「ユナイテッド航空 やばい」とネットでよく検索されている理由はなぜ? HOTTELの記者がわかりやすく簡単に解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。

今回は、多くの日本人旅行者から寄せられる質問の一つ、「ユナイテッド航空が”やばい”とネットで噂されているのはなぜ?」という疑問について、徹底的にリサーチし、その真実に迫ってみたいと思います。

結論:ユナイテッド航空の評判は改善傾向にある

結論から申し上げますと、ユナイテッド航空が「やばい」と言われる背景には確かに複数の要因が存在しているようですが、近年は着実にサービス改善に取り組んでおり、実際の利用者からは肯定的な評価も多数見受けられるようになっています。

過去の問題点は確実に存在していたものの、現在では多くの課題が解決され、特に日本とアメリカを結ぶ路線においては、他の大手航空会社と遜色ないレベルのサービスを提供していると評価できるのが現状のようです。

なぜ「やばい」と言われるようになったのか

2017年のデビッド・ダオ事件の深刻な影響

ユナイテッド航空の評判に最も大きな打撃を与えたのは、2017年に発生したデビッド・ダオ医師の強制的な機内からの排除事件だと言われています。この事件では、オーバーブッキング(過剰予約)により座席を譲るよう求められた乗客が拒否した際、空港警察によって物理的に機内から引きずり出され、その過程で脳震盪や鼻骨折、歯の欠損などの重傷を負ったとされています。

この一連の出来事がSNSで瞬く間に拡散されたことで、ユナイテッド航空に対する世界的な批判が巻き起こったのです。特に問題視されたのは、当時のオスカー・ムニョス最高経営責任者の初期対応で、ダオ医師に対する直接的な謝罪を行わず、むしろ乗客側にも問題があったかのような発言をしたことが、さらなる炎上を招いたようです。

ハリス社の世論調査によると、この事件によってユナイテッド航空に対して「悪い」または「非常に悪い」印象を持つ消費者の割合が、2016年の7%から事件後の42%まで急激に上昇したと報告されています。

カスタマーサービスの一貫性の欠如

多くの利用者から指摘されているのが、カスタマーサービスの品質にばらつきがあることのようです。特に問題となっているのは、顧客サービス担当者からの情報に一貫性がなく、後になって約束された内容が履行されないケースが散見されることだと言われています。

例えば、フライトキャンセルの際に発行されたクレジットの使用について、最初は「利用可能」と案内されたにもかかわらず、実際に使用しようとすると「利用できない」と言われるような事例が報告されているようです。このような情報の食い違いは、顧客の信頼を大きく損なう要因となっていると考えられます。

フライト遅延・欠航への対応の課題

フライトの定時運航率については、FlightStatsによるとユナイテッド航空の定時運航率は90%程度とされており、これ自体は業界標準レベルなのですが、問題は遅延や欠航が発生した際の対応にあるようです。

特に批判されているのは、フライトがキャンセルされた際の乗客への対応オプションに関する情報提供が不十分であることです。多くの利用者が、代替便の手配や宿泊施設の提供について適切な案内を受けられなかったという体験を報告しており、これが「やばい」という評判に繋がっている一因と考えられます。

手荷物取り扱いに関する問題

国際線を利用する日本人旅行者にとって特に重要な手荷物の取り扱いについても、いくつかの課題が指摘されているようです。遅延、紛失、破損などの手荷物トラブルが発生した際の補償手続きが複雑で、適切な対応を受けるまでに時間がかかるケースが報告されています。

ただし、モントリオール条約の2024年10月のアップデートにより、国際線での手荷物補償限度額が従来の1,760ドルから2,080ドルに引き上げられ、国内線では最大4,700ドルまでの補償が受けられるようになったことは、利用者にとってのメリットと言えるでしょう。

機内設備・サービスの老朽化

一部の利用者からは、ユナイテッド航空の機材が他社と比較して老朽化しているという指摘もあるようです。特に、エンターテイメントシステムが搭載されていない機材や、電源コンセントの故障、座席の快適性の問題などが挙げられています。

しかし、これらの問題については、ユナイテッド航空も認識しており、機材のアップグレードプログラムを積極的に推進していることから、今後改善が期待される分野と考えられます。

ユナイテッド航空の良い点とメリット

スターアライアンスネットワークの利点

ユナイテッド航空の最大のメリットの一つは、世界最大級の航空連合であるスターアライアンスの中核メンバーであることです。これにより、日本人旅行者にとって馴染み深いANA(全日本空輸)をはじめ、シンガポール航空、ニュージーランド航空、ルフトハンザドイツ航空など、世界トップクラスの航空会社との連携により、世界中への便利なアクセスが可能となっています。

このネットワークの利点により、マイレージプログラム「MileagePlus」で獲得したマイルを他の加盟航空会社での特典航空券に交換できることや、上級会員資格の相互認定によるラウンジアクセスなど、頻繁に海外旅行をする日本人にとって非常に価値の高いサービスを提供しているのです。

ハブ空港での利便性

ユナイテッド航空は、シカゴ・オヘア国際空港、デンバー国際空港、サンフランシスコ国際空港、ヒューストン・インターコンチネンタル空港などの主要ハブ空港を有しており、これらの空港から全米各地への豊富な路線網を展開していることもおすすめポイントです。

特に日本からの利用者にとっては、成田・羽田空港から直行便でアクセスできるサンフランシスコやロサンゼルス、シカゴなどのハブ空港から、アメリカ国内の地方都市への乗り継ぎが非常にスムーズに行える点は大きな利点と言えるでしょう。

近年の顧客満足度向上への取り組み

実際の利用者の声を見ると、近年のユナイテッド航空のサービス改善に対する評価は決して低くないことがわかります。特にサンフランシスコ国際空港をベースとする利用者からは、「2年以上にわたって例外的な経験を提供してくれている」といった肯定的なコメントが寄せられています。

また、メカニカルトラブルによるフライトキャンセルが発生した際の対応についても、「スタッフが冷静かつプロフェッショナルで、代替便の手配やホテルの予約サポートなど、適切な対応を受けることができた」という評価も確認できます。

コンチネンタル航空との統合効果

2010年にコンチネンタル航空との統合を完了したユナイテッド航空は、両社の強みを活かしたサービス提供が可能となっています。特にニューアーク・リバティー国際空港をハブとするコンチネンタル航空の路線網を引き継いだことで、東海岸からヨーロッパへのアクセスが格段に向上し、日本人旅行者にとっても利便性が高まったと評価されています。

悪い点とデメリット

料金体系の複雑さ

ユナイテッド航空のデメリットとして挙げられるのが、料金体系の複雑さです。ベーシックエコノミー、エコノミー、エコノミープラス、ビジネスクラス、ファーストクラスなど多岐にわたる料金クラスが設定されており、それぞれに異なる制限やサービス内容が適用されるため、初心者には理解が困難な場合があります。

特に、最も安価なベーシックエコノミークラスでは、座席指定、手荷物の追加、変更・キャンセルなどに厳しい制限が設けられており、これらの制限を十分に理解せずに予約した場合、後でトラブルになる可能性があることは欠点として認識しておく必要があるでしょう。

アップグレードポリシーの厳格性

ユナイテッド航空では、上級クラスへのアップグレードに関するポリシーが他社と比較して厳格であることも、一部の利用者から批判されているポイントです。ビジネスクラスに空きがあっても、有償でのアップグレードを断られるケースや、マイレージプログラムの上級会員であってもアップグレードの機会が限定的であることが指摘されています。

これは、特に長距離国際線を利用する際の快適性を重視する日本人旅行者にとって、不満を感じる要因となる可能性があります。

機内食サービスの評価

国際線の機内食サービスについても、他の競合航空会社と比較して質や量の面で劣っているという評価が一部で見られるようです。特に、アジア系の航空会社の機内食サービスに慣れた日本人旅行者にとっては、味付けや食材の選択において満足度が低い場合があることが報告されています。

ただし、これについては個人の嗜好による部分も大きく、全ての利用者に当てはまるわけではないことも付け加えておきます。

おすすめしたい方とおすすめできない方

おすすめしたい方

頻繁にアメリカ国内を旅行する方には、ユナイテッド航空は非常におすすめできる選択肢です。豊富な国内線ネットワークとハブ空港での効率的な乗り継ぎシステムにより、アメリカ全土への移動が便利に行えます。

スターアライアンス加盟航空会社の上級会員の方にとっても、相互認定によるベネフィットを活用できるため、利用価値が高いと言えるでしょう。

ビジネス出張でアメリカを頻繁に訪れる方には、MileagePlusプログラムの充実したベネフィットと、主要ビジネス都市への直行便・乗り継ぎ便の豊富さから、効率的な出張が可能になります。

おすすめしない方

初めてのアメリカ旅行で不安を感じる方には、カスタマーサービスの品質にばらつきがあることから、より手厚いサポートを提供する航空会社を選択することをおすすめします。

機内食やエンターテイメントなどの機内サービスを重視する方は、アジア系航空会社やヨーロッパ系航空会社の方が満足度が高い可能性があります。

厳格な時間管理が必要な重要な出張の方には、遅延やキャンセル時の対応に不安があるため、他の選択肢も検討することをおすすめしません。

トラベルライター”TAKA”の独自考察

長年にわたって世界各地の航空会社を利用してきた経験から申し上げますと、ユナイテッド航空に対する「やばい」という評判は、2017年の事件による印象が強く残っているものの、実際の現在のサービス品質とは乖離がある部分も多いと感じています。

確かに過去には深刻な問題があったことは事実ですが、その後の改善努力は着実に成果を上げており、特に日本〜アメリカ間の路線においては、他の大手航空会社と比較しても遜色ないサービスレベルに達していると評価できます。

インターネット上の評判や口コミは、往々にして極端な意見が目立ちやすく、満足した利用者の声よりも不満を持った利用者の声の方が5倍多く投稿される傾向があることも考慮する必要があるでしょう。

私自身の経験では、ユナイテッド航空のフライトアテンダントやグランドスタッフの多くは、プロフェッショナルで親切な対応を心がけており、特に国際線では多様な文化的背景を持つ乗客への配慮も十分になされていると感じています。

また、航空業界全体として、COVID-19パンデミック後の運航正常化過程において、全ての航空会社が様々な課題に直面していることも事実です。その中で、ユナイテッド航空は比較的早期に運航体制を立て直し、安定したサービス提供を再開していることは評価に値するでしょう。

今後、日本人旅行者がユナイテッド航空を利用する際には、過去の評判にとらわれることなく、現在のサービス内容を正確に理解した上で判断することが重要です。特に、スターアライアンスネットワークの活用や、アメリカ国内での移動の利便性を重視する場合には、非常に価値のある選択肢となることは間違いありません。

最終的に、航空会社選択の際には、個々の旅行目的や優先事項に応じて、総合的に判断することが最も重要であることを、旅行の専門家として強調しておきたいと思います。ユナイテッド航空は確実に改善の道を歩んでおり、多くの日本人旅行者にとって信頼できる選択肢の一つとして推奨できる航空会社へと変貌を遂げているのです。