「トリップドットコム(Trip.com)」とは? メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめ、わかりやすく解説します。

今回のテーマは、航空券やホテル予約で「とにかく安い!」と話題のオンライン旅行予約サイト「トリップドットコム(Trip.com)」についてです。ネット上では「やばい」「怪しい」という声がある一方で、「高確率で最安値が見つかる」「サポートが丁寧だった」という好意的な評価も多く見られます。果たしてトリップドットコムは安心して使えるサービスなのでしょうか?なぜこれほど安い価格を実現できているのでしょうか?

本記事では、私TAKAがネット上の膨大な口コミや評判を徹底リサーチし、トリップドットコムのメリット・デメリット、安さの秘密、そしておすすめできる方・おすすめできない方まで、独自の視点から詳しく解説していきます。これから海外旅行や国内旅行を計画している皆さまの参考になれば幸いです。

結論:トリップドットコムは世界規模の信頼できるOTAである

まず結論から申し上げますと、トリップドットコムは世界中で利用されている信頼性の高いオンライン旅行予約サイト(OTA)であると言えます。一部でネガティブな評判があるものの、それは海外OTA全般に共通する特性であり、トリップドットコム固有の問題ではないようです。

トリップドットコムの母体であるTrip.com Group(トリップドットコム・グループ)は、1999年に中国・上海で設立された世界最大級のOTAの一つです。2003年には米国NASDAQ市場に上場しており、東証上場企業と同等以上の情報開示義務を負っています。現在は登記上の本店をケイマン諸島に置き、香港証券取引所にも上場(SEHK: 9961)しているグローバル企業です。

特筆すべきは、航空券比較サイトの世界的リーダーであるスカイスキャナー(Skyscanner)を2016年に買収し、同グループの傘下に収めていることです。つまり、航空券の比較検索で多くの方が利用しているスカイスキャナーとトリップドットコムは「親戚関係」にあるわけです。この事実一つとっても、同社がいかに旅行業界で大きな存在感を持っているかがお分かりいただけるでしょう。

トリップドットコムのサービス概要:何ができるのか?

トリップドットコムは、39か国・24言語に対応したワンストップの旅行予約プラットフォームです。日本語サービスも充実しており、日本国内にカスタマーサポートセンターを設置しています。

予約できる主なサービス

トリップドットコムでは、旅行に必要なほぼすべてのサービスをワンストップで予約できます。

航空券予約では、世界3,400以上の空港を発着する600社以上の航空会社のフライトを検索・予約可能です。国内LCCから海外の格安航空券まで幅広く取り扱っており、ANA・JALなどの日系航空会社はもちろん、スターアライアンスやワンワールドなど主要アライアンスの航空会社と提携しています。

ホテル予約については、世界220か国・地域にある120万軒以上のホテルから格安の宿泊施設を検索できます。高級ホテルからビジネスホテル、ゲストハウスまで多様な選択肢があり、宿泊者によるクチコミ評価も充実しているため、選択の参考になります。

列車・鉄道予約も可能で、日本(JR新幹線・特急)のほか、中国高速鉄道、韓国鉄道(KTX)、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアなどヨーロッパ各国の鉄道チケットをオンラインで予約できます。特に中国鉄道に関しては、公式の中国鉄道センターと接続しているため、最新の空席情報や時刻表が確認できます。

空港送迎サービスは2019年から提供を開始しており、世界各国の空港と目的地間を車で移動できるサービスです。運転手と直接連絡が取れ、名前入りの「お名前ボード」で出迎えてもらえるため、初めての土地でも安心です。運転手の待ち時間は搭乗便到着から60分間無料で、乗車予定時刻の24時間前まではキャンセルも無料となっています。

レンタカー予約も取り扱っており、世界各国の空港や都市、駅でレンタカーを借りることができます。予約後の変更やキャンセルも一部を除き原則無料となっているようです。

現地ツアー・チケット予約では、観光スポットの入場券やオプショナルツアー、体験プログラムなどの予約も可能です。

さらに2024年10月からは、ライブ・コンサートチケットの販売も開始しています。韓国の人気グループSEVENTEENの日本公演チケットを旅行会社として独占的に取り扱い、大きな話題となりました。

トリップドットコムはなぜ安い?5つの理由を徹底解説

「トリップドットコムって、どうしてこんなに安いの?」という疑問は、多くの方が抱くところでしょう。私TAKAが調査した結果、安さの秘密は以下の5つの理由にあるようです。

理由1:世界規模の大量仕入れによるボリュームディスカウント

トリップドットコムは世界4億人以上の会員を擁するグローバルOTAです。これだけの規模で航空会社やホテルと取引するため、一般の旅行代理店とは比較にならないほどの交渉力を持っています。

ホテルや航空会社としても、一度に多くの部屋や座席を確保してくれる業者には、特別価格を提示するインセンティブがあります。いわゆる「ボリュームディスカウント」と呼ばれる仕組みで、1つあたりの仕入れ価格を大幅に下げることができるのです。

理由2:オンライン専業による運営コストの削減

トリップドットコムは実店舗を持たないオンライン専業のOTAです。JTBやHISのような店舗型の旅行代理店と異なり、店舗の家賃や対面接客スタッフの人件費がかかりません。

その分、サービス提供にかかる費用を最低限に抑えることができ、その削減分を利用者への価格還元に回しているようです。また、カスタマーサポートもAIチャットボットやメール対応などを効率的に活用することで、人件費を抑えながらも24時間365日のサポート体制を実現しています。

理由3:手数料を削って利用者に還元

これは少し専門的な話になりますが、OTAのビジネスモデルには大きく分けて「エージェンシーモデル」と「マーチャントモデル」の2種類があります。

エージェンシーモデルでは、予約が成立するとホテル側から手数料(コミッション)を受け取ります。トリップドットコムはこの手数料の一部を削ることで、利用者にとってより安い価格を提示している場合があるようです。

つまり、本来ホテルが設定した価格から自分たちの利益である手数料の一部を削り、その分だけ安く見えるプランを出すことができるというわけです。競争の激しい人気ホテルや繁忙期には、こうした手法で価格競争力を高めている可能性があります。

理由4:頻繁なクーポン配布とセールの実施

トリップドットコムでは、ほぼ毎週のようにセールやキャンペーンが実施されています。アプリ限定のクーポン、新規会員向けの割引、メール会員向けのシークレットセールなど、様々な割引施策が用意されているようです。

例えば、毎月25日は「海外航空券タイムセール」、毎月27日は「会員限定割引」といった定期的なセールがあります。また、火曜日には最大3,500円OFFのクーポンが配布されることもあるようです。

2024年11月には「夢旅祭 11.11 MEGA SALE」と題して、国内および韓国・タイの人気ホテルを1泊1,111円で提供したり、海外航空券を1枚購入するともう1枚無料になる特典を用意したりと、破格のセールも開催されました。

こうしたセールやクーポンをうまく活用することで、表示価格からさらに大幅な割引を受けられるケースも少なくありません。

理由5:アジア圏での強力なネットワーク

トリップドットコムのルーツは中国のOTA「シートリップ(Ctrip)」にあります。中国最大手のオンライン旅行会社として、アジア圏に強力なネットワークを持っています。

特に中国・韓国・台湾・東南アジアといったアジア地域のホテルや航空券については、現地パートナーやローカルな宿泊業者との提携が充実しており、他の予約サイトにはない在庫や料金プランを仕入れられることがあるようです。

韓国旅行を計画している方がトリップドットコムで検索すると、驚くほど安いホテルや航空券が見つかることがあるのは、こうしたアジア圏での強みが反映されているためと言えるでしょう。

良い点・メリット:トリップドットコムをおすすめできる理由

ネット上の口コミやユーザーの体験談から見えてきた、トリップドットコムの良い点やメリットについて詳しく解説します。

メリット1:圧倒的な価格の安さ

やはり最大のメリットは価格の安さでしょう。同じホテル、同じ日程で検索しても、楽天トラベルやじゃらんなど国内OTAと比較して約30%安く予約できたという声もあります。

「3日間のホテル宿泊予約でトータル4,400円ほど安くなった」「1泊あたり日本円にして3,000円ほど安くなっていたケースもあり、驚くほど安い」といった具体的な体験談が多く見られます。

特に平日の料金設定は他社を大きく下回っていることが多く、予算を抑えたい旅行者には非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

メリット2:24時間対応の日本語カスタマーサポート

トリップドットコムの大きな利点として、24時間年中無休の日本語カスタマーサポートがあります。東京にカスタマーサポートセンターを設置しており、日本人スタッフによる対応も受けられるようです。

「電話問い合わせの女性スタッフが丁寧すぎた」「ホテル側のミスだったにも関わらず、しっかり対応してもらい、個人的な評価は上がった」といった声も見られます。

問い合わせ方法は電話・チャット・メールの3種類から選べます。電話は国内からフリーダイヤル(0120-925-780)で24時間対応しており、急いでいる時にはすぐにつながるのが心強いです。

海外にいる時でも国際電話番号(+81-3-6890-8596)で連絡できるため、旅行中のトラブルにも対応可能です。

メリット3:充実した会員プログラム「TripRewards」

トリップドットコムには「TripRewards」という会員プログラムがあり、利用すればするほどお得になる仕組みが整っています。

会員ランクはシルバー → ゴールド → プラチナ → ダイヤモンドの4段階で、ランクに応じて割引率やポイント付与率が上がります。

  • シルバー会員:無料会員登録だけで最大5%宿泊割引
  • ゴールド会員:1回でも予約すれば最大10%宿泊割引、Trip Coins付与率10%アップ
  • プラチナ会員:約1,000米ドル以上の利用で最大15%宿泊割引、Trip Coins付与率30%アップ、空港VIPラウンジ無料パス1回分
  • ダイヤモンド会員:約2,000米ドル以上の利用で最大20%宿泊割引、Trip Coins付与率40%アップ

特筆すべきは、ステータス昇格のハードルが比較的低いことです。数回の利用でプラチナ会員になれたという声もあり、他のホテル予約サイトよりもポイントが貯まりやすいようです。

「Trip Coins」は1コイン=1円分として使えるポイントで、次回以降の予約で割引に利用できます。

メリット4:多彩な決済方法

2024年11月からPayPay決済にも対応し、決済方法の選択肢がさらに広がりました。

現在利用可能な決済方法は以下の通りです。

  • クレジットカード:VISA、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club
  • デビットカード:VISA、MasterCard、JCB(一部利用不可の場合あり)
  • 電子決済:PayPay、LINE Pay、Apple Pay、Union Pay、WeChat Pay、PayPal
  • その他:Trip Coins、ギフトカード、クーポン

PayPayでは2024年11月から1回の決済上限額が50万円から100万円に引き上げられており、「PayPayクレジット」では100万円を超える決済も可能になっています。

メリット5:AIトラベルアシスタント「TripGenie」

トリップドットコムはAI技術への投資にも積極的です。2023年2月にリリースされたAIトラベルアシスタント「TripGenie(トリップジーニー)」は、2024年度のグッドデザイン賞を受賞しました。

TripGenieの主な機能は以下の通りです。

  • リアルタイム翻訳機能:日本語、英語、中国語、韓国語など14言語以上に対応。レストランでの注文や道案内など、海外旅行中のコミュニケーションをサポート
  • メニューアシスタント機能:現地のメニューを即時翻訳し、アレルギー対応など食の好みに合わせた提案が可能
  • 旅程作成・編集・共有機能:希望をもとにオリジナルの旅行プランを自動作成し、友人と共有可能
  • レコメンド機能:現在地や行動パターンに応じて、最適な観光スポットやカフェを提案

グッドデザイン賞の審査委員からは「AIを活用した総合的な旅行サービスであり、スムーズな操作性で実現している点が評価された」とコメントされています。

メリット6:アプリの使いやすさ

トリップドットコムのスマートフォンアプリは、直感的な操作性が評価されています。ホテルや観光スポットを地図上で検索できる機能や、過去の予約履歴を簡単に参照できる機能など、利用者目線のきめ細やかな工夫が凝らされているようです。

アプリ限定の割引特典もあり、次回予約で使えるTrip Coinsの付与率が30%アップするなど、アプリ利用者だけのメリットも用意されています。

悪い点・デメリット:知っておくべき注意点

良い点がある一方で、トリップドットコムにはいくつかの悪い点やデメリットもあります。利用前に知っておくべき注意点を正直にお伝えします。

デメリット1:表示価格と最終価格が異なることがある

トリップドットコムでは、検索結果に表示された金額と、予約完了時の金額が異なる場合があります。これは税金やサービス料が後から加算される仕組みになっているためです。

「1泊8,000円」と表示されていたホテルが、予約画面に進むと「合計9,500円」になっていた…というケースがあるようです。この差額に驚いて「詐欺だ!」と感じてしまう方もいらっしゃるようですが、明細を確認すればしっかり内訳が表示されているため、注意深く確認すれば問題を回避できます。

TAKAのアドバイス:予約前に必ず「合計金額」「内訳」を確認する習慣をつけましょう。決済前に総額が表示されるので、そこで納得してから予約ボタンを押すようにしてください。

デメリット2:ダイナミックプライシングによる価格変動

トリップドットコムでは「ダイナミックプライシング(変動価格制)」が導入されており、ユーザーの検索状況やアクセス地域、タイミングによって料金が変動することがあります。

同じホテルを同じ日に検索しても、利用者の端末やログイン状況によって表示価格が異なることがあるため、「不公平だ」「おかしい」と感じる方もいらっしゃるようです。

ただし、これはトリップドットコムだけでなく、航空会社やホテル予約サイト全般で採用されている一般的な価格戦略です。需要と供給をリアルタイムで分析し、価格を自動調整することで効率的な販売を行っています。

TAKAのアドバイス:シークレットモード(プライベートブラウズ)で検索したり、別の端末で比較したりすることで、より安い価格を見つけられることがあります。「価格アラート機能」を活用して、希望価格に達した時点で通知を受け取るのもおすすめです。

デメリット3:キャンセル・返金に関するトラブル

海外OTA全般に共通する問題として、キャンセルや返金に関するトラブルが報告されています。トリップドットコムも例外ではありません。

特に注意すべきは以下の点です。

  • 「払戻不可」プランのキャンセル:格安プランほどキャンセル不可、返金不可の条件が付いていることが多い
  • 返金処理に時間がかかる場合がある:クレジットカードへの返金は通常3〜10営業日ほど、航空券の場合はさらに時間がかかることも
  • キャンセル料の確認不足:予約時にキャンセルポリシーを確認せずに予約し、後でトラブルになるケース

「1秒前に予約したばかりでもキャンセル料がかかる」「子どもが勝手に操作して予約してしまったが返金されない」といった声もありますが、これは予約時に同意したキャンセルポリシーに基づく対応であり、トリップドットコム側に非があるわけではないようです。

TAKAのアドバイス予約前に必ずキャンセルポリシーを確認してください。「キャンセル無料」の期間が設定されているプランを選ぶのが安心です。また、予約完了後はすぐにキャンセル条件をスクリーンショットで保存しておくことをおすすめします。

デメリット4:過去の「空売り問題」

2018年12月、トリップドットコムのサイト上で「空売り問題」が発覚しました。存在しない部屋や既に満室の部屋が販売されていたとして、観光庁から注意喚起が出される事態となりました。

この問題の原因は、トリップドットコムと取引していた一部の悪質な仲介業者にあったとされています。当時採用していた「リクエスト予約(オンリクエスト)」という予約方式において、予約確定連絡が来たにもかかわらず、実際には宿泊施設からの予約確認が取れていないケースが403件あったことが判明しました。

トリップドットコムは問題発覚後すぐに対応し、以下の措置を取りました:

  • 疑惑のある10社との取引停止
  • 該当予約者への全額返金または代替手配
  • 日本国内でのリクエスト予約サービスの終了
  • 価格管理システムの改善
  • 販売事業者の厳格な管理体制の構築

この問題は6年以上前のことであり、現在は再発防止策が講じられているようですが、一部では未だにこの件を理由に「トリップドットコムは危険」とする声があることも事実です。

デメリット5:サポート対応の品質にばらつきがある

24時間対応のカスタマーサポートは大きなメリットですが、対応するオペレーターによって品質にばらつきがあるという声もあります。

「丁寧で親切だった」という声がある一方で、「なかなかつながらない」「返信が遅い」という不満の声も見られます。

ただし、これは大規模なコールセンターを抱えるどの企業にも共通する課題であり、トリップドットコムだけの問題ではないでしょう。

TAKAのアドバイス:急いでいる場合は電話サポートがおすすめです。チャットは回答が早いので、まず最初に試してみるのも良いでしょう。

デメリット6:一部情報の正確性に欠けることがある

「ホテル情報が実際と少し異なる場合がある」「写真や説明が簡略的で不安になることもあった」という声も見られます。

世界120万軒以上のホテル情報を管理しているため、すべての情報を常に最新に保つのは難しい面もあるようです。

TAKAのアドバイス:予約前にホテルの公式サイトやGoogleマップ、トリップアドバイザーなど複数の情報源で確認することをおすすめします。

おすすめしたい方・おすすめできない方

ここまでメリット・デメリットを見てきましたが、結局のところトリップドットコムはどんな人に向いているのでしょうか?私TAKAの分析をお伝えします。

トリップドットコムをおすすめしたい方

1. とにかく旅行費用を安く抑えたい方 価格を最優先に考える方にとって、トリップドットコムは強力な味方です。同じホテル・航空券でも他サイトより安いケースが多く、クーポンやセールを活用すればさらにお得になります。

2. 海外旅行に慣れている方 ある程度のトラブルを自己解決できる方、英語やチャットでのコミュニケーションに抵抗がない方には特におすすめです。

3. 中国・韓国・台湾・東南アジアへ旅行する方 アジア圏に強いトリップドットコムは、これらの地域のホテルや航空券で特にお得なプランを見つけられることが多いようです。

4. 頻繁に旅行に行く方 会員プログラム「TripRewards」のステータスが上がりやすく、Trip Coinsも貯まりやすいため、旅行頻度が高い方ほどメリットを享受できます。

5. キャンセルポリシーを確認する習慣がある方 予約前に条件をしっかり確認できる方なら、トラブルに巻き込まれる可能性は低くなります。

6. アプリを活用したスマートな旅行を好む方 AIアシスタント「TripGenie」や価格アラート機能など、最新のテクノロジーを活用した旅行体験を求める方にもおすすめです。

トリップドットコムをおすすめできない方

1. 手厚いサポートを求める方 対面での相談や、きめ細やかなサポートを重視する方には、店舗を持つ国内旅行代理店のほうが向いているかもしれません。

2. 旅行初心者の方 海外OTAの仕組みに不慣れな方は、まずは国内OTA(楽天トラベル、じゃらんなど)から始めるのが無難でしょう。

3. キャンセルや変更が多い方 予定が変わりやすい方は、キャンセル無料期間が長いプランを選ぶか、変更・キャンセルに柔軟な国内OTAを検討してください。

4. 日本語以外でのやり取りに抵抗がある方 チャットサポートの一部は日本語が流暢でないオペレーターが対応することもあるため、言葉の壁にストレスを感じる方は注意が必要です。

Q&A:よくある質問と回答

トリップドットコムについてよく寄せられる疑問に、トラベルライターTAKAがお答えします。

Q1. トリップドットコムは中国の会社?安心して使えるの?

A. トリップドットコムを運営するTrip.com Groupは、1999年に中国・上海で設立されたオンライン旅行会社です。現在は登記上の本店をケイマン諸島に置き、米国NASDAQ市場と香港証券取引所に上場しているグローバル企業です。

「中国の会社だから怪しい」という声もありますが、上場企業として厳格な情報開示義務を負っており、世界中で数億人のユーザーに利用されています。日本にもカスタマーサポートセンターを設置しており、日本人スタッフによる対応も受けられます。

Q2. 本当に安いの?最安値が保証されている?

A. 「高確率で最安値が見つかる」という声は多いですが、常に最安値というわけではありません。ホテルや航空券によっては、Booking.comやAgoda、Expediaのほうが安い場合もあります。

また、トリップドットコムには以前「最低価格保証」制度がありましたが、現在の詳細な条件については公式サイトで確認することをおすすめします。いずれにしても、複数のサイトを比較してから予約するのが賢明です。

Q3. キャンセル料は無料?返金はされる?

A. キャンセル料の有無は予約するプランによって異なります。「キャンセル無料」のプランを選べば、期間内であれば全額返金されます。一方、「払戻不可」や「キャンセル料〇〇円」と記載されているプランは、その条件に従った対応となります。

返金処理は、クレジットカードの場合は通常3〜10営業日ほどで完了するようですが、航空券の場合はさらに時間がかかることがあります。

Q4. 電話サポートは本当につながる?

A. 航空券・ホテルに関する問い合わせは24時間年中無休で対応しています。国内からはフリーダイヤル(0120-925-780)で無料通話が可能です。

電話がつながりにくいという声もありますが、混雑する時間帯を避けるか、チャットサポートを併用することで解決できることが多いようです。

Q5. 航空券を予約したけど、発券されているか不安…

A. 予約完了後、Trip.comから「お支払い完了」のメールが届きます。そこにチケット発券予定時刻が記載されています。また、Trip.comのホーム画面(アプリ・モバイルサイト)にログインし、予約詳細画面で発券状況を確認できます。

心配な場合は、予約番号を控えて航空会社のウェブサイトで直接確認することもできます。

Q6. ホテルに着いたら予約が入っていなかった場合は?

A. 2018年の「空売り問題」以降、このようなケースは大幅に減少しているようですが、万が一予約が入っていない場合は、すぐにトリップドットコムのカスタマーサポートに連絡してください。

予約確認メールや予約番号を提示し、状況を説明すれば、代替宿泊先の手配や返金などの対応を受けられるはずです。

Q7. クーポンやセールはどこで確認できる?

A. 最新のクーポン情報やセール情報は、トリップドットコムの公式サイトやアプリ内で確認できます。また、メール会員に登録しておくと、シークレットセールやお得なクーポン情報がメールで届くこともあるようです。

コラム:旅行業界で使われる隠語・用語を解説

旅行予約サイトを使っていると、見慣れない専門用語に出会うことがあります。ここでは、トラベルライターTAKAが旅行業界でよく使われる用語をわかりやすく解説します。

OTA(オーティーエー)

Online Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)」の略で、インターネット上のみで取引を行う旅行会社を指します。トリップドットコム、Booking.com、Expedia、楽天トラベル、じゃらんなどがOTAに該当します。

店舗を持つJTBやHISなどは「リアルエージェント」と呼ばれ、OTAとは区別されます。

メタサーチ

複数のOTAや航空会社の価格を横断して比較検索できるサービスを指します。スカイスキャナーやトリップアドバイザー、Trivago、Google Flightsなどが代表的です。

メタサーチ自体は予約を受け付けず、各OTAや航空会社のサイトに誘導する役割を担っています。

ダイナミックプライシング

需要と供給に応じてリアルタイムで価格を変動させる価格戦略です。人気のある日程や残席が少ない場合は価格が上がり、需要が低い時は価格が下がります。

航空会社やホテル、OTAでは一般的に採用されている仕組みで、同じ商品でも検索するタイミングによって価格が異なることがあります。

エージェンシーモデル / マーチャントモデル

OTAのビジネスモデルを指す用語です。

  • エージェンシーモデル:顧客がホテルに直接支払い、OTAはホテルから手数料を受け取る方式。国内OTAで一般的
  • マーチャントモデル:OTAがホテルから卸値で仕入れ、上乗せして販売する方式。顧客はOTAに支払う

トリップドットコムは両方のモデルを採用しているようです。

バウチャー

予約確認書のことです。ホテルのチェックイン時や、オプショナルツアーの参加時に提示が求められます。印刷して持参するか、スマートフォンで提示できるよう準備しておきましょう。

リクエスト予約(オンリクエスト)

即時に予約が確定せず、施設側からの回答を待つ形式の予約方式です。トリップドットコムでは2018年の「空売り問題」以降、日本国内でのリクエスト予約サービスを終了しています。

Trip Coins(トリップコイン)

トリップドットコム独自のポイントプログラムです。1コイン=1円分として、次回以降の予約で割引に利用できます。会員ランクが上がるほど付与率がアップします。

TripGenie(トリップジーニー)

トリップドットコムが提供するAIトラベルアシスタントです。旅程作成、リアルタイム翻訳、レストランメニューの解説など、旅行中のさまざまな場面をサポートします。

トラベルライターTAKAの考察:トリップドットコムの未来と日本市場

ここからは、長年旅行業界を見つめてきたトラベルライターTAKAの独自の視点から、トリップドットコムの今後と日本市場における位置づけについて考察します。

日本のOTA市場における存在感の高まり

日本のオンライン旅行予約市場は、長らく楽天トラベルじゃらんの2強体制が続いてきました。しかし近年、海外OTAの存在感が急速に高まっています。

トリップドットコムは特にインバウンド(訪日外国人)とアウトバウンド(日本人の海外旅行)の両面で強みを発揮しています。訪日中国人の約半数がTrip.comグループの何らかのサービスを利用していると言われており、インバウンド市場での影響力は絶大です。

一方、日本人ユーザーに対しても、「安さ」という最大の武器を背景に着実にシェアを拡大しているように見えます。特に若い世代や、海外旅行に慣れた旅行者の間では、すでにファーストチョイスの一つとして認知されているのではないでしょうか。

AIとテクノロジーへの積極投資

トリップドットコムが他のOTAと差別化を図っているのが、AI技術への積極的な投資です。

2023年にリリースされた「TripGenie」は、単なるチャットボットから進化を続け、旅行計画から現地でのサポートまで一貫してサポートするAIアシスタントへと成長しています。リアルタイム翻訳機能の追加により、言語の壁を越えた旅行体験が可能になりつつあります。

2024年度グッドデザイン賞の受賞は、こうした取り組みが日本でも高く評価されていることの証左でしょう。

今後、生成AIの発展とともに、「対話しながら旅行を計画し、予約し、現地でもサポートを受ける」という新しい旅行体験がスタンダードになっていく可能性があります。その最前線にトリップドットコムがいることは間違いありません。

ライブ・エンターテインメント市場への参入

2024年のSEVENTEEN日本公演チケット販売は、トリップドットコムの新たな戦略を示す出来事でした。

従来、旅行予約とライブチケット販売は別々の市場でしたが、トリップドットコムはこれを融合させようとしています。コンサートに行くために航空券とホテルを予約し、ライブチケットも同じアプリで購入できる…という一気通貫のサービスは、ファンにとって非常に便利なはずです。

K-POP人気の高まりとともに、韓国アーティストのライブ目的で渡韓する日本人ファンは増加の一途をたどっています。こうした「ミュージックツーリズム」市場において、韓国に強いトリップドットコムが存在感を発揮するのは自然な流れと言えるでしょう。

課題と今後の展望

一方で、課題も残されています。

ブランドイメージの改善は喫緊の課題でしょう。2018年の「空売り問題」は過去のことではありますが、ネット上には今でもこの件を理由に「トリップドットコムは危険」とする情報が残っています。こうしたネガティブな印象を払拭するためには、地道なサービス改善と信頼回復の取り組みが必要です。

また、日本人ユーザーへの訴求力強化も重要です。現状、トリップドットコムの強みは「安さ」に集約されがちですが、国内OTAに対抗するためには、日本人のニーズに合ったきめ細やかなサービスも求められるでしょう。

2025年2月には観光庁長官とTrip.com GroupのCEOが会談を行っており、日本市場への本気度がうかがえます。

最後に:トリップドットコムは「使い方次第」

私TAKAの結論として、トリップドットコムは「使い方次第で非常に魅力的な選択肢」であると考えます。

確かに、すべての人にお勧めできるサービスではありません。キャンセルポリシーの確認を怠ったり、サポート対応に過度な期待を抱いたりすると、不満を感じることもあるでしょう。

しかし、仕組みを理解した上で賢く活用すれば、他のサイトでは得られない圧倒的な安さを享受できます。特にアジア圏への旅行では、その価格メリットは顕著です。

旅行は本来、ワクワクする体験であるべきです。トリップドットコムをうまく活用して、お得に素敵な旅を楽しんでいただければ幸いです。

まとめ

トリップドットコム(Trip.com)は、世界4億人以上のユーザーを抱えるグローバルOTAです。米国NASDAQ市場に上場し、航空券比較サイト「スカイスキャナー」を傘下に持つTrip.com Groupが運営しています。

安さの秘密は、世界規模の大量仕入れ、オンライン専業による運営コスト削減、手数料の還元、頻繁なセール・クーポン、そしてアジア圏での強力なネットワークにあります。

メリットとしては、圧倒的な価格の安さ、24時間対応の日本語サポート、充実した会員プログラム、多彩な決済方法、AIアシスタント「TripGenie」などが挙げられます。

デメリットとしては、表示価格と最終価格の差、ダイナミックプライシングによる価格変動、キャンセル・返金トラブルの可能性、過去の「空売り問題」、サポート品質のばらつきなどがあります。

おすすめできる方は、価格重視の方、海外旅行慣れした方、アジア圏への旅行者、頻繁に旅行する方です。一方、おすすめできない方は、手厚いサポートを求める方、旅行初心者、キャンセルが多い方です。

トリップドットコムは「使い方次第」で非常に魅力的な選択肢となります。仕組みを理解し、キャンセルポリシーを確認する習慣をつけることで、お得で快適な旅行を実現してください。

皆さまの素敵な旅のお手伝いができれば幸いです。良い旅を!

公式サイトはこちら Trip.com 公式サイト