ノースサファリサッポロが炎上とネットで頻繁に検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

ノースサファリサッポロが「炎上」と検索される理由について、できるだけ多くのネットの情報を参考にして調査しわかりやすく簡単に解説します。北海道の人気観光スポットとして知られるこの施設が、なぜネット上で話題になっているのか、その真相に迫ってみましょう。

結論から申し上げると、ノースサファリサッポロの炎上は主に3つの大きな問題が重なって発生しています。第一に、2025年に発覚した大規模な違法建築問題、第二に、動物の飼育環境に対する批判、第三に、宿泊施設での動物展示方法への疑問視です。これらの問題が複合的に作用し、SNSを中心とした批判の声が高まっているのが現状のようです。

違法建築問題の全貌

ノースサファリサッポロの最も深刻な問題は、2025年2月に発覚した大規模な違法建築問題です。この施設は札幌市南区の市街化調整区域に位置していますが、この区域は都市計画法により住宅や商業施設の建設が原則として禁止されている場所です。

驚くべきことに、施設内の156棟すべての建物が無許可で建設されていたことが判明しました。これは2005年の開園以来、実に20年間にわたって違法状態が続いていたことを意味します。札幌市の担当者によると、これほど大規模で長期間にわたる違法建築は「例を見ない」レベルだったようです。

さらに問題を複雑にしているのは、札幌市が過去に2度の指導を行っていたにも関わらず、運営会社のサクセス観光が改善に応じなかったという点です。市は2006年から8回にわたって指導を行っていましたが、根本的な解決には至らなかったのです。

この問題の深刻さを受けて、札幌市は2025年3月に事実上の閉園命令を検討し、最終的に運営会社は同年9月末での閉園を発表することになりました。

動物飼育環境への批判

ノースサファリサッポロに対する批判の中でも特に多いのが、動物の飼育環境に関する問題です。多くの来園者や動物愛護団体から、動物の福祉に配慮が不足しているとの指摘が寄せられているようです。

具体的な問題として挙げられているのは、動物が短い鎖で繋がれている状況、体の大きさに対して明らかに小さすぎる檻での飼育、そして一部の動物が異常行動を繰り返している様子などです。特に印象的なのは、来園者の口コミで「座布団四枚くらいの場所に犬小屋のような物ひとつ、そこに首輪で繋がれている動物」という具体的な描写があることです。

また、飼育員の監視体制についても問題が指摘されています。ふれあい体験やエサやりが基本的に客任せになっており、飼育員が常に見張っているわけではないため、エサやりの時間や量が来園者数に左右され、適切に管理されていない可能性があるようです。

動物愛護の観点から施設を調査した団体によると、ノースサファリサッポロは全国283施設を調査した中で「下位3番に入るほど劣悪な施設」と評価されているようです。これは非常に厳しい評価と言えるでしょう。

宿泊施設での動物展示問題

2024年11月には、ノースサファリサッポロの宿泊施設「アザラシコテージ」が新たな炎上の火種となりました。この施設は「お部屋の中にアザラシの水槽がある」ことを売りにしており、「アザラシと一緒に宿泊できます!」とPRしていました。

問題となったのは、実際に宿泊した客がSNSに投稿した写真でした。ベッドからガラス越しにアザラシが見える様子が投稿されると、「こんな狭いスペースに閉じ込めるのはよくない」「動物のストレスがやばそう」といった批判が相次いだのです。

投稿者自身も、アザラシが夜間に騒いでいたことを報告し、カーテンの設置など動物のストレス軽減策を求めていました。この問題を受けて札幌市保健所が立ち入り検査を実施するなど、行政も対応に追われる事態となったようです。

ネット上の口コミと評判の分析

ノースサファリサッポロに関するネット上の口コミは、極端に二分されている傾向があります。良い評価をする人々は、動物との距離の近さや他では体験できない貴重な体験を高く評価しています。

良い点・メリット

良い点として最も多く挙げられるのは、動物との圧倒的な近さです。通常の動物園では不可能なライオンやトラへの餌やり体験、キリンとの至近距離での触れ合いなど、他施設では味わえない特別な体験ができることが最大のメリットとされています。

料金面でも、追加料金100円から1000円程度で様々なプレミアム体験ができるため、コストパフォーマンスが高いと評価する声も多いようです。家族3人で1日遊んで1万円程度という価格設定は、体験内容を考慮すると確かにリーズナブルと言えるでしょう。

また、スタッフの対応を評価する声もあり、「親切で明るく、親しみがある」「とてもフレンドリー」といった好意的なコメントも見受けられます。

悪い点・デメリット

一方で、悪い点として最も深刻なのは動物の飼育環境に対する懸念です。多くの来園者が「動物がかわいそう」「ストレスを感じているように見える」といった感想を述べており、これが最大のデメリットとして挙げられています。

施設の管理面でも問題が指摘されており、「道がぐちゃぐちゃ」「檻が糞まみれで不衛生」といった環境面での欠点が多数報告されています。また、スタッフの対応についても「感じが悪い」「態度が悪すぎる」といった否定的な意見も存在します。

さらに、安全管理体制への不安も指摘されており、飼育員の監視が不十分で、特に小さな子どもが動物を乱暴に扱っても注意されないケースがあるようです。

運営体制と労働環境の問題

ノースサファリサッポロの問題は、動物や建築物だけにとどまりません。従業員の労働環境についても厳しい実態が報告されています。

従業員の証言によると、勤務時間は9時間で休憩はほとんどなく、休日は月に4日のみという過酷な労働条件だったようです。さらに、役職付きの社員はしっかりと休憩を取る一方で、一般スタッフは休憩時間が確保されていないという格差も存在していたとされています。

このような労働環境の問題は、結果的にサービスの質や動物の管理体制にも影響を与えていた可能性があります。十分な人員配置や適切な労働環境が確保されていなければ、動物の世話や来園者への対応に支障をきたすのは当然と言えるでしょう。

行政対応と今後の展望

札幌市は長年にわたってノースサファリサッポロの問題を把握していながら、抜本的な解決に至らなかった点について「反省点」を認めています。市の担当者は「及び腰だった」と自己評価しており、より早期の対応が必要だったことを示唆しています。

2025年4月には、市が立ち入り検査を実施し、動物の移動状況や今後の計画について詳細な確認を行いました。運営会社は640匹の動物の移動計画を提出しましたが、市は「移動先やスケジュールが書かれていないため、計画書としては不十分」と評価しているようです。

おすすめできる方・できない方

おすすめしたい方

動物との特別な体験を重視し、多少の環境面の問題には目をつぶれる方には、ノースサファリサッポロは貴重な体験ができる施設と言えるでしょう。特に、通常の動物園では不可能な至近距離での動物との触れ合いを求める方や、子どもに特別な思い出を作ってあげたい家族連れには、他では得られない体験を提供してくれる可能性があります。

また、コストパフォーマンスを重視する方にとっても、追加料金で様々な体験ができるシステムは魅力的かもしれません。

おすすめできない方

一方で、動物の福祉や飼育環境を重視する方には、現在のノースサファリサッポロはおすすめできません。動物愛護の観点から施設を評価する方や、清潔で整備された環境を求める方にとっては、満足度の低い体験となる可能性が高いでしょう。

また、安全管理を重視する方、特に小さな子どもを連れた家族にとっては、監視体制の不備や施設の管理状況を考慮すると、リスクが高い選択となるかもしれません。

旅行業界専門家としての独自考察

トラベルライターとして多くの観光施設を取材してきた経験から、ノースサファリサッポロの問題は現代の観光業界が直面する複合的な課題を象徴していると考えています。

第一に、体験型観光の光と影の問題があります。近年、従来の「見る」だけの観光から「体験する」観光へのシフトが進んでいますが、ノースサファリサッポロはその極端な例と言えるでしょう。動物との至近距離での触れ合いという他では得られない体験を提供する一方で、それが動物の福祉や安全管理とのバランスを欠いた結果となっているようです。

第二に、地方観光施設の経営難と規制遵守のジレンマが浮き彫りになっています。北海道という観光地において、差別化された体験を提供しようとする施設の努力は理解できますが、それが法令違反や動物の福祉軽視につながってしまったのは残念な結果です。

第三に、SNS時代における評判管理の重要性が改めて確認されました。従来であれば地域限定の問題として処理されていた可能性のある事案が、SNSを通じて全国的な注目を集め、最終的に閉園という結果に至ったのは、現代の情報社会の特徴を如実に表しています。

しかし、この問題を単純に批判するだけでは建設的ではありません。ノースサファリサッポロが提供していた「動物との特別な体験」自体は、多くの来園者にとって価値のあるものだったことも事実です。問題は、その体験を提供する方法と環境にあったのです。

今後の観光業界にとって重要なのは、体験の特別性と動物の福祉、法令遵守を両立させる新しいモデルの構築だと考えています。技術の進歩により、VRやARを活用した疑似体験や、より動物に負担をかけない形での触れ合い体験など、様々な可能性が考えられます。

また、行政と事業者の連携強化も不可欠です。札幌市が「及び腰だった」と認めているように、問題の早期発見と適切な指導により、今回のような深刻な事態は避けられた可能性があります。

最終的に、ノースサファリサッポロの問題は、観光業界全体にとって貴重な教訓となるでしょう。体験型観光の発展と持続可能性の両立、動物の福祉と観光体験の調和、そして適切な規制と事業の自由度のバランスなど、多くの課題について考える機会を提供してくれたと言えます。

2025年9月の閉園は一つの区切りですが、この施設が提供していた価値ある体験を、より適切な形で継承していく方法を業界全体で模索していくことが、今後の健全な観光業界の発展につながるのではないでしょうか。