ネット検索すると「春秋航空 なぜ安い」と表示される理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

皆さんこんにちは、トラベルライターのTAKAです。今回は「春秋航空はなぜこんなに安いのか?」という多くの旅行者が気になる疑問について、できるだけ多くの口コミや評判を参考に調査し、わかりやすく解説していきます。驚くほど安い航空券の裏側には、実はさまざまな工夫や戦略が隠されているのです。

春秋航空の安さの秘密:結論から先に

春秋航空が他の航空会社と比較して格安な運賃を提供できる理由は、主に「徹底したコストカット戦略」と「効率的な運営システム」にあるようです。具体的には、自社サイトでの直接販売の促進、機材の統一による整備コスト削減、座席数の最大化、そして無料サービスの最小化などが挙げられます。これらの施策により、春秋航空は利益を確保しながらも、驚くほど安い航空券を提供することができているのです。

それでは、春秋航空の安さの秘密について、より詳しく見ていきましょう。

春秋航空とは?基本情報を押さえよう

春秋航空は、中国・上海に本社を置く格安航空会社(LCC)で、日本では「春秋航空日本」(現在のスプリング・ジャパン)として2012年に設立されました。中国初の民間資本系航空会社として2004年に誕生し、2021年からは日本航空(JAL)の連結子会社となっています。

現在、春秋航空(スプリング・ジャパン)は成田空港を拠点に、国内線では札幌、広島、佐賀などへ、国際線では中国の上海や北京などへの路線を運航しています。「中国特化型LCC」としての役割を担い、JALグループの中で独自のポジションを確立しているようです。

春秋航空が安い7つの理由

1. 営業・販売コストの削減

春秋航空が実現している低価格の最大の秘密の一つは、チケット販売における営業・販売コストの大幅な削減にあります。通常の航空会社では、旅行代理店にチケット販売を委託する際に手数料を支払う必要がありますが、春秋航空はできるだけ自社サイトでのチケット購入を促進する仕組みを構築しているようです。

実際、春秋航空のチケットの約70%は自社サイトからの購入で、残りの30%も親会社である上海春秋国際旅行社が販売しているため、一般的な旅行代理店よりも販売コストを抑えることができていると言われています。また、コールセンターやチェックインカウンターでの予約には手数料を設けることで、人件費のかからない自社サイト購入を推進しているのです。

2. 機材調達・整備コストの最適化

航空会社にとって、航空機の調達と整備は非常に大きなコストとなります。春秋航空はこの点において、使用する航空機の機種を絞ることでさまざまなコスト削減を実現しています。

具体的には、春秋航空日本(スプリング・ジャパン)は全機ボーイング737-800型機に統一しており、これにより以下のようなメリットが生まれています。

  1. 機材やエンジンを絞ることでメーカーに対する価格交渉が有利になり、調達コストが抑えられる
  2. 機材が単一なので整備が効率よく行え、整備コストが削減できる
  3. パイロットは機材ごとにライセンスが必要ですが、機材を絞ることで全パイロットがその機材を操縦できるため、乗員運用の効率が上がる

このように、機材を統一することで、調達から運用、整備に至るまでの一連のコストを大幅に削減しているのです。

3. 無料サービスの最小化

一般的な航空会社では、機内食やブランケット、機内エンターテイメントなどさまざまな「無料」サービスが提供されていますが、これらは実際には航空券の価格に含まれています。

春秋航空では、これらの「実質有料」のサービスを基本的にカットし、必要な方だけが追加料金を支払う形にすることで、基本運賃を下げることに成功しています。例えば、機内食は有料で提供されており、ルーローハンやジャージャーメンなどが600円〜760円程度で購入できるようです。

また、手荷物についても、機内持ち込み手荷物は7kgまでと制限されており、それ以上の荷物を預ける場合は追加料金が必要となります。このように、基本的なサービスに絞り、オプションは追加料金制にすることで、必要最低限のサービスだけを求める旅行者にとっては非常にリーズナブルな価格設定を実現しているのです。

4. 座席数の最大化

春秋航空では、1回のフライトにおける乗客数を増やすことで、一人当たりの運航コストを下げる工夫もしています。具体的には、座席の間隔を詰めることによって、同じ機体でも他の航空会社より約15%多い座席数を確保しているようです。

スプリング・ジャパンが使用するボーイング737-800型機の座席数は189席で、座席の種類は「コンフォートシート」「レッグシート」「スタンダードシート」の3種類に分かれています。座席間隔(シートピッチ)は約72cmと、JALやANAの標準的な79cmと比べるとやや狭くなっていますが、これにより多くの乗客を乗せることができ、一人当たりの運航コストを下げることができるのです。

5. 空港使用料の最適化

春秋航空は、空港の選定においても賢い戦略を取っています。成田国際空港や関西国際空港などの主要空港だけでなく、茨城空港や佐賀空港など地方の空港も積極的に利用することで、空港使用料を抑える工夫をしているようです。

また、成田空港では第3ターミナルを利用しており、これはLCC専用のターミナルとして設計されているため、施設使用料が抑えられているとも言われています。このように、空港選びや施設利用においても徹底したコスト意識を持って運営されているのです。

6. 効率的な運航スケジュール

春秋航空は、機材の稼働率を最大化するために、効率的な運航スケジュールを組んでいます。早朝や深夜の時間帯も積極的に活用し、機材を可能な限り長時間稼働させることで、機材一機当たりの収益を最大化しているようです。

また、直前予約でも比較的リーズナブルな運賃が見つかることがあり、「空席連動型」の料金体系を導入していることも特徴です。便によっては直前でも7,000円台の航空券が出ることもあり、これは機材の稼働率を常に高く保つための戦略の一環と考えられます。

7. マーケティング戦略の工夫

春秋航空は、マーケティング戦略においても独自の工夫を凝らしています。例えば、新規路線の就航を記念して、片道1円という破格のキャンペーンを実施することもあります。

このような驚きの価格設定は、一見すると儲けを度外視したものに思えますが、実際には「パブリシティ戦略」と呼ばれるマーケティング手法の一環です。話題性のあるキャンペーンを実施することで、多くのメディアに取り上げられ、広告費をかけずに知名度を上げることができるのです。

また、毎月7日にはお得なキャンペーンを実施するなど、利用者を飽きさせないユニークなサービスも展開しており、これも効果的なマーケティング戦略の一つと言えるでしょう。

春秋航空の利用者の評判:メリットとデメリット

メリット(良い点)

春秋航空を利用した方々からは、以下のようなメリットが挙げられています。

  1. 圧倒的な価格の安さ:最大の魅力は何と言っても低価格です。セール時には片道250円という驚きの価格で航空券が販売されることもあるようです。
  2. 丁寧な接客:LCCながら、客室乗務員や空港スタッフの対応が丁寧だという評価が多く見られます。2017年には格安航空利用者満足度ランキングで、「購入手続きのしやすさ」や「客室乗務員」、「コストパフォーマンス」など6項目で1位を獲得したこともあるようです。
  3. 機内販売の良心的な価格設定:機内販売の価格も比較的リーズナブルで、コーヒーのおかわりが無料になるなど、小さな心遣いが評価されています。
  4. JALグループ入りによる安心感:2021年からJALグループの一員となったことで、安全面での信頼性が向上したという声もあります。航空機整備の一部業務をJALエンジニアリングに委託するなど、安全性の確保に努めているようです。
  5. 利便性の高い路線展開:成田空港を拠点としながらも、地方空港への路線も充実しており、地方在住の方にとっても利用しやすいという利点があります。

デメリット(悪い点)

一方で、以下のようなデメリットも指摘されています。

  1. 座席の狭さ:座席間隔が狭いため、長時間のフライトでは快適性に欠けるという声があります。特に身長の高い方や足元の広さを重視する方には不向きかもしれません。
  2. 手荷物制限の厳しさ:機内持ち込み手荷物は7kgまでと制限が厳しく、超過した場合は追加料金が発生します。サイズも20cm×30cm×40cm以内と細かく規定されており、チェックも厳格に行われるようです。
  3. 遅延の可能性:LCCの中では比較的定時運航率が高いとされていますが、それでも遅延が発生することがあります。特に国際線では2〜3時間の遅延も珍しくないという報告もあり、スケジュールに余裕を持った計画が必要かもしれません。
  4. 無料サービスの少なさ:機内食や飲み物、エンターテイメントなどの無料サービスがないため、長時間のフライトでは退屈に感じる可能性があります。事前に飲み物や軽食、読み物などを用意しておくと良いでしょう。
  5. マイルが貯まらない:通常の利用ではJALのマイルが貯まらないため、マイレージプログラムを重視する方には不向きです。ただし、期間限定でマイルが付与されるキャンペーンが実施されることもあるようです。

春秋航空はこんな人におすすめ

以上のメリットとデメリットを踏まえると、春秋航空は以下のような方におすすめと言えるでしょう。

  1. 価格重視の旅行者:何よりも航空券の価格を重視し、多少の不便さは気にしない方。
  2. 短時間のフライトを予定している方:国内線や近距離の国際線など、比較的短時間のフライトを予定している方。
  3. シンプルな旅行スタイルを好む方:機内食やエンターテイメントなどの付加サービスにこだわらず、目的地への移動手段としての航空機利用を考えている方。
  4. 手荷物が少ない旅行者:機内持ち込み手荷物の制限内で旅行できる、身軽な旅行スタイルの方。
  5. 中国旅行を計画している方:特に中国路線に強みを持つため、中国旅行を計画している方には特におすすめです。

春秋航空はこんな人にはおすすめしない

一方、以下のような方には他の航空会社の方が合っているかもしれません:

  1. 快適性を重視する方:座席の広さや機内サービスなど、フライト中の快適性を重視する方。
  2. スケジュールが厳しい方:遅延のリスクを考慮できない、到着時間が厳密に決まっている方。
  3. 多くの荷物を持ち運ぶ必要がある方:預け入れ荷物が多い、または大きな手荷物を持ち込みたい方。
  4. マイレージプログラムを重視する方:フライトでマイルを貯めることを重視している方。
  5. 長時間のフライトを予定している方:座席の狭さや機内エンターテイメントの少なさから、長時間のフライトでは不快に感じる可能性があります。

春秋航空を上手に利用するためのコツ

春秋航空を最大限にお得に、そして快適に利用するためのコツをいくつかご紹介します。

1. 予約のタイミングを見極める

春秋航空は「空席連動型」の料金体系を採用しているため、予約のタイミングによって価格が大きく変動します。セールやキャンペーンをこまめにチェックし、お得なタイミングで予約することをおすすめします。特に毎月7日には特別なキャンペーンが実施されることもあるようです。

2. 手荷物は最小限に

機内持ち込み手荷物の制限は7kgまでと厳しいため、できるだけ荷物は最小限にしましょう。超過した場合は追加料金が発生し、思わぬ出費になる可能性があります。コンパクトなバッグや軽量のスーツケースを選ぶことも大切です。

3. 座席指定を検討する

座席は「コンフォートシート」「レッグシート」「スタンダードシート」の3種類があり、少し追加料金を払うことで足元の広い座席を確保することができます。特に長時間のフライトでは、快適性を考慮して座席指定を検討する価値があるでしょう。

また、5〜15列目の右側(D・E・F席)は左側と比べて座席間隔が広いという特徴があるため、座席指定をする際の参考にしてみてください。

4. 早めの空港到着を心がける

チェックイン(搭乗手続き)は出発の2時間前から35分前までとなっており、搭乗口へは出発25分前までに行く必要があります。LCCは時間厳守の傾向が強いため、余裕を持って空港に到着することをおすすめします。

5. 機内での過ごし方を工夫する

機内食や飲み物は基本的に有料となるため、事前に軽食や飲み物を購入しておくと良いでしょう。また、エンターテイメント設備も限られているため、スマートフォンやタブレットに映画や音楽、電子書籍などをダウンロードしておくことをおすすめします。

6. 遅延を想定したスケジュール調整

特に夜便や国際線では遅延が発生する可能性があるため、到着後の予定には余裕を持たせることが大切です。最終便の場合は、遅延によって交通機関の最終便に間に合わなくなるリスクも考慮しましょう。

春秋航空の安全性について

LCCは「安いけど大丈夫なの?」という安全面での不安を抱く方も多いかもしれません。春秋航空(スプリング・ジャパン)の安全性については、以下のような情報があります。

  1. JALグループの一員:2021年からJALグループの一員となり、JALの安全基準や整備体制の恩恵を受けていると考えられます。特に航空機整備の一部業務をJALエンジニアリングに委託するなど、安全性の確保に努めているようです。
  2. 安全実績:スプリング・ジャパン自体には大規模な事故の報告は見当たらず、比較的安全な運航を続けているようです。2019年度の安全報告書によると、安全上のトラブルは29件発生したものの、事故・重大インシデントの発生はなかったとされています。
  3. 運航の安定性:遅延や欠航については、LCCの中では比較的安定しているという評価もあります。2020年度には運航率首位(最も良い欠航率)に輝いたという実績もあるようです。

ただし、2017年には台風による影響で機内が激しく揺れ、客室乗務員が負傷するという事例もあったようです。また、同年には安全上の理由から運航乗務員の2割にあたる10人を乗務停止としていた時期もあったとの報告もあります。

総合的に見ると、春秋航空(スプリング・ジャパン)は基本的な安全性は確保されていると考えられますが、天候不良時の運航判断など、安全マージンの取り方については大手航空会社と多少の違いがある可能性もあるようです。

まとめ:春秋航空の「安さ」を賢く活用しよう

春秋航空が提供する格安航空券の裏側には、徹底したコスト削減と効率的な運営システムがあることがわかりました。自社サイトでの直接販売の促進、機材の統一による整備コスト削減、座席数の最大化、そして無料サービスの最小化など、さまざまな工夫によって低価格を実現しているのです。

もちろん、座席の狭さや手荷物制限の厳しさ、遅延のリスクなど、いくつかのデメリットもありますが、これらを理解した上で上手に利用すれば、非常にコストパフォーマンスの高い移動手段となるでしょう。

特に価格重視の旅行者や、短時間のフライト、シンプルな旅行スタイルを好む方、そして中国旅行を計画している方には、春秋航空は大きなメリットをもたらしてくれるはずです。

最後に、春秋航空を含むLCCの利用は年々増加しており、2015年の国内線LCC旅客数は928万人で、2012年の172万人から5倍以上増えたとの報告もあります。これは、多くの旅行者がLCCの特性を理解し、賢く活用するようになってきた証拠と言えるでしょう。

皆さんも春秋航空の「安さの秘密」を理解し、その特性を活かした旅行計画を立ててみてはいかがでしょうか。限られた旅行予算でより多くの場所を訪れたり、浮いた航空券代を宿泊や観光、グルメなどに回したりすることで、より充実した旅行体験ができるはずです。

安全で快適な空の旅をお楽しみください!