2026年3月にオープンする予定の「アパホテル〈高知〉」とは? メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」へようこそ。 「旅」に関する疑問の真相をネットの海から拾い上げ、独自の視点で解き明かすトラベルライターの TAKA です。

本日は、旅好き、そしてビジネスホテルマニアの間で密かに、しかし激しく囁かれている「2026年春の高知ホテル戦争」の主役、「アパホテル〈高知〉」について深掘りしていきます。

「えっ、高知にアパホテルって今までなかったの?」

そう思ったあなた、鋭い。実は高知県は、アパホテルにとって長年の「空白地帯」でした。しかし、ついにその沈黙が破られます。2026年3月、黒船のごとく高知へ上陸するこの巨大ホテルチェーン。ネット上の噂、公式サイトの断片的な情報、そして既存施設の評判を徹底的にリサーチし、私TAKAの知見を交えて、その全貌を予測・解説します。

1. 結論:アパホテル〈高知〉とは何者か?

まず、結論から申し上げます。 2026年3月にオープンする「アパホテル〈高知〉」は、完全な新築ホテルではありません。 これは、高知市内で長年親しまれてきた中堅ホテル「高知パレスホテル」のリブランド(改装・改称)案件です。

「なんだ、古いホテルの看板を変えただけか」

そう思った方、それは早計です。アパの「リブランド力」を侮ってはいけません。彼らは単に看板を変えるだけでなく、内装、ベッド、テレビ、そしてオペレーションシステムを「アパ仕様」に完全換装し、古いホテルを「最新鋭の宿泊マシーン」へと生まれ変わらせる達人だからです。

しかし、「ある決定的な設備」に関しては、皆さんが期待するアパホテルの標準スペックとは異なる可能性があります。ここが今回の記事の最大の読みどころであり、注意点です。

2. なぜ「今」高知なのか? 開業の背景と噂の真相

高知は「アパ空白県」だった

これまで高知県には「アパ パートナーホテルズ(提携ホテル)」は存在しましたが、アパグループ直営・フランチャイズの純粋な「アパホテル」は存在しませんでした。47都道府県制覇を目指すアパにとって、高知は最後に残された重要なピースの一つだったのです。

2026年春の「高知ホテル戦争」

実は2026年2月~3月にかけて、高知市内ではホテルの開業ラッシュが噂されています。業界最大手のライバル「東横INN」も同時期に高知市内で新規開業(高知大橋通りビル計画)を目指しているという情報があります。 アパホテル〈高知〉の開業は、まさにこのライバル勢力を迎え撃つための戦略的なタイミング。既存の好立地ホテル(高知パレスホテル)をフランチャイズ化することで、ゼロから建設する時間を短縮し、一気にシェアを奪いに来た。これが真相のようです。

3. 立地・アクセス:勝てる場所なのか?

場所: 高知県高知市廿代町(にじゅうだいちょう)1-18 アクセス: JR土讃線「高知駅」南口から徒歩約7分

TAKAの立地分析

この立地、ハッキリ言って「絶妙」です。 高知駅の南口を出て、路面電車が走る大通りを南下し、江ノ口川を渡ったあたり。繁華街の入り口に位置しています。

  • 高知駅(JR): 徒歩7分。荷物を持って歩けるギリギリの距離ですが、平坦な道なので苦にはなりません。
  • はりまや橋(中心部): 徒歩5〜6分。高知観光のへそと言える場所へのアクセスも良好。
  • ひろめ市場(飲み屋街): 徒歩10〜12分。酔っ払って歩いて帰るには最高の距離感です。タクシーに乗るほどではない、夜風が気持ちいい距離。
  • 日曜市(追手筋): 徒歩数分。高知名物の街路市へもすぐに行けます。

評価: 駅前のビジネス需要と、繁華街の観光需要の両取りを狙える「90点の立地」と言えます。特に、飲み歩きがメインの観光客にとっては、駅の真ん前よりもこの「廿代町」界隈の方が、ディープな高知を楽しめるでしょう。

4. 施設・客室の「真実」:リブランドの光と影

ここが最も重要なパートです。ネット上のプレスリリースや建築情報を統合すると、以下の仕様が見えてきます。

客室:最新の「新都市型ホテル」仕様へ

建物自体は既存の「高知パレスホテル(本館・禁煙館)」を使用しますが、内装はフルリノベーションされるようです。

  • ベッド: 全室にアパオリジナルベッド「Cloud fit(クラウドフィット)」が導入されるでしょう。これは「雲の上にいるような寝心地」を謳う柔らかめのベッド。好き嫌いは分かれますが、包み込まれるような感触は高級感があります。さらにベッド下には収納スペースが確保され、スーツケースを押し込めるようになるはずです。
  • テレビ: 50型以上の大型液晶テレビが壁掛けで設置されます。そして重要なのが「ミラーリング機能」。スマホのYouTubeやNetflixを大画面で映せる機能です。これがあるだけで、ホテルの滞在の質が劇的に上がります。
  • 照明: 枕元集中コントローラー(Good Sleep Switch)。部屋中の電気を寝ながら一発で消せるあれです。USBポート(Type-C含む)も完備されるでしょう。
  • 広さの懸念: 元の高知パレスホテルのシングルルームは約12平米。これは一般的なアパホテルの標準サイズ(11平米)とほぼ同じ。つまり、劇的に狭くなることはありませんが、広くもなりません。「寝るだけ」と割り切るスペックです。

最大の謎:大浴場はあるのか?

アパホテルといえば「大浴場(玄要の湯)」が売りです。しかし、私のリサーチによると、「アパホテル〈高知〉には、館内大浴場が設置されない可能性が高い」と推測します。

理由1: プレスリリースに「大浴場新設」の文字がない。 理由2: 既存の建物(高知パレスホテル)には大浴場がない。 理由3: 既存ホテルは近隣の「ホテル土佐御苑」の大浴場利用券付きプランを販売していた。

TAKAの予想: おそらく館内に大浴場を作るスペース的な余裕がありません。その代わり、これまで通り近隣のホテルや銭湯と提携するか、あるいは「部屋のユニットバスを卵型浴槽(通常の20%節水かつゆったり入れる形状)に入れ替える」ことでお茶を濁す可能性があります。 もしあなたが「絶対に大浴場がないとダメ」という派なら、ここは要注意ポイントです。ドーミーイン(高知にもあります)との決定的な差はここに出るでしょう。

5. 朝食・グルメ:既存の名店が残る?

ここには朗報があります。 改装前の高知パレスホテルには、「ビュッフェレストラン エズ(EZE)」という、地元でも評判の良いレストランが入っていました。 アパホテルのフランチャイズリブランドの場合、直営レストランではなく、既存のテナントがそのまま継続するケースが多くあります。

もし「エズ」がそのまま残るなら、これは「最強のアパ飯」になる可能性があります。 ネットの口コミでも「エズの朝食は野菜が美味しい」「カツオのタタキが出る」と高評価。アパ名物の「アパ社長カレー」と、高知の「カツオのタタキ」が夢の共演を果たすかもしれません。 (※アパホテルになると朝食料金などのシステムが変わる可能性はあるので要確認です)

6. 予約方法・料金・賢い使い方

予約は「アパ直」一択

2026年3月のオープンに向け、予約は公式サイトまたは「アパアプリ」から開始されます。アパホテルは「アパ直(公式サイト・アプリ)」が最安値であることを公言しています。楽天トラベルやじゃらんでポイントを貯めたい人もいるでしょうが、アパに関しては直販が圧倒的に有利です。

ダイナミック・プライシングの洗礼

アパホテルの料金は、AIによる「ダイナミック・プライシング(変動料金制)」です。

  • 閑散期の平日: 驚くほど安い(4,000円〜6,000円程度も?)
  • 繁忙期・イベント時: 容赦なく高い。

特に注意すべきは、高知最大の祭り「よさこい祭り(毎年8月9日〜12日)」の期間です。この期間、高知市内のホテルはどこも満室になりますが、アパホテルは需要に合わせて価格を数万円(時には3万円〜5万円以上)に跳ね上げる可能性があります。これは「悪」ではなく「需要と供給」ですが、初心者は心臓が止まりそうになるので覚悟しておきましょう。

1秒チェックイン

アプリ会員になり、事前決済を済ませておけば、当日はQRコードをかざすだけでルームキーが出てくる「1秒チェックイン」が利用可能です。高知駅についてすぐ荷物を置きたい時、フロントで記帳待ちの列に並ばなくて済むのは巨大なメリットです。

7. メリット・デメリットまとめ

ここでは、トラベルライターTAKAが忖度なしで整理します。

良い点(メリット・おすすめ)

  • 最新の客室設備: 50型テレビ、ミラーリング、Wi-Fi 6(予想)、新品のCloud fitベッド。部屋でダラダラ過ごす「おこもりステイ」には最適。
  • 立地の良さ: 駅から歩けて、飲み屋街(ひろめ市場)へも徒歩圏内。高知観光の拠点として完璧なバランス。
  • アプリの利便性: 予約からチェックインまでが爆速。ビジネスマンには最強の時短ツール。
  • 朝食の期待値: 既存レストラン「エズ」の実力を継承すれば、全国のアパの中でも上位の朝食レベルになる予感。

悪い点(デメリット・おすすめしない)

  • 大浴場がない(可能性大): 旅の疲れを大きなお風呂で癒したい人には致命的。近隣の入浴施設へ歩く必要があるかも。
  • 客室の狭さ: 11〜12平米は、大きなスーツケースを広げると足の踏み場がなくなります。荷物が多い長期旅行者には不向き。
  • 価格変動の激しさ: よさこい時期や連休は、サービスの質が変わらないのに値段だけ高級ホテル並みになるリスクがある。

おすすめな人

  • 効率重視のビジネスマン: 1秒チェックインと枕元集中コントローラーは正義。
  • ガジェット好き・動画勢: 部屋のテレビでYouTubeや自分のスマホ画面を見たい人。
  • アパポイント収集家: 全国をアパで回っている修行僧のような会員。

おすすめできない人

  • 閉所恐怖症気味の人: 窓からの景観も期待できない部屋が多いでしょう。
  • 温泉重視の人: ドーミーイン高知や、近隣の旅館を選んだ方が幸せになれます。
  • 「情緒」を求める人: アパはどこまで行っても機能的な「装置」です。高知らしいおもてなしや風情はありません。

8. Q&A:初心者が気になる疑問

Q. 駐車場はありますか? A. 既存の高知パレスホテルには隣接駐車場がありましたが、台数に限りがありました(約60台程度)。アパになっても引き継がれるでしょうが、おそらく「先着順・有料(1泊1,000円前後)」になるはずです。満車の場合は近隣のコインパーキングへ案内されます。高知市内はコインパーキングが多いので、そこまで心配いりません。

Q. パジャマはありますか? A. アパホテル共通の「浴衣」が用意されています。ただし、一般的なパジャマ(セパレートタイプ)ではないので、寝相が悪いとお腹が出るかもしれません。苦手な人は持参しましょう。あと、あの折り鶴もきっと置かれています。

Q. VOD(ビデオ・オン・デマンド)は? A. これがアパの凄いところ。「アパルームシアター」として、宿泊者はVODが完全無料で見放題になるはずです。映画やアニメを部屋で見まくるのも良い過ごし方です。

Q. 日帰り利用はできますか? A. アパホテルは「日帰りプラン(デイユース)」にも力を入れています。高知観光で歩き疲れた時、昼間の数時間だけシャワーを浴びてベッドで寝る、という使い方が可能です。

9. コラム:知っておくとニヤリとできる「アパ・スラング」

ここでは、少しマニアックなアパホテルの隠語や専門用語(?)を解説します。

  • 【アパ社長カレー】(Apa President Curry) フロントで必ずと言っていいほど売られているレトルトカレー。また、キャンペーンで「水をもらう感覚」でカレーを配られることもある。味は意外にも(失礼)本格的な金沢カレーベースで濃厚。お土産にするとウケが良い。
  • 【Cloud fit】(クラウドフィット) アパオリジナルのベッド。柔らかすぎて「腰が沈む」というアンチもいるが、「一度寝ると他では寝られない」という信者も生む。高知店にも間違いなく導入される。
  • 【アパ不倫】(Apa-Furin) かつて週刊誌を賑わせたスラング。アパホテルは「プライバシー重視」「自動精算機で誰とも会わずにチェックイン・アウト可能」というシステムがあまりに優秀なため、お忍びカップルに使われやすいことからついた不名誉(?)な呼び名。高知でもその「秘匿性」の高さは発揮されるだろう。
  • 【ふみこみ】(Fumikomi) 客室に入ってすぐの、靴を脱ぐスペース。アパはこのスペースを極限まで削り、居室スペースを確保する設計が多い。ここでスリッパに履き替える瞬間、「ああ、アパに来たな」と実感する儀式のような場所。

10. 独自の考察:トラベルライターTAKAの「編集後記」

最後に、私TAKAの個人的な見解で締めくくらせてください。

今回のアパホテル〈高知〉の開業は、単なる一ホテルのオープン以上の意味を持っています。 それは、高知の宿泊業界における「価格破壊」と「品質基準の底上げ」です。

これまで高知のホテル相場は、週末や繁忙期に高止まりする傾向がありました。しかし、圧倒的な客室数とダイナミックプライシングを持つアパが参入することで、周辺のホテルも価格競争を余儀なくされます。これは利用者にとっては選択肢が増え、安くなるチャンスです。

一方で、アパホテルの「機能特化型」のスタイルは、高知独特の「おきゃく(宴会)文化」や「人懐っこい接客」とは対極にあります。 無機質で効率的なアパか、温かみのある地元の老舗ホテルか。 2026年の高知は、この二つのスタイルがぶつかり合う激戦地になるでしょう。

個人的には、飲み屋街「ひろめ市場」でカツオと日本酒をたらふく楽しみ、千鳥足で夜風に当たりながらアパホテルへ戻り、1秒で部屋に入り、Cloud fitにダイブする…。 そんな「酔いどれ高知ステイ」の最適解として、このホテルは最強の選択肢になると確信しています。

開業は2026年3月。 予約開始のホイッスルが鳴るその時を、アプリを握りしめて待ちましょう。

以上、トラベルライターTAKAがお届けしました。

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