株式会社ホワイト・ベアーホテルズが新たに提供を開始する会員制ポイントプログラム 「WB Connect MEMBERS」 とは? メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。

今回は、株式会社ホワイト・ベアーホテルズが2025年1月に新たに提供を開始した会員制ポイントプログラム「WB Connect MEMBERS(ダブリュービー コネクト メンバーズ)」について徹底解説いたします。このサービスは、大阪のグランピング施設から長野の温泉旅館、熊本の源泉かけ流し旅館まで、日本各地の個性豊かな施設を横断して利用できる新しい会員プログラムとして注目を集めています。「本当にお得なのか」「使いやすいのか」「どんな人におすすめなのか」など、気になる疑問にトラベルライターTAKAが独自の視点でお答えしていきます。

WB Connect MEMBERSとは?結論から申し上げます

結論から申し上げますと、WB Connect MEMBERSは「入会費・年会費無料」で「業界最低水準の条件でランクアップできる」お得な会員プログラムと言えます。特に、年間わずか2泊でゴールド会員、5泊でプラチナ会員になれるという驚きの低ハードルが最大の特徴です。

このプログラムの運営会社である株式会社ホワイト・ベアーホテルズは、1977年創業の老舗旅行会社「ホワイト・ベアーファミリー」グループの一員です。「観光の力で地域を元気にする」というミッションを掲げ、大手チェーンホテルとは異なる「地域密着型」の個性豊かな宿泊施設を運営しているのが特徴です。

大手ホテルチェーンのポイントプログラムでは、ゴールド会員になるために年間20泊以上が必要なケースも珍しくありません。例えば、世界最大のホテルチェーンであるマリオット・ボンヴォイでは、ゴールドエリート会員になるために年間10泊以上が必要であり、ヒルトン・オナーズではゴールド会員に年間20回の滞在または40泊が条件となっています。それに対してWB Connect MEMBERSは、たった2泊でゴールド会員になれるという点で、旅行頻度が少ない方でも上位会員の特典を受けられるという大きなメリットがあるのです。

WB Connect MEMBERSの詳細:料金体系と会員ランク

入会費・年会費は完全無料

WB Connect MEMBERSの最大の魅力は、入会費・年会費が一切かからないという点です。多くのホテルチェーンでは、上位会員になるために提携クレジットカードへの入会や年会費の支払いが求められることがありますが、このプログラムではそのような金銭的負担なしで参加できます。

さらに、新規入会時には500ポイントが即時プレゼントされるという特典も用意されています。最初から一定のポイントが付与されることで、初回の宿泊からポイントを活用した割引を受けることができるのは嬉しいポイントです。

3段階の会員ランクシステム

WB Connect MEMBERSには、以下の3つの会員ランクが設けられています。

シルバー会員(入会時)

  • 入会時に自動的に付与されるランク
  • ポイント還元率:1%
  • 特典:会員限定プランの利用、施設限定特典

ゴールド会員(年間2泊以上)

  • 条件:年間2泊以上の宿泊実績
  • ポイント還元率:3%
  • 特典:シルバー特典に加え、さらなる優待

プラチナ会員(年間5泊以上)

  • 条件:年間5泊以上の宿泊実績
  • ポイント還元率:5%
  • 特典:最上位会員としての最大限の優待

業界標準と比較すると、シルバー会員の1%還元は決して高くはありませんが、年間たった2泊でゴールド会員(3%還元)になれる点、5泊でプラチナ会員(5%還元)になれる点は、他社プログラムと比較しても非常に達成しやすい条件と言えるでしょう。

ポイントの有効期限

WB Connect MEMBERSで獲得したポイントの有効期限は3年間となっています。これは業界標準と比較しても比較的長い有効期限です。例えば、アメリカン・エキスプレスのメンバーシップ・リワードも有効期限が3年に設定されていることが多く、ANAやJALのマイルも3年程度が一般的です。

旅行頻度が年に1〜2回程度の方でも、3年間の有効期限があれば、次回の旅行でポイントを有効活用できる余裕があります。ただし、有効期限を過ぎるとポイントは失効してしまうため、定期的にポイント残高を確認することをおすすめします。

対象施設:個性豊かな6つの宿泊施設

WB Connect MEMBERSが利用できる対象施設は、2025年春時点で6施設となっています。それぞれ異なる個性を持った施設ばかりで、旅の目的やシーンに応じて選ぶことができます。

1. パームガーデン舞洲(大阪市此花区)

大阪市内から車で約20分という好立地に位置するグランピング施設です。2017年に大阪市内初のグランピング施設として開業し、アメリカから直輸入した「エアストリーム」や最大8名まで宿泊可能なトレーラーハウスでの宿泊体験ができます。

日本の夕陽百選にも選ばれた舞洲のサンセットを眺めながら、本格BBQや焚き火体験を楽しめるのが魅力です。ペット同伴可能な「ドギートレーラー」も完備されており、愛犬と一緒に泊まれるグランピング施設として、ファミリーやカップルに人気を博しています。

2025年の大阪・関西万博の会場となる夢洲に隣接しているため、万博観光の拠点としても注目されています。

2. 小石屋旅館(長野県・渋温泉)

1300年以上の歴史を誇る渋温泉に位置する温泉旅館です。2015年にリニューアルオープンし、渋温泉への新規参入としては約80年ぶりとなったことでも話題になりました。

小石屋旅館の最大の魅力は、9つの外湯めぐりが楽しめる点です。宿泊者には外湯めぐりの鍵が渡され、それぞれ異なる泉質の温泉を楽しむことができます。さらに、近隣の老舗温泉旅館「よろづや」の国登録有形文化財に指定された「桃山風呂」を無料で利用できる特典もあるとのことです。

1階にはカフェ&レストランが併設されており、長野県産ワインと信州食材を使った食事を楽しむこともできます。素泊まりスタイルでリーズナブルに利用できるのも、若い旅行者を中心に支持されている理由のようです。

3. ホテルひがしだて(長野県・志賀高原)

標高1,600mに位置する高原リゾートホテルです。志賀高原最古の湯と伝えられる発哺温泉を楽しむことができ、展望露天風呂からは北アルプスの雄大なパノラマを一望できます。

2022年7月には新展望テラスと露天風呂付客室2室が新設され、より贅沢な滞在が可能になったようです。冬はスキーリゾートとして、夏は避暑地として、四季折々の自然を満喫できる施設です。料理長こだわりの創作会席コースと、北信シャルドネやメルローなど長野県産ワインとのマリアージュも楽しめると言われています。

4. 山もみじの宿 八芳園(熊本県・玉名温泉)

創業100年を超える老舗旅館で、2,500坪の広大な敷地に全室半露天風呂付きの客室を備えた高級旅館です。2024年11月より株式会社ホワイト・ベアーホテルズが運営を開始しています。

玉名温泉は1300年の歴史を誇り、弱アルカリ性単純泉の「美人の湯」として知られています。無色透明でつるつるとした肌触りが特徴で、入浴後は肌がすべすべになると評判です。神経痛やリウマチ、疲労回復に効能があるとされ、女性を中心に人気を集めています。

部屋食対応可能で、クチコミでは部屋4.8点、接客4.9点という高評価を得ているようです。プライベート感を重視した贅沢な滞在を求める方におすすめの施設と言えるでしょう。

5. 花鳥風月の宿 さつき別荘(熊本県・玉名温泉)

同じく玉名温泉に位置する源泉かけ流し100%の旅館です。加温・加水を一切行わない本物の天然温泉を楽しむことができます。

なお、この施設は2026年1月5日から4月24日まで改装工事のため閉館し、2026年4月25日にリブランドオープンする予定となっています。リブランド後はさらにグレードアップした施設として生まれ変わることが期待されています。

6. ホテル東館(長野県・志賀高原)

2025年4月より運営が開始された志賀高原のホテルです。詳細な情報は公式サイトでご確認いただけますが、スキーシーズンを中心に活況を呈することが予想されます。

WB Connect MEMBERSの使い方:アプリダウンロード不要のWebアプリ形式

WB Connect MEMBERSの会員証は、アプリのダウンロードが不要なWebアプリ形式を採用しています。これは、talkappi MEMBERという宿泊施設向けSaaS型会員プログラムシステムを活用したもので、QRコードを読み取るだけで簡単に会員証を表示できる仕組みになっています。

従来の会員プログラムでは、専用アプリをダウンロードしてインストールする必要があり、スマートフォンの容量を圧迫したり、初期設定に手間がかかったりするというデメリットがありました。しかし、Webアプリ形式であれば、ブラウザさえあれば即座にアクセス可能で、会員登録から利用開始までの流れがスムーズです。

登録から利用までの流れ

  1. 公式サイトにアクセス:WB Connect MEMBERSの公式サイトから会員登録ページへ
  2. 基本情報の入力:氏名、メールアドレス、パスワードなどを登録
  3. 会員証の発行:登録完了後、すぐにデジタル会員証が発行される
  4. 予約時の利用:各施設の公式サイトで予約する際に会員番号を入力
  5. チェックイン時:デジタル会員証を提示してポイント獲得・特典利用

特筆すべきは、このシステムには事前チェックイン機能も搭載されている点です。事前にスマートフォンで必要情報を入力しておけば、フロントでの待ち時間を大幅に短縮できます。混雑する観光シーズンや、チェックイン時間帯が集中しがちな施設では、この機能が非常に便利に感じられることでしょう。

また、このシステムは旅ナカアプリ「VERY」とも連携しており、館内案内、周辺観光情報、レストラン予約、ルームサービス注文など、滞在中のあらゆるニーズに対応できるようになっています。

WB Connect MEMBERSのメリット・良い点

ここからは、WB Connect MEMBERSのメリット良い点について詳しく解説していきます。このプログラムをおすすめできる理由を、旅行業界の専門的な視点から分析してみました。

利点1:入会費・年会費が完全無料

前述の通り、コストがかからない点は大きなメリットです。旅行頻度が少ない方でも、とりあえず入会しておいて損はありません。入会するだけで500ポイントがもらえるため、実質的にはプラスからスタートできます。

利点2:業界最低水準のランクアップ条件

年間わずか2泊でゴールド会員、5泊でプラチナ会員になれる条件は、業界最低水準と言っても過言ではありません。比較対象として、以下の主要ホテルチェーンの条件を見てみましょう。

  • マリオット・ボンヴォイ:ゴールドエリートは年間10泊以上、プラチナエリートは年間25泊以上
  • ヒルトン・オナーズ:ゴールドは年間20滞在または40泊、ダイヤモンドは年間30滞在または60泊
  • IHGワンリワード:ゴールドエリートは10泊以上

これらと比較すると、WB Connect MEMBERSの条件がいかに達成しやすいかがお分かりいただけるでしょう。

利点3:個性豊かな地域密着型施設

大手チェーンホテルは全国どこでも均一なサービスを受けられる安心感がありますが、逆に言えば「どこに泊まっても同じ」という印象を持つこともあります。WB Connect MEMBERSの対象施設は、グランピング、温泉旅館、高原リゾートとバラエティ豊かで、それぞれの地域の特色を活かしたオンリーワンの体験ができるのが魅力です。

「観光の力で地域を元気にする」というホワイト・ベアーファミリーの理念に共感できる方には、特におすすめできるプログラムと言えるでしょう。

利点4:施設横断でポイントが利用可能

異なるタイプの施設でも同じ会員資格とポイントが使えるのは大きなメリットです。例えば、夏にパームガーデン舞洲でグランピングを楽しみ、冬に志賀高原でスキー旅行をして、春には玉名温泉で湯治を楽しむ—このような多様な旅のスタイルを、一つの会員プログラムでサポートできるのは便利です。

利点5:公式サイト予約のベストレート保証

公式サイトからの予約はOTA(オンライン旅行代理店)経由より安い、または同等の価格を保証する「ベストレート保証」があるようです。多くのホテルチェーンがこの制度を導入しており、公式サイト予約の安心感につながっています。

OTA経由の予約では、ホテル側が8〜15%程度の手数料を支払う必要があるため、公式サイト予約を促進することはホテル側にとっても収益向上につながります。その分、公式サイト予約者に対してポイント還元や特典提供という形で還元しているのがWB Connect MEMBERSの仕組みと言えるでしょう。

WB Connect MEMBERSのデメリット・悪い点

公平な視点から、デメリット悪い点おすすめしないケースについても触れておきます。どんなサービスにも欠点はあるものです。

デメリット1:基本還元率が低い

シルバー会員の1%還元は、正直なところ業界水準から見るとやや物足りない数字です。楽天トラベルでは通常1〜2%、じゃらんでは2%、Yahoo!トラベルではLYPプレミアム会員なら5%の還元が受けられます。

ただし、年間2泊でゴールド会員(3%)、5泊でプラチナ会員(5%)になれることを考慮すると、実際の利用者の多くは3%以上の還元を受けられる可能性が高いでしょう。

デメリット2:対象施設数が限られている

現時点で対象施設は6施設のみであり、大手チェーンの数百〜数千施設と比較すると選択肢は限られています。全国各地に出張が多い方や、特定の地域以外での利用が多い方には使いづらいかもしれません。

ただし、ホワイト・ベアーホテルズは今後も施設数を拡大していく方針のようですので、将来的には選択肢が増えることが期待されます。

デメリット3:ブランド認知度の課題

マリオットやヒルトンといったグローバルブランドと比較すると、WB Connect MEMBERSの知名度はまだまだこれからと言えます。「聞いたことがない会員プログラム」に登録することに抵抗がある方もいるかもしれません。

しかし、運営会社であるホワイト・ベアーファミリーは1977年創業の老舗企業であり、2025年6月には経済産業省の「100億宣言企業」にも承認されています。信頼性という点では十分な実績があると言えるでしょう。

デメリット4:大都市圏の施設が少ない

対象施設を見ると、大阪(パームガーデン舞洲)以外は地方の温泉地やリゾートエリアに集中しています。東京、名古屋、福岡といった主要都市でのビジネスホテル利用には対応していないため、出張利用がメインの方には向いていないかもしれません。

こんな方におすすめ

WB Connect MEMBERSは以下のような方に特におすすめです。

  1. 年に数回、特別な旅行を楽しみたい方
    • 年間2〜5泊程度の旅行でも上位会員になれるため、旅行頻度が少ない方にぴったり
  2. 温泉旅館やグランピングなど「体験」を重視する方
    • 大手チェーンにはない個性的な施設で、忘れられない旅の思い出を
  3. 大阪・長野・熊本への旅行を予定している方
    • 対象施設があるエリアへの旅行計画があるなら、入会しておいて損はない
  4. コストをかけずにホテルプログラムを始めたい方
    • 入会費・年会費無料で、入会時に500ポイントプレゼント
  5. 地域活性化に共感できる方
    • 「観光の力で地域を元気にする」という理念に賛同できる方

こんな方にはおすすめできない

逆に、以下のような方にはおすすめしない場合もあります。

  1. 出張で全国各地のビジネスホテルを頻繁に利用する方
    • 対象施設が限られているため、出張利用には向かない
  2. 海外旅行がメインの方
    • 国内施設のみのため、海外では利用不可
  3. 最初から高還元率を期待する方
    • シルバー会員の1%還元は物足りなく感じるかもしれない
  4. 大手ブランドの安心感を重視する方
    • グローバルブランドの知名度や信頼性を重視する場合は向かない

Q&A:よくある質問

Q1:入会に年齢制限はありますか? A:詳細は公式サイトでご確認いただきたいのですが、一般的な会員プログラムと同様、18歳以上であれば入会可能と考えられます。

Q2:ポイントは現金に換金できますか? A:基本的にポイントは宿泊料金の割引や施設内サービスへの充当に使用するもので、現金への換金は対応していないと思われます。

Q3:家族で共有できますか? A:会員資格は個人に紐づくのが一般的ですが、同行者への特典適用など詳細は公式サイトでご確認ください。

Q4:退会はいつでもできますか? A:年会費が無料のプログラムであるため、退会手続きも比較的容易と考えられます。

Q5:OTAで予約した場合もポイントは貯まりますか? A:公式サイト経由での予約がポイント付与の条件となっている可能性が高いです。ポイントを貯めたい場合は公式サイトからの予約をおすすめします。

Q6:会員ランクはいつリセットされますか? A:詳細は公式サイトでご確認いただきたいですが、多くのプログラムでは年度(4月〜翌3月)または暦年(1月〜12月)で宿泊実績がリセットされます。

コラム:旅行業界で使われる隠語・スラングを解説

トラベルライターTAKAとして、旅行業界で使われる専門用語や隠語についても解説しておきましょう。これを知っておくと、旅行関連の記事やSNSを読む際に理解が深まります。

「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」

旅行者の行動を3つのフェーズに分けた用語です。

  • 旅マエ:旅行出発前(1〜3ヶ月前)の情報収集・計画期間
  • 旅ナカ:旅行中、目的地に滞在している期間
  • 旅アト:旅行終了後、帰宅してから1ヶ月程度

インバウンド(訪日外国人)マーケティングでよく使われる用語ですが、国内旅行でも適用される概念です。最近では「旅ナカ」でもスマートフォンで情報検索し、予定を柔軟に変更する旅行者が増えているようです。

「ステータスマッチ」

他のホテルプログラムで獲得した上級会員資格を提示して、別のホテルチェーンでも同等の会員資格を獲得する制度です。「他社のゴールド会員です」と申請することで、新しいプログラムでもゴールド会員からスタートできる場合があります。

「ベストレート保証」

公式サイトからの予約が最も安い(または他サイトと同等以上に安い)ことを保証する制度です。もし他サイトでより安い価格を見つけた場合、その価格に合わせる(またはさらに割引する)対応をしてくれます。

「OTA」

Online Travel Agentの略で、楽天トラベル、じゃらん、Booking.comなどのオンライン旅行予約サイトを指します。ホテル側はOTA経由の予約に対して8〜15%程度の手数料を支払う必要があるため、公式サイト予約を促進する動きが強まっています。

「ロイヤルティプログラム」

顧客の継続利用を促進するための会員制度の総称です。ポイント還元、会員限定特典、ランク制度などを組み合わせて、顧客のリピート利用を促します。WB Connect MEMBERSもこのロイヤルティプログラムの一種です。

TAKAの独自考察:WB Connect MEMBERSの未来と旅行業界への影響

最後に、トラベルライターTAKAとしての独自の視点から、このプログラムの将来性と旅行業界への影響について考察してみたいと思います。

1. 「中規模ホテルグループの逆襲」という文脈

近年、日本の旅行業界では大きな構造変化が起きています。一方ではマリオット、ヒルトンといったグローバルチェーンの日本進出が加速し、他方ではAirbnbや民泊といった新しい宿泊形態が台頭しています。その狭間で、従来の中小旅館やローカルホテルは存在感を示すのが難しくなっていました。

WB Connect MEMBERSは、こうした「中規模プレイヤー」が生き残りをかけた戦略の一環と見ることができます。talkappiのようなSaaS型プラットフォームを活用することで、大手チェーンに匹敵する会員プログラムを低コストで構築できるようになったのです。

2. 「体験価値」へのシフト

グランピング市場は2024年に約1億6,400万米ドルに達し、2033年までに年率8%で成長すると予測されています。従来の「泊まる」だけのホテルではなく、「体験する」宿泊施設への需要が高まっています。

WB Connect MEMBERSの対象施設を見ると、グランピング(パームガーデン舞洲)、外湯めぐり(小石屋旅館)、源泉かけ流し温泉(八芳園、さつき別荘)、高原リゾート(ひがしだて)と、いずれも「体験価値」を重視した施設ラインナップになっています。これは時代のニーズを的確に捉えた戦略と言えるでしょう。

3. 「地域分散型観光」への貢献

コロナ禍を経て、観光業界では「オーバーツーリズム」(観光公害)への対策が求められるようになりました。京都や大阪の都心部に観光客が集中するのではなく、周辺地域に分散させる「地域分散型観光」が推進されています。

ホワイト・ベアーホテルズが掲げる「観光の力で地域を元気にする」というミッションは、まさにこの方向性と合致しています。玉名温泉(熊本)、渋温泉(長野)といった地方の温泉地を対象施設に含めることで、地域経済への貢献を目指しているのです。

4. 今後の展望

私TAKAの予想として、WB Connect MEMBERSは今後以下のような展開が期待できると考えています。

  • 対象施設の拡大:全国各地の個性的な宿泊施設との提携が進む可能性
  • 他社ポイントとの連携:航空会社マイルや共通ポイントとの交換プログラム導入
  • 法人向けサービス:企業の出張利用やインセンティブ旅行への対応強化
  • インバウンド対応:2025年大阪・関西万博を契機とした訪日外国人への訴求

ホワイト・ベアーファミリーは2025年6月に経済産業省の「100億宣言企業」に承認されており、今後の成長戦略に注目が集まります。

まとめ

WB Connect MEMBERSは、入会費・年会費無料業界最低水準の条件でランクアップできる、コストパフォーマンスに優れた会員プログラムです。大手チェーンホテルとは異なる「個性豊かな地域密着型施設」を横断して利用できる点が最大の特徴で、グランピング、温泉旅館、高原リゾートといった多彩な宿泊体験を一つの会員資格でサポートしてくれます。

年間わずか2泊でゴールド会員(3%還元)、5泊でプラチナ会員(5%還元)になれるという敷居の低さは、旅行頻度が少ない方にも親しみやすい設計と言えます。アプリダウンロード不要のWebアプリ形式で、登録から利用開始までスムーズに進められる点も好印象です。

一方で、対象施設数がまだ限られていること、シルバー会員の基本還元率が1%とやや低めであることは、正直なところ改善の余地があるかもしれません。しかし、「観光の力で地域を元気にする」という理念に共感でき、大阪・長野・熊本エリアへの旅行を計画している方には、入会を強くおすすめできるプログラムです。

2025年の大阪・関西万博、そしてその先を見据えて、WB Connect MEMBERSがどのように成長していくのか、トラベルライターTAKAとしても引き続き注目していきたいと思います。

皆さんも、次の旅の計画の際には、ぜひWB Connect MEMBERSを選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。きっと、大手チェーンでは味わえない「心に残る旅の体験」が待っているはずです。

公式サイトはこちら