技術サポートを受けられるようになり、安全性と信頼性が大幅に向上したと言われています。JALマイレージバンクとの提携も実現し、JALマイルとスプリングジャパンのフライトクーポンとの交換も可能になっています。
運航安定性の大幅改善
前述の通り、2023年以降は遅延率が6~7%程度まで改善され、欠航率も非常に低い水準を維持しています。2023年の一時期には、すべての航空会社の中で欠航率が最も低かったという実績もあるようです。
スプリングジャパンの悪い点・デメリット
厳格な時間管理がデメリット
チェックイン締切時間の30分前という厳格なルールは、時間に余裕のない旅行者にとっては大きなデメリットとなります。特に乗り継ぎが必要な旅行や、ビジネス利用の場合には、この厳しさがリスクとなる可能性があります。
搭乗口への到着も出発時刻の25分前までと定められており、少しでも遅れると搭乗できなくなるため、時間管理に不安のある方にはおすすめしない航空会社と言えるでしょう。
手荷物制限の厳しさが欠点
機内持ち込み手荷物の7kg制限や、預け手荷物のサイズ・重量制限が厳格に運用されているため、荷物の多い旅行者には不便さを感じる場合があるようです。少しでも制限を超えると追加料金が発生するため、事前の準備と計量が必要となります。
成田空港でのアクセスの不便さ
第3ターミナルへの長距離徒歩移動は、特に荷物の多い旅行者や高齢者、小さな子供連れの家族にとって大きな負担となる可能性があります。天候によっては屋外移動が困難な場合もあり、この点は明確なデメリットと言えるでしょう。
サービス内容の限定性
LCCの特性上、機内食や飲み物は有料となっており、座席指定にも追加料金が必要です。大手航空会社のようなフルサービスを期待する旅行者には、物足りなさを感じる可能性があります。
どんな方におすすめか
価格重視の旅行者に最適
スプリングジャパンは、何よりも旅行費用を抑えたい方におすすめの航空会社です。学生旅行や家族旅行など、複数人での利用時には運賃の安さによる節約効果が特に大きくなります。浮いた交通費を旅行先での体験や食事に使いたい方には、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
時間に余裕のある旅行者向け
LCCの特性を理解し、時間に余裕を持って行動できる方には最適な航空会社と言えます。急ぎの出張やタイトなスケジュールの旅行ではなく、ゆったりとした旅行を楽しみたい方におすすめです。
荷物の少ない旅行者に適している
機内持ち込み手荷物7kgの制限内で旅行できる方や、短期間の旅行で荷物が少ない方には、追加料金なしで利用できるメリットがあります。ビジネス出張などで最小限の荷物で移動する方にも向いているでしょう。
おすすめできない方
時間に余裕のない出張利用者
厳格な時間管理や、万が一の遅延・欠航時の対応を考慮すると、重要な商談や会議の前後での利用はおすすめしない場合があります。大手航空会社のような手厚いサポートは期待できないため、ビジネス利用には慎重な検討が必要でしょう。
高齢者や身体的制約のある方
成田空港第3ターミナルまでの長距離徒歩移動や、LCC特有の簡素なサービスを考慮すると、高齢者や身体的な制約のある方には負担が大きい可能性があります。より手厚いサポートが必要な方には、他の選択肢をおすすめします。
大量の荷物を持つ旅行者
お土産をたくさん購入予定の方や、長期滞在で荷物が多くなる方には、厳格な重量・サイズ制限がデメリットとなる場合があります。追加料金が発生する可能性が高いため、事前の費用計算が重要となるでしょう。
安全性について
スプリングジャパンの安全性について、過去に大きな事故を起こしたことはありません。2017年の乱気流による客室乗務員の負傷事案も、機体や乗客には問題がなく、航空機特有のリスクの範囲内とされています。
現在はJALグループの一員として、JALエンジニアリングによる整備サポートを受けており、国土交通省の厳しい基準に従って点検・整備が実施されています。航空機の事故率は自動車と比較して2,000分の1以下という統計もあり、スプリングジャパンも例外ではなく安全性を最優先に運航していると言われています。
最新の改善状況
運航品質の向上
2023年以降、スプリングジャパンの運航品質は劇的に改善されており、定時運航率で他社を上回る成績を収めています。欠航率の低さも業界トップクラスとなり、利用者の信頼を徐々に回復しているようです。
サービス向上への取り組み
機内誌「SPRING TIME」の再開や、業務効率化システムの導入など、継続的なサービス向上に取り組んでいると報告されています。パイロットや運航管理者向けの気象情報システム「ARVI」の導入により、安全運航の質も向上していると言われています。
JALグループとしての統合効果
JALグループ入りにより、予約システムの改善や整備体制の強化が進んでおり、「日中の懸け橋となるべく春秋グループ・JALグループ双方の強みを最大限に生かした格安航空会社」を目指しているとされています。
まとめ:誤解から理解へ、改善された現在のスプリングジャパン
「スプリングジャパン 怪しい」という検索結果が表示される理由は、主に過去の運航トラブルや中国系資本への不安感、そしてLCC特有の厳格なルールに対する戸惑いが原因でした。しかし、現在では状況が大きく改善されており、むしろ高い評価を受ける航空会社に変貌していると言えるでしょう。
特に注目すべきは、2023年以降の運航安定性の大幅改善です。過去に問題視されていた遅延率は他社を上回る水準まで改善され、欠航率も業界トップクラスの低さを維持しています。JALグループ入りによる安全性と信頼性の向上も、利用者にとって大きな安心材料となっているようです。
格安運賃という最大のメリットに加え、顧客満足度調査での首位獲得や、丁寧な接客サービスなど、価格以上の価値を提供している航空会社として評価されています。時間に余裕があり、価格重視で旅行を楽しみたい方には、非常におすすめできる選択肢と言えるでしょう。
一方で、厳格な時間管理や手荷物制限など、LCC特有の制約があることも事実です。これらの特性を理解し、適切に準備をして利用すれば、コストパフォーマンスの高い快適な空の旅を楽しむことができるはずです。
過去の問題を乗り越え、継続的な改善を続けているスプリングジャパンは、もはや「怪しい」航空会社ではなく、安全で信頼できるLCCとして、多くの旅行者に愛用されている存在となっているのようです。旅行の目的や予算に応じて、ぜひ選択肢の一つとして検討していただければと思います。