旧「かごしま空港ホテル」がリニューアルし2027年7月にオープンする予定の「LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORT」とは? メリットやデメリットなどHOTTELの記者がわかりやすく解説
旅行系WEBメディア「HOTTEL」に記事を書くトラベルライター”TAKA”です。旅についての疑問や噂について真相をつきとめわかりやすく解説します。
今回は鹿児島の空の玄関口に誕生する新しいホテルについて、気になる情報を徹底的にリサーチしました。2027年7月のオープンを控え、すでに注目を集めている「LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORT」。51年の歴史に幕を閉じた「かごしま空港ホテル」の跡地に建設されるこの新ホテルは、一体どのような魅力を備えているのでしょうか。
結論:空港隣接の利便性と快適性を兼ね備えた新時代のエアポートホテル
LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTは、鹿児島空港から徒歩約9分という抜群の立地に、全143室の客室を備えた7階建てのホテルとして生まれ変わると言われています。最大の特徴は、九州エリアのホテル大浴場で初めて導入されるマイクロバブルバスと、ロウリュウサウナを完備した大規模な温浴施設を備えていることです。
運営を担当するのは、分譲マンション事業で培った住空間のノウハウを活かしたホテル展開を進めるタカラレーベングループのレーベンホテルズ株式会社。「日常の延長のような自然なくつろぎ」というコンセプトのもと、ビジネス需要だけでなく、観光やファミリー旅行など幅広い滞在ニーズに応えるホテルになると考えられています。
なぜ今、鹿児島空港に新しいホテルが必要だったのか
旧かごしま空港ホテルの歩みと閉館
鹿児島空港の歴史を語る上で欠かせない存在だったのが、1972年に開業した「かごしま空港ホテル」です。現在の鹿児島空港が開港したその年に誕生し、51年間にわたって地域の皆さまに親しまれてきたこのホテルは、92室の客室を備え、レストランや結婚式場も運営していたと言われています。
2023年10月には、かごしま国体の開会式に出席するために鹿児島入りした秋篠宮ご夫妻がホテルで昼食を召し上がるなど、鹿児島の空の玄関口に隣接するホテルとして格式高い役割も果たしていたようです。実際に宿泊された方々の声を見ると、「空港から徒歩圏内で早朝便・深夜便に便利」「無料送迎バスがあり助かった」「大浴場やサウナでゆっくりくつろげた」といった、立地の良さと設備の充実を評価する声が多く見られました。
一方で、建物の老朽化は否めない状況だったようです。「建物は古く部屋の快適さには少々不満を感じる部分がある」「エレベーターがなく3階まで階段」といった指摘もあり、時代のニーズに応える施設への刷新が求められていたと考えられます。
空港近隣ホテルの希少性という課題
鹿児島空港周辺のホテル事情を調べてみると、空港から徒歩圏内のホテルが極めて限られていることが分かります。鹿児島空港は鹿児島市内から約40km離れた霧島市溝辺町に位置しており、鹿児島中央駅まではバスで約40分、料金は1,500円ほどかかると言われています。
このような立地条件から、早朝便や深夜便を利用する旅行者にとって、空港近くに宿泊できる施設の存在は非常に重要です。実際に「鹿児島空港は国内でも指折りの不便な立地」という声や、「空港近くという条件は選択肢はここしかありません」という宿泊客の声も見られました。
かごしま空港ホテルが閉館した後は、「INN 山一 空港店」や「ビジネスホテル 伊佐」といった小規模な民宿・ビジネスホテルが空港送迎サービスを提供している状況で、本格的なホテル施設の不在が続いていたようです。
LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTの全貌
建物と客室の構成
2025年12月11日に着工したと発表された新ホテルは、鉄骨造・地上7階建てのホテル棟を中心に、平屋の物販棟(コンビニエンスストア)と平屋の大浴場棟という3つの建物で構成される計画だと言われています。
客室数は全143室で、当初計画されていた154室から若干規模が縮小されましたが、これはより快適な滞在空間を実現するための変更かもしれません。客室タイプは、ビジネス需要に応えるコンパクトな客室を中心に、多人数利用に対応するツインルームや、ファミリー・三世代旅行を想定したコネクティングタイプも用意されると言われています。
タカラレーベンのホテル開発思想
このホテルを開発・運営するタカラレーベングループは、「幸せを考える。幸せをつくる。」を企業ビジョンに掲げ、分譲マンション事業で培った住空間づくりのノウハウをホテル事業に活かしているようです。
2022年3月には大阪・心斎橋で第1号となる「HOTEL THE LEBEN OSAKA」をオープン。このホテルは全107室すべてが30㎡以上のゆとりある空間を確保し、日本の平均的な宿泊特化型ホテルの15〜20㎡に比べて約2倍の広さを実現していると言われています。
さらに特徴的なのが「ルームチャージ制」の採用です。多くの日本のホテルが人数によって料金が変動する「人数チャージ制」を採用している中、HOTEL THE LEBENでは世界標準の「ルームチャージ制」を導入し、何名で宿泊しても統一料金で提供することで、家族旅行やグループ旅行でもお得に利用できる仕組みになっているようです。
HOTEL THE LEBEN OSAKAでは、初年度の平均客室単価(ADR)を15,000円と見込んでいたと報じられており、この価格帯が一つの参考になるかもしれません。ただし、鹿児島空港のホテルがこの価格になるかは、現時点では公式発表されていないようです。
九州初の革新的な温浴施設
LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTの最大の魅力と言えるのが、大浴場の充実した設備です。タカラレーベンの新築分譲マンションで標準設備として好評を得ているマイクロバブルバスを、ホテルの大浴場に九州エリアで初めて導入すると発表されています。
マイクロバブルバスとは、直径50マイクロメートル以下の微細な気泡を発生させるお風呂のことで、きめ細かな泡が全身を包み込み、温泉のような白濁したお湯を作り出すと言われています。保湿力が高く、肌がつやつやになる美容効果や、毛穴の奥の汚れまでかき出す洗浄効果が期待できるとされており、ホテルの大浴場としては画期的な設備と言えるでしょう。
さらに、ロウリュウサウナも完備されると発表されています。ロウリュウとは、フィンランド式サウナの入浴方法で、熱したサウナストーンにアロマ水などをかけて蒸気を発生させることで、湿度を大幅に上げて発汗作用を促す手法のことです。2000年代に日本に輸入されて以来、サウナブームの中心的存在となっており、旅の疲れをふわりとほぐし、移動の前後に心身をゆるめる時間を提供してくれると期待されています。
露天風呂も備えられるとのことで、霧島連山の山々を望みながらの入浴は、まさに鹿児島ならではの贅沢な体験になりそうです。
地元密着のカフェとコンビニ
ホテルのロビーには、地元で人気の高いカフェブランドが出店予定だと発表されています。鹿児島の食文化や地域の魅力を感じられる空間になることが期待されます。
また、別棟にはコンビニエンスストアが設置されると言われており、長期滞在やビジネス利用の際にも不便を感じることなく過ごせる環境が整えられているようです。旧かごしま空港ホテル周辺では「コンビニまで空港前まで行かないとない」という声もあったため、この点は大きな改善と言えるでしょう。
駐車場とアクセス
駐車場は約140台分が確保されると発表されており、レンタカーを利用する観光客や、マイカーで空港を利用する地元の方々にも対応できる規模になっているようです。
アクセスは鹿児島空港から徒歩約9分、車で2分という立地。旧かごしま空港ホテルは徒歩10分程度と言われていましたので、ほぼ同等の利便性を維持していると考えられます。空港からの無料送迎サービスが提供されるかどうかは、まだ公式な発表はないようですが、旧ホテルでは提供されていたサービスですので、新ホテルでも期待できるかもしれません。
メリット:誰にとって理想的なホテルなのか
早朝便・深夜便利用者にとっての絶対的な利点
空港隣接ホテルの最大のメリットは、何と言っても移動時間を気にせず利用できることです。鹿児島空港から鹿児島市内までバスで約40分かかることを考えると、早朝6時台の便を利用する場合、市内のホテルからだと早朝5時前にはチェックアウトしなければならない計算になります。
LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTなら、徒歩約9分という距離ですので、出発の30分〜45分前にホテルを出れば十分間に合うでしょう。朝食をゆっくり食べて、チェックアウトの慌ただしさから解放されるのは、旅の快適さを大きく左右する要素です。
深夜便の到着後も同様で、公共交通機関の時間を気にすることなく、すぐにホテルでくつろぐことができるのは、おすすめのポイントと言えます。特に疲れた体で長時間のバス移動を避けられるのは、大きな利点です。
ビジネス利用者の効率性を高める
出張で鹿児島空港を利用するビジネスパーソンにとっても、このホテルはおすすめです。空港からのアクセスが良いため、移動時間を最小限に抑えられ、ホテルでの滞在時間を最大化できます。
コンパクトな客室は、ビジネス需要に応えるために設計されていると言われており、必要十分な設備が整っていることが予想されます。また、Wi-Fi環境の完備は当然として、ワーケーションスタイルの利用にも対応できる可能性があります。
大浴場やサウナで一日の疲れをしっかり癒やし、翌朝早い便で次の目的地へ向かうというスタイルは、効率的なビジネストリップを実現する上でおすすめの選択肢となるでしょう。
家族旅行・グループ旅行での利用価値
ファミリーや三世代旅行を想定したコネクティングルームが用意されることも、このホテルの利点です。子どもを連れての旅行では、空港までの移動が最小限で済むことは、大きな安心材料となります。
鹿児島旅行の起点として考えた場合、初日は空港到着後すぐにホテルにチェックインし、大浴場でリラックス。翌日から霧島温泉郷(車で約30分)、霧島神宮(車で約40分)、鹿児島市内(バスで約40分)といった観光地を巡るプランが組みやすくなります。
最終日も、観光を楽しんだ後、夕方にホテルに戻ってゆっくり過ごし、翌朝の便で帰路につくという使い方ができるのは、おすすめのスタイルです。旅の最初と最後を空港近くで過ごすことで、移動の負担を大幅に軽減できるのはメリットと言えるでしょう。
観光の拠点としての新たな価値
近年、空港ホテルの活用法に変化が見られると報じられています。以前は飛行機利用の直前や直後の1泊のみの利用が中心でしたが、最近は2泊以上滞在して観光の拠点として活用する流れが出てきているようです。
鹿児島空港は霧島市に位置しており、周辺には魅力的な観光資源が豊富にあります。霧島温泉郷、霧島神宮、国分城山公園、西郷公園など、空港周辺だけでも十分に観光を楽しめるエリアです。さらに、レンタカーを利用すれば、桜島や仙巌園といった鹿児島市内の観光地にもアクセス可能です。
LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTを拠点に、朝から観光に出かけ、夕方ホテルに戻ってマイクロバブルバスとサウナで疲れを癒やし、地元カフェブランドのラウンジでくつろぐ。そんな新しい旅のスタイルが提案されているのかもしれません。
デメリット:知っておくべき制約と注意点
鹿児島市内観光には不向きという欠点
LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTの最大のデメリットは、鹿児島市内から離れていることです。天文館や鹿児島中央駅周辺での食事や観光を楽しみたい場合、バスで片道約40分、往復で約80分、料金も往復で約3,000円かかると言われています。
「鹿児島市内でのお仕事ということであれば、鹿児島中央駅近くを条件にして探されることをおすすめします」という声もあり、滞在の目的が鹿児島市内中心部である場合は、このホテルはおすすめしない選択肢となるでしょう。
周辺の飲食・娯楽施設の限定性という欠点
空港周辺という立地上、徒歩圏内に多様な飲食店や娯楽施設があるわけではありません。旧かごしま空港ホテルの口コミでも「コンビニは空港前まで行かないとない」という声があり、夜の外食オプションが限られていたことが伺えます。
新ホテルではカフェラウンジとコンビニが併設されるため、この点は改善されると期待されますが、それでも市街地のホテルに比べれば選択肢は限られるでしょう。ホテル内での食事や、事前に食材を調達しておくなどの対策が必要になるかもしれません。
観光地巡りには車が必須という制約
霧島エリアの観光を楽しむには、基本的にレンタカーが必要です。公共交通機関のバスもありますが、本数が限られており、効率的に複数の観光地を巡ることは難しいと言われています。
レンタカーを運転しない方や、運転に不安がある方にとっては、この立地はデメリットとなる可能性があります。空港周辺での観光に限定するか、タクシーを利用することになり、移動コストが増加することは考慮すべき点でしょう。
料金設定への懸念
現時点では具体的な宿泊料金が発表されていないため不透明ですが、タカラレーベンのHOTEL THE LEBEN OSAKAでは初年度の平均客室単価を15,000円と見込んでいたと報じられています。
旧かごしま空港ホテルは、1泊素泊まりで5,000円〜6,000円程度で利用できたという声もあり、新ホテルの料金次第では、気軽に利用できる宿泊施設ではなくなる可能性があります。「寝るだけ」の利用を考えている方にとっては、価格面でのデメリットとなるかもしれません。
建物の新しさゆえの未知数
2027年7月の開業予定ということは、実際の運営状況やサービスの質については、まだ誰も体験していません。設備や施設の図面は素晴らしく見えても、実際の使い勝手や、スタッフのホスピタリティ、清潔さの維持など、オープン後にならなければ分からない要素が多いのは、デメリットと言えるかもしれません。
こんな方におすすめ/おすすめしない方
おすすめしたい方
早朝便・深夜便を利用する旅行者
鹿児島空港を朝6時台〜7時台に出発する便や、夜21時以降に到着する便を利用する方には、このホテルはおすすめです。移動時間を気にせず、ゆっくり休めるメリットは何にも代えがたいものがあります。
霧島エリア観光を計画している方
霧島温泉郷、霧島神宮、霧島連山など、霧島エリアの観光を中心に計画している方にとって、このホテルは理想的な拠点となるでしょう。空港からのアクセスも良く、レンタカーでの移動もスムーズです。
温泉とサウナを重視する方
マイクロバブルバスとロウリュウサウナという、九州でも珍しい設備を体験してみたい方には、利点が大きいホテルです。旅の疲れをしっかり癒やしたい方におすすめと言えます。
ビジネス出張での効率性を求める方
限られた時間で効率的に移動したいビジネスパーソンにとって、空港隣接という立地はおすすめのポイントです。早朝便で到着し、すぐに商談に向かう。用事を終えたら夕方にホテルに戻り、翌朝の便で帰る。そんな効率的なスケジュールが可能になります。
家族旅行で移動負担を減らしたい方
小さなお子様連れや、高齢の両親との三世代旅行では、移動の負担を最小限にすることが快適な旅のカギとなります。コネクティングルームも用意されているため、家族全員がゆったり過ごせるでしょう。
おすすめできない方
鹿児島市内中心部での滞在が目的の方
天文館や鹿児島中央駅周辺での食事や観光を中心に計画している方には、このホテルはおすすめしない選択肢です。バスで片道40分の移動は、日々の行動に大きな制約となるでしょう。
車の運転ができない・したくない方
レンタカーなしで観光を楽しみたい方にとって、空港周辺という立地はデメリットとなります。公共交通機関の本数が限られているため、観光の自由度が大きく下がってしまいます。
コストを最優先で考える方
具体的な料金は未発表ですが、充実した設備を考えると、格安ビジネスホテルのような価格帯にはならないと予想されます。宿泊費を抑えたい方には、他の選択肢を検討することをおすすめします。
夜の外食や街歩きを楽しみたい方
ホテル周辺に多様な飲食店や娯楽施設を期待する方にとっては、この立地は欠点となります。ホテル内での滞在を基本とする覚悟が必要でしょう。
よくある質問(Q&A)
Q1: 開業はいつですか?
A: 2027年7月の開業が予定されていると発表されています。2025年12月11日に着工しており、約1年半の工事期間を経てオープンする見込みのようです。
Q2: 宿泊料金はいくらぐらいになりますか?
A: 現時点では具体的な料金は発表されていません。参考として、同じタカラレーベングループが運営する大阪のHOTEL THE LEBEN OSAKAでは、初年度の平均客室単価を15,000円と見込んでいたと報じられています。
Q3: 旧かごしま空港ホテルとの違いは何ですか?
A: 客室数は92室から143室に増え、建物も7階建てになるようです。最大の違いは温浴施設の充実で、マイクロバブルバスとロウリュウサウナが導入される点が大きな特徴と言えます。
Q4: 予約はいつから開始されますか?
A: 予約開始時期については、まだ公式な発表はないようです。開業の数か月前から予約受付が始まると予想されますので、公式サイトや旅行予約サイトをこまめにチェックすることをおすすめします。
Q5: 空港からの送迎はありますか?
A: 徒歩約9分の距離ですが、無料送迎サービスの有無については現時点で公式発表されていないようです。旧かごしま空港ホテルでは無料送迎バスが運行されていましたので、新ホテルでも同様のサービスが提供される可能性はあります。
Q6: 大浴場は宿泊者以外も利用できますか?
A: 日帰り入浴の可否については、まだ情報が公開されていないようです。マイクロバブルバスとロウリュウサウナという九州初の設備ですので、日帰り利用ができれば地域の方々にも喜ばれるでしょう。
Q7: レストランはありますか?
A: カフェラウンジが設置されると発表されています。本格的なレストランの有無や、朝食・夕食の提供については、詳細が待たれるところです。
Q8: 駐車場は有料ですか?
A: 約140台分の駐車場が確保されると言われていますが、料金体系については公式発表されていないようです。
コラム:「エアポートホテル」という隠語の意味
旅行業界では「エアポートホテル」という言葉が使われることがあります。これは単に空港近くのホテルという意味だけでなく、特定の利用シーンを想定した宿泊施設のカテゴリーを指す業界用語とも言えるでしょう。
一般的なシティホテルやリゾートホテルが「その場所での滞在そのものを楽しむ」ことを目的としているのに対し、エアポートホテルは「移動のための効率的な拠点」という性格が強いと言われています。トランジット(乗り継ぎ)のための短時間利用や、早朝便・深夜便に備えた前泊・後泊が主な利用パターンでした。
しかし近年、この概念に変化が生じていると報じられています。空港を単なる通過点ではなく、観光の起点として捉え直す動きが出てきているのです。空港周辺の観光資源を活かし、2泊以上滞在して地域を楽しむスタイルが広がりつつあるようです。
LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTは、まさにこの新しいエアポートホテルの概念を体現する施設になる可能性があります。単なる「寝るだけの場所」ではなく、マイクロバブルバスやロウリュウサウナといった滞在そのものを楽しめる設備を充実させることで、エアポートホテルの新しいスタンダードを提示しようとしているのかもしれません。
トラベルライター”TAKA”の考察と展望
これまで多くのホテルを取材し、旅の現場を見てきたトラベルライター”TAKA”として、LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTには大きな期待を寄せています。
日本の空港ホテルは長年、「移動の合間に仕方なく泊まる場所」という位置づけでした。設備は最小限、料金は安いが快適さは二の次。そんなイメージが定着していたと言えます。しかし、タカラレーベンが提案するのは、まったく異なるコンセプトです。
「日常の延長のような自然なくつろぎ」というブランドビジョンは、一見すると平凡に聞こえるかもしれません。しかし、旅の疲れを癒やし、明日への活力を養うという、ホテルの本質的な価値に立ち返った言葉だと感じます。分譲マンション事業で「住まう幸せ」を追求してきた企業だからこそ、「泊まる幸せ」を真剣に考えているのでしょう。
特に注目しているのは、九州初となるマイクロバブルバス付きの大浴場です。これは単なる差別化戦略ではなく、「旅の疲れを本当に癒やす」という強い意志の表れだと感じます。ロウリュウサウナとの組み合わせにより、空港ホテルとは思えない本格的なリラクゼーション体験が提供されるでしょう。
鹿児島という土地の特性も、このホテルの成功を後押しすると予想しています。鹿児島空港は霧島市に位置し、周辺には霧島温泉郷、霧島神宮といった九州を代表する観光資源があります。さらに、桜島や仙巌園、指宿温泉など、鹿児島県内には魅力的なスポットが点在しています。
これらを巡る旅の拠点として、LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTは理想的な立地にあると言えます。朝、ホテルを出発して霧島エリアを観光し、夕方戻ってきて温泉とサウナで疲れを癒やす。翌日は鹿児島市内へ足を延ばし、また戻ってくつろぐ。そんな「ゆとりある周遊旅行」のスタイルが、このホテルから生まれるかもしれません。
一方で、課題も見えています。最大の懸念は料金設定です。充実した設備を維持するためには相応のコストがかかり、それが宿泊料金に反映されるのは避けられないでしょう。HOTEL THE LEBEN OSAKAの15,000円という価格帯が一つの目安になるとすれば、「空港近くの気軽なホテル」という従来のイメージからは離れることになります。
この価格帯で選ばれるホテルになるためには、設備だけでなく、ホスピタリティやサービスの質が問われます。スタッフの対応、清潔さの維持、細やかな配慮。そうした「見えない価値」が、このホテルの真価を決めるでしょう。
また、地域との連携も重要です。地元で人気のカフェブランドをロビーに誘致する計画は、その第一歩と言えます。さらに、霧島市や周辺地域の観光情報を積極的に発信し、地元の飲食店や観光施設と連携することで、「このホテルに泊まれば鹿児島の魅力が分かる」と言われる存在になってほしいと願っています。
新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだ観光需要は、着実に回復してきています。2025年の大阪・関西万博、そして増加が期待されるインバウンド観光客。日本の観光業界は、新しい時代を迎えようとしています。
その中で、LEBEN HOTEL KAGOSHIMA AIRPORTは、地方空港周辺のホテル開発における一つのモデルケースになる可能性を秘めています。単なる「寝るだけの場所」から、「滞在そのものを楽しむ場所」へ。空港ホテルの概念を変える挑戦が、鹿児島の地で始まろうとしているのです。
2027年7月の開業を、トラベルライターとして、そして一人の旅行者として、心待ちにしています。新しい旅のスタイルが、この霧島の地から始まることを期待して、今後も注目し続けたいと思います。
公式サイトはこちら
株式会社タカラレーベン:https://www.leben.co.jp/










