フーコック島は”つまらない”とネットで頻繁に検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

ベトナムの南西部に位置するフーコック島について検索すると、「つまらない」という検索候補が表示されることがあります。この現象について、できるだけ多くのネットの情報を参考にして調査し、わかりやすく簡単に解説します。

結論:過去の評判が現在も影響している

調査の結果、フーコック島が「つまらない」と検索される主な理由は、2010年代前半までの過去の状況が現在でもネット上に残っているためのようです。実際のところ、現在のフーコック島は大幅な発展を遂げており、かつての「つまらない」というイメージとは大きく異なる状況となっていると言われています。

「つまらない」と言われていた時期とその背景

2010年代前半までの状況

フーコック島が「つまらない」と評価されていたのは、主に2010年代前半までの時期のようです。当時の状況を詳しく見てみると、以下のような問題があったと言われています。

インフラの未整備が最大の問題

当時のフーコック島は観光地としての整備が不十分で、道路などのインフラも未発達な状態だったようです。道路は赤土や砂利道が多く、雨の後はぬかるんで移動が困難になることもあったと言われています。また、電力不足も深刻な問題で、本土から海底ケーブルで電力を供給する必要があるほどでした。

観光スポットの限定性

2010年代前半の主な観光スポットは、クオリティの低い屋外博物館や仏教寺院、ナイトマーケット、ヌクマム工場程度しかなかったようです。現在のような世界最長のケーブルカーやサファリパーク、遊園地などの大型エンターテインメント施設は存在していませんでした。

宿泊施設の質の問題

当時は日本人旅行者が満足できる清潔なホテルも少ない状況だったと言われています。現在のようなインターコンチネンタルやヒルトンなどの世界的な5つ星ホテルチェーンは進出しておらず、宿泊選択肢が限られていたようです。

現在のフーコック島の劇的な変化

2010年代後半からの急速な発展

2010年代後半からベトナム政府及びフーコック島自治体主導のもと、急速に観光開発が進んだと言われています。特に2020年以降は、コロナ禍でも観光開発が続いており、現在では申し分ない南国リゾートを誰もが満喫できる観光地となったようです。

世界クラスの観光施設の整備

現在のフーコック島には、ノボテルやインターコンチネンタルといった世界的に有名な5つ星ホテルをはじめ、オーシャンビューを望めるインフィニティプール付きのリゾートホテルも多数オープンしているようです。また、サファリパークや遊園地、自然景勝地、カジノなど、あらゆる旅行者層が満足できる娯楽施設が揃っていると言われています。

日本人観光客の急増

2020年以降、日本人旅行者が急増しており、現在日本人旅行者のベトナムの旅行先は1位と2位が同率でホーチミンとハノイ、3位はダナン&ホイアンですが、実は4位がフーコック島となっているようです。

フーコック島の悪い点とデメリット

現在でも指摘される問題点について、客観的に見てみましょう。

アクセスの不便さ

直行便の不在

日本からフーコック島への直行便は存在せず、ホーチミンまたはハノイでの乗り継ぎが必要となるデメリットがあります。これは他のアジアンリゾートと比較して、アクセス面でのおすすめしない要因の一つと言えるでしょう。

言語コミュニケーションの課題

英語の通用度

フーコック島の英語力は日本と同等レベルで、話せる人、少し伝わる人、まったく話せない人が混在していると言われています。特に小さなスパやローカルレストランでは英語がほとんど通じないことがあり、指差しや翻訳アプリを駆使したコミュニケーションが必要になる欠点があるようです。

インフラ面の課題

交通インフラの問題

島内の移動手段はタクシーとレンタルバイクが主となりますが、タクシー料金は本土よりも割高になっていると言われています。また、観光名所は島内に散らばっており、それぞれがかなり離れているため、移動費がかさむデメリットがあるようです。

廃棄物処理の問題

フーコック島では1日あたり170~180トンの廃棄物が発生していますが、処理施設が老朽化した技術のため効率的に稼働していないという問題があるようです。これは観光地としてのイメージに影響を与える要因の一つと考えられます。

ナイトライフの限定性

繁華街の規模

フーコック島は東南アジアの他の南国リゾート島と比較すると人口が少なく、繁華街の規模も小さいため、「静かな滞在」に向いている一方で、毎夜ナイトバーなどでどんちゃん騒ぎをするような雰囲気ではないという特徴があります。これは賑やかなナイトライフを求める旅行者にはおすすめしない要因かもしれません。

ショッピング環境の制約

ショッピング施設の限定性

フーコック島にはショッピングモールというものは存在しないようで、中部の古いナイトマーケットや北部・南部の新しい複合商業施設程度しかないと言われています。食べ物とお土産が売っている程度で、本格的なショッピングを楽しむことは難しいデメリットがあるようです。

フーコック島の良い点とメリット

一方で、現在のフーコック島には多くの魅力があることも事実です。

コストパフォーマンスの優秀さ

宿泊費の安さ

1泊約3,500円でオーシャンビューのリゾートホテルに宿泊できるなど、コストパフォーマンスは日本では考えられないレベルと言われています。リゾート地でありながら宿泊料金が安く、1泊1万円前後でラグジュアリーなリゾートホテルに宿泊できる利点があるようです。

食事の価格と質

1食300円程度で美味しいベトナム料理を食べることができ、ローカルグルメが非常にリーズナブルだと言われています。海に囲まれた島だけあって、海鮮料理がとにかく美味しく、夜市ではロブスターやエビ、イカなどの新鮮なシーフードが並び、しかも価格は非常にリーズナブルなのがメリットです。

自然環境の美しさ

絵画のような景色

ミルキーブルーの空が広がり、その下はヤシの木、そして至る所に黄色い花が咲いている光景は、まるで絵画のような美しさと評価されています。水色と黄色が印象的な島で、どこを切り取っても本当に美しいと言われています。

サンセットの絶景

ベトナムは東側にしかビーチがないため、サンセットはダナンやニャチャンでは見られませんが、ビーチでサンセットが見られるのはフーコック島ならではの特徴です。

韓国人観光客に人気の理由

アジア最人気の旅行先

韓国人観光客に最も人気のある海外の旅行先トップ10のリストでフーコック島がトップに躍り出ており、東京を大きく上回る12,855点を獲得したと言われています。特に30~39歳の韓国人観光客に最も好まれており、そのうち67%が女性だと報告されています。

韓国からの直行便

現在韓国の航空会社4社が同島への直行便を運航しており、今後もその数は増えるとみられています。アクセスの良さが韓国人観光客に人気の理由の一つとなっているようです。

日本人観光客が少ないことの利点

異国情緒の体験

日本人観光客は非常に少なく、逆に言えば異国情緒を感じながら非日常を味わうにはもってこいの場所と言えます。まだ日本では知名度が低く、穴場的な存在であることがメリットの一つかもしれません。

おすすめしたい旅行者のタイプ

フーコック島がおすすめの方

静かなリゾート滞在を求める方

学生が団体でワイワイするよりは、子供連れのファミリー層やカップル夫婦、中高年以降の旅行者におすすめできるリゾート地と言われています。ホテルライフをしっかりと満喫したい方には特におすすめです。

コストパフォーマンスを重視する方

高級感とローカル感が絶妙に共存する、まさにコスパ最強の癒しリゾートとして評価されており、お財布に優しい旅行を求める方には利点が多いでしょう。

新しい旅行先を開拓したい方

日本ではまだあまり知られていない今こそ、行く価値がある場所として推奨されています。ガイドブックにもほんの少ししか載っていない穴場リゾートを体験したい方にはおすすめです。

フーコック島をおすすめしない方

賑やかなナイトライフを求める方

大きな繁華街がなく、ナイトバーのようなお店は少なめなので、毎夜どんちゃん騒ぎをするような雰囲気を求める方にはおすすめしない場合があります。

本格的なショッピングを楽しみたい方

ショッピングモールが存在せず、食べ物とお土産程度しか購入できないため、本格的なショッピングを旅行の目的とする方には欠点となるでしょう。

言語の壁を避けたい方

英語の通用度が限定的で、コミュニケーションに工夫が必要な場面が多いため、スムーズな意思疎通を重視する方にはデメリットとなる可能性があります。

フーコック島の現在の発展状況

急速な観光開発

現在のフーコック島では至るところで大規模なリゾート地の開発が行われており、建物自体は立っているけれど、まだ借り出していないコンドミニアムや別荘などがたくさんあると報告されています。道路は基本的にほとんど整っている印象で、今後はショッピングセンターやリゾートの充実が期待されているようです。

国際的な認知度の向上

2024年6月には日本のテレビ番組「グッと!地球便」でも取り上げられるなど、日本のメディアでも徐々に紹介される機会が増えているようです。近い未来間違いなくメジャーなリゾート地になりそうだと予測されています。

トラベルライターとしての独自考察

私の調査と分析から見えてきたのは、フーコック島の「つまらない」という検索結果は、まさにインターネット時代の情報の滞留現象を表している典型例だということです。2010年代前半までの古い情報が検索エンジンのデータベースに残り続け、現在の大幅に改善された状況とのギャップを生み出しているのです。

この現象は、旅行業界でよく見られる「情報格差による機会損失」の一例とも言えるでしょう。特にアジアの新興リゾート地では、急速な発展により短期間で観光地としての質が劇的に向上することがありますが、ネット上の情報更新が追いつかないことで、実際の魅力が正しく伝わらないケースが多々あります。

フーコック島の場合、ベトナム政府の観光立国政策と民間投資の組み合わせにより、わずか10年程度で後進的な離島から世界水準のリゾート地へと変貌を遂げました。この変化のスピードは、東南アジアの経済成長と観光インフラ整備の勢いを象徴していると言えるでしょう。

また、韓国人観光客に絶大な人気を誇る一方で、日本人観光客にはまだ十分に知られていないという現状は、各国の旅行者の情報収集パターンや旅行先選択の傾向の違いを反映していると考えられます。韓国では比較的新しい旅行先への挑戦意欲が高く、SNSを通じた情報拡散も活発ですが、日本では確立されたガイドブックや旅行会社の定番ツアーに依存する傾向が強いため、このような情報格差が生まれているのかもしれません。

さらに、フーコック島の発展過程で見られる環境問題や急速な開発による弊害は、持続可能な観光開発の重要性を改めて示しています。廃棄物処理問題や森林破壊といった課題は、将来的に観光地としての魅力を損なう可能性があり、これらの問題への対処が今後の発展の鍵を握っていると言えるでしょう。

現在のフーコック島は、過去の「つまらない」というレッテルを完全に払拭し、東南アジア屈指のリゾート地として確固たる地位を築きつつあります。コストパフォーマンスの高さ、自然の美しさ、充実した観光施設、そして何よりもまだ多くの日本人にとって「未開拓の楽園」であるという希少価値を考慮すると、今こそ訪れるべき旅行先の一つと言えるのではないでしょうか。