ネット検索すると「中国東方航空 なぜ安い」と表示される理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説
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こんにちは、旅行系WEBメディア「HOTTEL」のトラベルライター”TAKA”です。最近、航空券を検索していると必ずと言っていいほど上位に表示される「中国東方航空」の格安チケット。「なぜこんなに安いの?」「本当に大丈夫?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。今回は、できるだけ多くの評判や実際の搭乗体験談を参考にして調査し、中国東方航空の価格の秘密についてわかりやすく簡単に解説します。
【結論】中国東方航空が安い3つの主要理由
まず結論からお伝えすると、中国東方航空が他社と比較して格安料金を実現できる理由は、主に以下の3つの要因が組み合わさっているからと言われています。
- 中国政府からの莫大な補助金支援
- ロシア上空飛行による燃料費・時間コストの削減
- 中国の「一帯一路」戦略に基づく国策的な価格設定
これらの背景を詳しく見ていくと、単なる「安かろう悪かろう」ではない、国家レベルでの戦略的な価格設定であることがわかってきます。
安さの秘密①:政府補助金という強力なバックアップ
国営航空会社としての優位性
中国東方航空は上海に拠点を置く国有航空会社で、中国政府から産業振興策として莫大な補助金や資金供与、税制上の優遇措置を受けていると言われています。この政府支援により、他国の民間航空会社では不可能な競争力のある航空券価格を実現できているようです。
特に注目すべきは、中国政府の「一帯一路」戦略の一環として、海外へのアクセスを増やすために安価な航空券が提供されているという点です。これは単なる商業的判断を超えた、国家的な経済戦略の表れと考えられます。
地方政府からの追加支援
国レベルの支援に加えて、地方政府からも補助金利用があるとされており、多層的な支援体制が価格競争力を支えているようです。このような政府支援は、日本やヨーロッパの航空会社では考えられない規模となっており、中国系航空会社特有の強みとなっています。
安さの秘密②:ロシア上空飛行による大幅なコスト削減
ウクライナ情勢が生んだ競争優位性
現在、ウクライナ情勢の影響で、日本を含む多くの国の航空会社がロシア上空の飛行を制限されていますが、中国系航空会社は引き続きロシア上空を飛行できるという大きなアドバンテージがあります。
この地政学的な優位性により、特にヨーロッパ路線では従来と同じルートを飛行でき、他社と比較して5~6時間程度の飛行時間短縮を実現しているようです。飛行時間の短縮は燃料費の削減に直結し、その分を航空券価格に反映できているものと推測されます。
安価なロシア産燃料の恩恵
さらに、ロシアとウクライナの戦争開始以降、中国にはロシア産の原油が安価に大量供給されており、中国国内でジェット燃料に精製して利用していると言われています。この中露の蜜月関係がエネルギー供給面で発揮されることが、中国の航空会社の競争力を高めている要因の一つのようです。
安さの秘密③:戦略的な市場シェア拡大方針
「最初にシェアを取る」中国式ビジネス手法
中国企業特有のビジネス手法として、「最初にシェアを取る」という方針があり、これが安価な航空券を生み出している背景の一つと考えられています。短期的な利益よりも長期的な市場シェア獲得を優先する戦略により、ダンピングに近い価格設定が可能になっているようです。
「空の一帯一路」による路線網拡大
中国の政策である「一帯一路」の影響で、中国東方航空を含む中国系航空会社が就航都市を大きく増やしているという背景もあります。北京からスペインのマドリード、さらにはブラジルのサンパウロやキューバのハバナといった場所にも、「空の一帯一路」と称して積極的に就航している状況です。
中国東方航空の良い点・メリット
圧倒的なコストパフォーマンス
中国東方航空の最大の利点は、なんといっても価格の安さでしょう。特にヨーロッパ路線では往復10万円前後というLCC並みの破格な価格で提供されることもあり、予算を抑えたい旅行者には大きなメリットとなっています。実際の搭乗体験談でも、「往復32,740円でタイ・バンコクに行けた」という驚きの価格例も報告されており、その安さは他社の追随を許さないレベルと言えるでしょう。
フルサービスキャリアとしての充実したサービス
LCCとは異なり、中国東方航空はフルサービスキャリアに分類されるため、預け入れ荷物(23kg×2個まで)、座席指定、機内食が料金に含まれている点は大きな利点です。特に預け入れ荷物の容量が多いのは、長期旅行や買い物を楽しみたい方にとって非常に魅力的で、1人合計46kgの荷物が無料で預けられるのは他社と比較しても優位性があるようです。
充実した機内食サービス
機内食については評価が分かれるものの、多くの口コミでは「充実している」「ボリュームがある」という声が見受けられます。長時間フライトでは複数回の食事が提供されるため、空腹を感じることなく過ごせるという利点もあるようです。実際の搭乗者からは「肉がたっぷりと入ったメイン料理のほかに、サラダ、果物、デザート、加えて温かいロールパンも配られた」という詳細なレポートもあり、フルサービスキャリアとしてのサービス水準は維持されているようです。
JALマイレージプログラムとの提携
JALと提携しているため、JALのマイレージを貯めることができる点も見逃せないメリットです。頻繁に旅行する方にとっては、安い料金でフライトしながらもマイルを着実に蓄積できるという二重のメリットがあります。また、日本でのチェックインや荷物遅延の対応もJALの職員が丁寧に対応してくれるため、サポート体制も整っているようです。
飛行時間の短縮効果
ヨーロッパ方面への移動では、ロシア上空を通過できるアドバンテージにより、中東系航空会社などと比較して大幅な時間短縮が可能となっています。「アムステルダムから北京まで9時間45分という短さ」という実例もあり、長時間フライトの疲労を考えると、この時間短縮は体力的にも大きなメリットと言えるでしょう。
中国東方航空の悪い点・デメリット
遅延リスクの高さという大きな欠点
中国東方航空に関する最も多い不満は、やはり遅延の頻度が高いという点です。実際の搭乗体験談でも「毎日遅延している」「帰りは4路線中4路線が遅延」という報告があり、計画通りに移動したい旅行者にとっては大きなデメリットと言えるでしょう。
特に上海発の一部路線では3時間程度の遅延が発生することもあり、乗り継ぎに失敗するリスクも高まります。遅延の原因は天候不良や整備の遅れ、空域の混雑などさまざまですが、「1時間半遅れで中部国際空港に到着」という具体例もあり、スケジュールに余裕のない旅行にはおすすめできない面があります。
上海での乗り継ぎ時の煩雑さ
上海浦東国際空港での乗り継ぎについて、多くの利用者が「煩雑」「時間がかかる」と報告しています。「検疫、係員2人によるマニュアルでのチケット確認、セキュリティ検査、と非常に時間がかかった」という詳細な体験談もあり、最低でも1時間45分以上の乗り継ぎ時間を確保することが推奨されているようです。
機内エンターテイメントの限界
多くの機材で個人用モニターが設置されていない、または設置されていても「2世代くらい前の型落ち感」があるという報告が多数見られます。エンターテイメントシステムについては「中国語か英語のみ」で、日本語コンテンツは「ドラえもんのみ」という状況のようです。長時間フライトを快適に過ごしたい方には、事前にタブレットや本などの準備をおすすめします。
サービス品質のばらつき
CAの対応について、「丁寧で感じが良い」という評価がある一方で、「ブランケットを頼むと嫌な顔をされた」「仏頂面で顎で指図」という厳しい評価も見受けられます。サービス品質にばらつきがあるのは事実のようで、期待値を高く設定しすぎるとがっかりする可能性があります。
おすすめしたい方・おすすめできない方
こんな方におすすめ
中国東方航空は、以下のような方には特におすすめできる航空会社と言えるでしょう。
- 予算重視で海外旅行を楽しみたい方:圧倒的な価格の安さは最大の魅力です
- 荷物が多い旅行者:23kg×2個の無料預け入れ荷物は大きなメリット
- 時間に余裕のある旅行者:遅延リスクを含めてもコストパフォーマンスを重視する方
- JALマイルを貯めている方:提携によりマイル獲得の機会が増えます
- 旅行慣れした方:多少のトラブルも旅の醍醐味として受け入れられる方
おすすめできない方
一方で、以下のような方にはおすすめしない面もあります。
- 厳密なスケジュール管理が必要な方:遅延リスクが高いため、ビジネス目的などには不向き
- 高品質なサービスを期待する方:サービス品質にばらつきがあるのが欠点
- 機内エンターテイメントを重視する方:個人用モニターの設置率や内容に限界があります
- 乗り継ぎに不安がある方:上海での乗り継ぎ手続きが煩雑な点がデメリット
- 中国経由に抵抗がある方:地政学的な要因を気にする方には向きません
安全性について
2022年3月に発生した中国東方航空5735便の墜落事故について触れておく必要があります。この事故により132名全員が犠牲となり、その原因について様々な憶測が飛び交いました。米メディアは「故意の可能性」を報じましたが、中国当局は最終的な調査結果で「機体、乗員、天候に問題は見つからなかった」と発表しています。
ただし、この事故以前の中国の航空会社の安全性は全般的に良好で、「最後に大きな事故が起きたのは12年前だった」という記録があります。航空安全は確率的な問題でもあり、一つの事故をもって航空会社全体の安全性を判断するのは適切ではないかもしれません。
実際の搭乗体験から見える真実
多数の実際の搭乗体験談を総合すると、中国東方航空に対する「ヤバい」という先入観は、実際の体験とは異なる場合が多いようです。「良い意味で口コミに裏切られた」「中国東方航空は全然やばくないよ」という感想も多く見られ、価格を考慮すれば十分満足できるサービスレベルを提供していると評価する声が目立ちます。
特に「機内は結構ふつう」「CAの対応は丁寧で感じが良い(むしろ欧州系より◎)」「座席の広さも十分で、長時間フライトでも疲れにくい」といったポジティブな評価も多数報告されており、ネット上の否定的な噂と実際の体験には大きなギャップがあることがうかがえます。
最終的な評価:コストパフォーマンス重視なら十分おすすめ
これまでの調査結果を総合すると、中国東方航空は確かに遅延リスクやサービス品質のばらつきといったデメリットも存在しますが、その価格の安さを考慮すれば、予算重視の旅行者には十分におすすめできる航空会社と言えるでしょう。
特に、政府補助金やロシア上空飛行による構造的な価格優位性は、今後も一定期間継続する可能性が高く、格安で海外旅行を楽しみたい方にとっては貴重な選択肢となっています。ただし、遅延リスクを考慮して余裕のあるスケジュールを組む、機内エンターテイメントは事前に準備するなど、適切な準備をしておくことが重要です。
航空券の価格高騰が続く中、中国東方航空の格安価格は多くの旅行者にとって魅力的な選択肢となっているのは間違いありません。「価格の安さ」という最大のメリットを活かして、賢く海外旅行を楽しんでいただければと思います。
この記事は2025年6月時点の情報に基づいて作成されており、航空会社のサービス内容や価格は変更される可能性があります。実際のご利用前には最新の情報をご確認ください。