株式会社アクティバリューズが提供する 「VERY(ベリー)」 アプリとは? メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説

旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。

今回は、株式会社アクティバリューズが提供する旅行アプリ「VERY(ベリー)」について、その料金体系、使い方、メリットやデメリット、そしてネット上の口コミや評判まで、幅広くリサーチした結果をお届けしたいと思います。旅行の計画を立てている方や、ホテル滞在をより快適にしたいとお考えの方にとって、非常に参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

結論:VERYは「旅ナカ」に特化した宿泊施設向けの革新的なアプリである

まず結論からお伝えすると、「VERY」は一般的な旅行予約アプリとは異なり、宿泊中(旅ナカ)のゲスト体験を向上させることに特化した宿泊施設専用のプラットフォームです。アプリストアからダウンロードして使う従来のアプリとは異なり、ホテルや旅館のチェックイン時に配布されるカードや客室に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで、すぐにその施設専用のページにアクセスできる仕組みになっているようです。

このアプリの最大の特徴は、多言語対応で最大109言語に対応可能という点と、宿泊施設の館内案内から周辺観光情報、さらにはレストランの予約やアクティビティの手配まで、旅行中に必要なあらゆる情報とサービスをワンストップで提供している点にあると言われています。2024年からは「トラベルマーケットプレイス構想」を推進しており、「泊まる」「観る」「遊ぶ」「食べる」「買う」など旅に必要な情報を一元化して、計画から予約・手配までをワンアプリで完結できるサービスへと進化を続けているようです。

株式会社アクティバリューズとはどんな会社なのか

VERYの提供元である株式会社アクティバリューズについて、まずは基本情報を整理しておきましょう。

同社は2016年6月17日に設立された、東京都渋谷区に本社を置くIT企業です。代表取締役社長は陳適(シェーン・チェン)氏で、中国出身で2005年に来日し、富士通などのシステムインテグレーター企業でシステムエンジニアとして15年以上の経験を積んだ後、アクティバリューズを設立されたと言われています。新幹線やICカード、通信キャリアなどのシステム開発やオンラインチケット販売サービスの立ち上げなどを経験されたそうで、まさにテクノロジーのプロフェッショナルが観光業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)に挑戦している企業と言えるでしょう。

会社のミッションは「テクノロジーで旅の感動と観光の未来を創る」、そしてビジョンは「旅を通じて世界をつなぎ、交流と平和の未来へ」というもので、非常に壮大な理想を掲げています。資本金は約4億9,195万円(資本準備金を含む)と、スタートアップ企業としてはかなりの規模となっているようです。

主力サービスである「talkappi(トーカッピ)」は、宿泊施設や観光事業者向けに問合せ対応・情報案内・会員管理・予約・決済など、ゲスト応対と施設運営に必要な機能をオールインワンで提供するクラウドサービスです。全国の代表的なホテル・旅館をはじめ、北海道、沖縄県、奈良市、草津温泉などの主要な自治体・観光協会・DMOなど、1,500施設以上に導入されているとのことです。利用継続率は98%以上という高い数字を誇っており、一度導入した施設の多くが継続して利用しているようです。

このtalkappiをベースに、旅ナカ(宿泊中)に特化したアプリとして展開されているのがVERYなのです。

VERYの主要機能と特徴を詳しく解説

それでは、VERYにはどのような機能があるのでしょうか。ネット上の情報を総合すると、以下のような多彩な機能が搭載されているようです。

館内案内と周辺観光情報の提供

VERYの基本機能として、宿泊施設の館内案内周辺の観光情報を多言語で提供する機能があります。これまで紙のパンフレットや客室に置かれていた案内冊子の代わりに、デジタルで最新の情報をゲストに届けることができるようになっています。

実際に、熱海の高級旅館「SOKI ATAMI」では、客室から伝統的な案内冊子やパンフレットを一切置かず、滞在中のご案内をすべてVERYに統一しているそうです。これにより、ペーパーレス化による環境への配慮と、情報更新の効率化を両立しているとのことです。

レストランの順番待ち受付機能

ホテルのレストランが混雑している場合、従来はフロントで名前を書いて待つ必要がありましたが、VERYではスマートフォンから順番待ちの受付ができるようになっています。順番が近づくとLINEなどで通知を受け取れるため、客室やロビーなど好きな場所で待つことができ、並ぶストレスが大幅に軽減されるようです。

この機能は専用発券機の設置が不要で、初期費用がかからない点も施設側にとっては大きなメリットとなっているようです。

ルームサービスの注文機能

VERYを通じて、ルームサービスの注文をスマートフォンから行うことができます。従来の内線電話での注文と比べて、メニューを写真で確認しながら注文できるため、外国人旅行者にとっても利用しやすくなっています。

アクティビティ・体験の予約機能

2024年5月からは、日本最大級の遊び予約サイト「アソビュー!」との連携を開始しています。これにより、VERYを通じて宿泊施設周辺の体験・アクティビティを検索し、そのまま予約することができるようになっています。約620ジャンル・約28,000プランから選べるという圧倒的な選択肢があるようです。

飲食店検索・予約機能(食べログ連携)

2025年7月からは、日本最大級のレストラン検索・予約サービス「食べログ」との連携も開始されています。約88万軒の飲食店情報をVERYで表示可能となり、宿泊施設からの距離順や、スタッフおすすめの店舗をピックアップして表示する機能もあるようです。

特に注目すべきは、多言語対応でゲスト自身が予約を完結できる点です。これにより、インバウンド旅行者が増加する中で問題となっていた「食事難民」の緩和や、宿泊施設スタッフの代理予約に伴う負担軽減に貢献しているとのことです。

ランドリー利用状況のリアルタイム確認

2025年1月からは、宿泊施設のランドリー利用状況をリアルタイムで確認できる新機能も追加されています。長期滞在のゲストにとっては、いつでもスマートフォンで洗濯機の空き状況を確認できるのは非常に便利な機能と言えるでしょう。

内線電話機能

VERYには、宿泊者のスマートフォンを内線電話として利用できる機能も搭載されています。客室の固定電話を使わなくても、VERYのアプリ上から施設フロントへ無料で通話できる仕組みになっているようです。これにより、宿泊施設は高額な維持費がかかる固定電話設備を削減できる可能性があります。

エクスプレスチェックアウト

チェックアウト時の精算手続きをスマートフォンで完了できるエクスプレスチェックアウト機能も搭載されています。朝の混雑するフロントに並ぶ必要がなく、スムーズに出発できるのは旅行者にとって大きなメリットです。

オンライン診療サービス連携

2025年10月からは、エムスリーキャリア株式会社が運営する「HOTEL de DOCTOR 24」との連携も開始されています。体調を崩した外国人旅行者が、客室から慣れ親しんだ言語で24時間365日オンライン診療を受けられるようになっており、22言語の医療通訳付きという手厚いサポートが提供されているようです。

手荷物配送サービス連携

2025年12月からは、手荷物配送サービス「LUGGAGE EXPRESS」および「Baggage GO」との連携も開始されています。これにより、宿泊施設間の当日中の手荷物配送が可能となり、旅行者はより身軽に観光を楽しめる「手ぶら旅」を実現できるようになっています。

VERYの料金体系について

VERYの料金体系については、公式サイトや各種プレスリリースから以下のような情報が確認できます。

宿泊施設向けの料金

初期費用・月額利用料とも基本無料で提供されているプランがあるようです。ただし、これには条件があり、2万円以上のtalkappiサービスと同時導入の場合に実質0円で利用可能となっているとのことです。

つまり、talkappiのチャットボット(CHATBOT)やFAQシステムなどの他のサービスと組み合わせて導入することで、VERYのベーシック機能が無料で利用できるという仕組みのようです。

また、個別の機能については追加料金が発生する場合もあるようで、例えばランドリー状況確認機能については、洗濯機1台あたり月額500円(税別)というシステム利用料が設定されているとの情報もあります。

旅行者(ゲスト)向けの料金

VERYを利用する旅行者(ゲスト)側については、完全無料で利用できます。アプリのダウンロードも不要で、宿泊施設に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで利用を開始できるため、旅行者にとっての金銭的な負担は一切ありません。

VERYの使い方を徹底解説

VERYの具体的な使い方について、ステップごとに解説していきましょう。

STEP 1:QRコードをスキャンする

VERYを利用するには、まず宿泊施設に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取ります。QRコードは通常、以下のような場所に設置されています。

  • チェックイン時に配布されるカード
  • 客室内のテーブルや壁
  • 客室のテレビ画面
  • フロントデスク周辺

スマートフォンのカメラアプリやQRコードリーダーで読み取るだけで、専用アプリのダウンロードは不要です。これはウェブアプリ(PWA:Progressive Web App)という技術を採用しているためで、ブラウザ上でアプリのような体験ができる仕組みになっています。

STEP 2:自分の言語で情報を確認する

QRコードを読み取ると、自動的にスマートフォンの設定言語に応じた言語でVERYが表示されます。日本語はもちろん、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語など、最大109言語に対応しているとのことです。

外国人旅行者にとっては、言語の壁を気にせずに施設の情報を確認できるのは非常に大きなメリットです。

STEP 3:必要な情報やサービスを利用する

VERYのホーム画面からは、以下のような様々な情報やサービスにアクセスできます。

  • 館内施設の案内(レストラン、大浴場、売店など)
  • 周辺の観光スポット情報
  • 館内施設の混雑状況
  • レストランの順番待ち受付
  • ルームサービスの注文
  • アメニティのリクエスト
  • アクティビティの予約
  • 飲食店の検索・予約
  • フロントへの問い合わせ

STEP 4:チェックアウト

滞在の最後には、エクスプレスチェックアウト機能を使って、スマートフォンから精算手続きを完了することもできます。フロントに並ぶ必要がなく、朝の混雑時でもスムーズに出発できます。

VERYの良い点・メリットを詳しく解説

ここからは、VERYの良い点メリットについて、旅行者目線と宿泊施設目線の両方から詳しく解説していきます。

旅行者にとっての良い点

メリット1:アプリのダウンロードが不要

VERYの最大のおすすめポイントの一つは、アプリストアからのダウンロードが不要という点です。旅行中にスマートフォンの容量を気にしたり、アプリのインストールに時間を取られたりする必要がありません。QRコードを読み取るだけですぐに使い始められるのは、非常に手軽で便利な利点と言えるでしょう。

メリット2:多言語対応で言語の壁がない

最大109言語に対応しているため、どの国から来た旅行者でも自分の言語で情報を確認できるという点は大きな利点です。特に日本語が読めない外国人旅行者にとって、ホテルの館内案内や周辺情報を母国語で確認できるのは、滞在の安心感につながります。

メリット3:旅行に必要な情報がワンストップで手に入る

「泊まる」「観る」「遊ぶ」「食べる」「買う」など、旅行中に必要な情報がVERYひとつで完結します。複数のアプリを切り替えたり、別々のウェブサイトを検索したりする手間が省け、旅行をより効率的に楽しめるのはおすすめできるポイントです。

メリット4:待ち時間やストレスの軽減

レストランの順番待ちをスマートフォンから行えたり、ランドリーの空き状況をリアルタイムで確認できたりすることで、無駄な待ち時間やストレスを大幅に軽減できます。旅行中の貴重な時間を有効活用できるのは嬉しい利点です。

メリット5:手ぶらで観光を楽しめる

手荷物配送サービスとの連携により、宿泊施設間で荷物を配送してもらえるため、身軽に観光を楽しむことができます。特に複数の宿泊施設を移動する旅行では、この「手ぶら旅」機能は非常におすすめです。

宿泊施設にとっての良い点

メリット1:問い合わせ件数の削減

VERYを導入した宿泊施設では、問い合わせ件数が最大60%減少したという実績が報告されています。ゲストが自分で情報を確認できるようになることで、フロントスタッフの業務負担が大幅に軽減されるようです。

メリット2:チェックイン時間の短縮

ホテルリバージュアケボノ様の事例では、VERY導入後にチェックイン案内時間が40%短縮されたと報告されています。1組あたり約5分かかっていた案内が約2分に短縮され、フロントの混雑解消に大きく貢献しているとのことです。

メリット3:低コストでの導入

talkappiサービスと同時導入で実質0円で利用可能という料金設定は、宿泊施設にとって大きな利点です。初期投資を抑えながらDXを推進できるため、中小規模の施設でも導入しやすい点が評価されているようです。

メリット4:ペーパーレス化によるコスト削減

紙の案内冊子やパンフレットをVERYに置き換えることで、印刷コストの削減情報更新の効率化を同時に実現できます。環境への配慮(SDGs)という観点からも、企業イメージの向上につながる利点があります。

メリット5:付帯サービスの利用促進

ホテルリバージュアケボノ様の事例では、これまで利用が少なかった漫画コーナーをVERYに掲載したところ、貸し出し数が40%以上増加したという驚きの効果が報告されています。施設の隠れた魅力をゲストに効果的に伝えられる点もおすすめポイントです。

VERYの悪い点・デメリットも正直に解説

良い点ばかりをお伝えするのではフェアではないので、VERYの悪い点デメリットおすすめしないケースについても正直に解説していきます。

旅行者にとっての悪い点

デメリット1:導入施設でしか使えない

VERYは宿泊施設が導入していないと利用できません。現時点では日本国内で500施設以上(一部報道では600施設以上)に導入されているとの情報がありますが、まだすべてのホテルや旅館で使えるわけではないのが欠点です。宿泊予定の施設がVERYを導入しているかどうか、事前に確認することをおすすめします。

デメリット2:スマートフォンの操作が苦手な方には不向き

VERYはスマートフォンを前提としたサービスのため、スマートフォンの操作が苦手な高齢者などには使いづらい可能性があります。従来の紙の案内冊子やフロントでの対応を好む方にとっては、おすすめしない場合もあるかもしれません。

デメリット3:インターネット環境が必要

VERYを利用するには、Wi-Fi環境やモバイルデータ通信が必要です。ホテル内であれば通常Wi-Fiが利用できますが、電波状況の悪い場所や、Wi-Fi設備の整っていない一部の施設では、快適に利用できない可能性があるのは欠点と言えます。

デメリット4:機械翻訳の品質に限界がある

VERYで提供される多言語案内情報は、基本的に機械翻訳によるものとのことです。高品質なネイティブ翻訳も別料金で提供されているようですが、標準の機械翻訳では微妙なニュアンスが正確に伝わらない場合があるかもしれません。これは多言語サービス全般に共通するデメリットと言えるでしょう。

宿泊施設にとっての悪い点

デメリット1:初期設定に手間がかかる

VERYの効果を最大限発揮するためには、館内案内や周辺情報を詳細に登録する必要があります。導入時の設定作業には一定の手間と時間がかかる点は欠点と言えます。ただし、一度設定すれば更新は容易とのことなので、長期的には効率化につながるようです。

デメリット2:すべてのゲストが利用するわけではない

QRコードを読み取ってVERYを利用するかどうかは、ゲスト次第です。すべてのゲストがVERYを利用するわけではないため、従来のフロント対応も並行して行う必要があります。完全に紙の案内を廃止できるかどうかは、施設の客層によるところがあるのがデメリットです。

デメリット3:システムトラブルのリスク

デジタルサービスである以上、システム障害やサーバーダウンのリスクは常に存在します。万が一の際にはバックアップ体制が必要となる点は、ITサービス全般に共通する悪い点と言えるでしょう。

VERYをおすすめしたい方

VERYの良い点を踏まえて、以下のような方には特におすすめできます。

旅行者として

  • 外国から日本に旅行に来る方:多言語対応で言語の壁を感じずに旅行を楽しめます
  • スマートフォンでの情報収集に慣れている方:直感的な操作で快適に利用できます
  • 効率的に旅行を楽しみたい方:待ち時間の削減や情報の一元化で時間を有効活用できます
  • 複数の宿泊施設を移動する旅行をする方:手荷物配送サービスとの連携で身軽に観光できます
  • 現地での体験やアクティビティを楽しみたい方:アソビュー!との連携で簡単に予約できます

宿泊施設として

  • インバウンド対応を強化したい施設:多言語対応でスタッフの負担を軽減できます
  • 人手不足に悩む施設:問い合わせ対応の自動化で業務効率を改善できます
  • DXを推進したい施設:低コストでデジタル化を進められます
  • 環境への配慮を重視する施設:ペーパーレス化でSDGsに貢献できます

VERYをおすすめできない方

一方で、以下のような方にはおすすめしない場合もあります。

旅行者として

  • スマートフォンの操作が苦手な方:従来のフロント対応や紙の案内が向いています
  • デジタルデトックスを目的とした旅行をされる方:スマートフォンから離れたい方には不向きです
  • インターネット環境が不安定な地域に宿泊する方:オフラインでは利用できません

宿泊施設として

  • ゲストの年齢層が高い施設:デジタルに不慣れなゲストが多い場合は効果が限定的です
  • IT担当者がいない小規模施設:初期設定や運用に不安がある場合は検討が必要です
  • 紙の案内にこだわりがある老舗旅館:伝統的なおもてなしスタイルを重視する場合は慎重に

導入事例から見るVERYの実力

ここでは、VERYを実際に導入している宿泊施設の事例をいくつかご紹介します。

JR西日本ホテルズ(全11施設)

JR西日本グループの宿泊事業を担うJR西日本ホテルズでは、2023年10月から全11ホテルに順次VERYを導入しています。多言語案内の強化と、各種案内書面のペーパーレス化によるSDGsへの貢献を目的としているとのことです。

JR九州ホテルズアンドリゾーツ(12施設)

JR九州グループのホテル・旅館では、2024年12月から12施設でVERYを導入しています。注目すべきは、ほぼすべての案内情報をネイティブ翻訳に変更している点で、外国人旅行者に高品質なおもてなしを提供するための投資を行っているようです。

導入施設には「THE BLOSSOM HIBIYA」「THE BLOSSOM HAKATA Premier」「THE BLOSSOM KUMAMOTO」などが含まれ、ランドリー利用状況の可視化機能も活用されているとのことです。

リーガロイヤルホテルグループ(9施設)

リーガロイヤルホテルグループでは、9施設でVERYを導入し、多言語観光案内情報をAPI連携で一元管理する先進的な取り組みを行っているようです。ホテル業界向けシステムベンダーとしては初の取り組みとして注目されています。

ホテルリバージュアケボノ

福井市の中心部に位置するホテルリバージュアケボノでは、2025年6月にVERYを導入し、わずか2ヶ月でチェックイン時間40%短縮という大きな成果を上げています。

1組あたり約5分かかっていたチェックイン案内が約2分に短縮され、フロント対応に余裕が生まれたとのことです。また、「案内を減らすと問い合わせが増えるのでは?」という懸念に反して、問い合わせ件数もむしろ減少したという興味深い結果が報告されています。

SOKI ATAMI

熱海の高級旅館SOKI ATAMIでは、VERYを積極的に活用し、客室から伝統的な案内冊子やパンフレットを一切置かないという先進的な運用を行っています。アクティバリューズのサービス導入先の中でも、特にVERYの利用者数が突出しているとのことです。

「VERYについて、不便さを感じないし、お客様からの使い方に関する問合せもほとんどない」という担当者のコメントからは、使いやすさが高く評価されていることがうかがえます。

下呂温泉 ホテルくさかべアルメリア

下呂温泉の老舗旅館であるホテルくさかべアルメリアでは、2024年6月からtalkappiとVERYを導入し、問い合わせ対応から予約受付、館内案内、アンケート集計まで一貫してデジタル化を推進しています。

「紙の案内を完全撤廃し、QRコードでVERYに一本化する予定」という発言からは、VERYへの高い信頼がうかがえます。また、VERYのカスタマイズ性についても高く評価されており、「ボタンの配置やメニュー順など自由にカスタマイズできる点が非常に魅力的」とのコメントが寄せられています。

よくある質問(Q&A)

ここからは、VERYに関してよくある質問とその回答をQ&A形式でお届けします。

Q1:VERYは旅行者も無料で使えますか?

A1:はい、旅行者(ゲスト)は完全無料で利用できます。アプリのダウンロードも不要で、宿泊施設に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで利用を開始できます。

Q2:スマートフォンがないとVERYは使えませんか?

A2:基本的にはスマートフォンが必要です。ただし、一部の施設では客室テレビでもVERYの情報を表示できる「VERY SMART TV」機能を導入しているところもあります。スマートフォンをお持ちでない場合は、フロントで従来通りの対応を受けることも可能です。

Q3:海外からのスマートフォンでも使えますか?

A3:はい、使えます。VERYはウェブアプリのため、インターネットに接続できればどの国のスマートフォンでも利用可能です。言語は自動的にスマートフォンの設定言語に応じて表示されます。

Q4:VERYでホテルの予約はできますか?

A4:VERYは宿泊中(旅ナカ)のサービスに特化しているため、ホテルの宿泊予約自体はできません。ただし、アクティバリューズでは宿泊予約に関連するサービスも提供しており、talkappi CHATBOTを通じた予約案内などが可能です。

Q5:VERYで予約したアクティビティはキャンセルできますか?

A5:VERYから予約したアクティビティのキャンセルは、連携先のサービス(アソビュー!など)のルールに従います。各アクティビティのキャンセルポリシーを確認の上、直接連携先のサービスでキャンセル手続きを行う必要があります。

Q6:VERYの情報は正確ですか?

A6:VERYに掲載される情報は、宿泊施設が管理・更新しています。そのため、基本的には正確な情報が提供されますが、情報更新のタイミングによっては古い情報が残っている可能性もあります。不明な点はフロントに確認することをおすすめします。

Q7:VERYは日本国内のホテルでしか使えませんか?

A7:現時点では、主に日本国内のホテル・旅館向けに提供されているサービスです。ただし、アクティバリューズは今後の展開として海外での利用も視野に入れているようです。

Q8:個人情報は安全ですか?

A8:アクティバリューズは情報セキュリティ方針を定めており、個人情報の適切な管理に努めているようです。詳細については、同社のプライバシーポリシーをご確認ください。

【コラム】旅行業界の隠語・スラングを解説

旅行系WEBメディアのトラベルライターとして、ここで旅行業界でよく使われる専門用語や隠語についても解説しておきましょう。VERYに関連する用語も含め、知っておくと旅行がより楽しくなるかもしれません。

「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」

VERYの説明でも頻繁に登場する「旅ナカ」という言葉。これは旅行業界特有の用語で、旅行者のカスタマージャーニー(顧客体験の流れ)を3つのフェーズに分けた考え方です。

  • 旅マエ(たびまえ):訪日前・旅行前の情報収集・計画期間
  • 旅ナカ(たびなか):実際に旅行中・滞在中の期間
  • 旅アト(たびあと):旅行後・帰国後の体験を共有する時期

VERYは「旅ナカ」に特化したアプリであり、宿泊中の体験価値を最大化することを目指しています。この用語を知っておくと、旅行サービスの特徴を理解しやすくなるでしょう。

「インバウンド」

外国人の訪日旅行者を指す言葉です。逆に日本人が海外旅行に行くことを「アウトバウンド」と言います。円安の影響もあり、近年インバウンド需要が急増しており、宿泊施設の多言語対応が急務となっています。VERYの109言語対応は、まさにこのインバウンド需要に応えるための機能です。

「OTA」

Online Travel Agent(オンライン旅行代理店)の略称です。楽天トラベル、じゃらん、Booking.com、Expediaなどが代表例です。宿泊施設にとっては集客チャネルとして重要ですが、手数料が高いという課題もあります。talkappiには、OTAの価格と自社販売価格を比較表示する機能もあり、直販強化を支援しています。

「PMS」

Property Management System(宿泊施設管理システム)の略称です。宿泊予約、在庫管理、顧客管理などホテル運営に必要な基幹システムを指します。VERYは各種PMSとの連携を進めており、スマートチェックインや客室精算などの機能拡張を予定しているようです。

「コンシェルジュ」

ホテルにおいて、ゲストのあらゆる要望に応えるサービススタッフを指します。レストランの予約、観光案内、チケット手配など、様々なリクエストに対応します。VERYは、このコンシェルジュの役割の一部をデジタルで代替し、24時間対応を可能にしていると言えるでしょう。

「アップセル」「クロスセル」

アップセルは、より高価格のサービスや客室への変更を促すこと。クロスセルは、宿泊以外の追加サービス(スパ、アクティビティなど)の利用を促すことです。VERYを通じて付帯サービスの情報を効果的に伝えることで、クロスセルの機会を増やすことができます。

「オーバーツーリズム」

観光客が特定の観光地に集中しすぎることで、地域住民の生活や環境に悪影響を与える現象を指します。VERYが連携している手荷物配送サービスは、公共交通機関の混雑緩和という観点から、オーバーツーリズム対策にも貢献しているとのことです。

トラベルライターTAKAとしての考察と意見

最後に、旅行系WEBメディア「HOTTEL」のトラベルライターとして、VERYについての独自の考察と意見をお伝えしたいと思います。

VERYが示す「旅ナカDX」の未来

私TAKAが長年旅行業界を見てきた中で、VERYのようなサービスの登場は非常に興味深いものがあります。これまで旅行のDXというと、OTAでの宿泊予約や航空券のオンライン購入など、「旅マエ」の領域に集中していました。しかし、VERYは「旅ナカ」という、これまであまり注目されてこなかった領域に焦点を当てています。

考えてみれば、旅行の満足度を左右するのは、実際に滞在している「旅ナカ」の体験です。いくら良いホテルを予約しても、滞在中に不便を感じたり、欲しい情報が得られなかったりすれば、旅行全体の印象は下がってしまいます。VERYはまさに、この「旅ナカ」の体験価値を向上させることで、宿泊施設の評価向上とゲスト満足度の両方を実現しようとしているのだと思います。

「宿泊施設をハブとした観光地域経済圏」という発想

VERYが目指す「宿泊施設を地域観光のハブとする」というコンセプトは、非常に先進的だと感じます。従来、宿泊施設は「泊まる場所」という機能に限定されがちでしたが、VERYを通じて周辺の飲食店や体験施設、観光スポットへの送客が可能になれば、宿泊施設が地域経済全体の活性化に貢献する存在になり得ます。

アソビュー!や食べログとの連携は、まさにこの構想を具現化するものであり、今後も様々なサービスとの連携が期待されます。タクシー・ハイヤーなどの送迎サービス(モビリティ領域)との連携も予定されているとのことで、VERYがどこまで「旅行のワンストップサービス」として進化していくのか、非常に楽しみです。

人手不足時代の救世主となるか

日本の宿泊業界が深刻な人手不足に直面していることは、旅行関係者であれば誰もが知るところです。フロントスタッフの確保が難しい中で、VERYのようなデジタルサービスが問い合わせ対応や案内業務を代替することで、限られた人員でも質の高いサービスを維持できる可能性があります。

実際に、ホテルリバージュアケボノでチェックイン時間が40%短縮されたという実績は、人手不足に悩む施設にとって非常に魅力的な数字ではないでしょうか。人件費の削減という側面だけでなく、スタッフが「本当に人の手が必要な対応」に集中できるようになることで、おもてなしの質がむしろ向上する可能性もあります。

課題と今後の展望

一方で、課題もあります。現時点で500〜600施設程度の導入実績は、日本全国の宿泊施設数を考えると、まだまだ普及途上と言えるでしょう。また、デジタルに不慣れなシニア層のゲストへの対応や、システムトラブル時のバックアップ体制など、運用面での課題も残されています。

また、「VERYを使ってもらえるかどうかはゲスト次第」という点も、施設側にとっては悩ましいところでしょう。どれだけ良いサービスでも、使われなければ意味がありません。SOKI ATAMIのように、VERYの利用を前提とした施設設計を行うような、思い切った取り組みが今後増えていくかもしれません。

結びに

旅行アプリ「VERY」は、宿泊施設と旅行者の双方にメリットをもたらす可能性を持った、非常に興味深いサービスです。特にインバウンド需要が高まる中で、多言語対応と旅ナカの情報・サービスの一元化は、今後ますます重要になってくると思われます。

旅行者としては、宿泊予定の施設がVERYを導入しているかどうかをチェックしてみる価値があるでしょう。そして宿泊施設関係者の方は、DX推進の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。

旅行の未来は、テクノロジーによってより快適で、より感動的なものになっていく。VERYはその一翼を担うサービスとして、今後も注目していきたいと思います。

公式サイトはこちら

▶︎ VERY公式サイト